トップ
>
堺
>
さかい
ふりがな文庫
“
堺
(
さかい
)” の例文
「赤絵とあれば、
堺
(
さかい
)
の商人の手にでもかかれば、千金もいたすであろうに。……いや値などはとにかく、近頃、眼の保養をいたした」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、
疲
(
つか
)
れて、おまけに少し
寒
(
さむ
)
くなりましたので、海岸の西の
堺
(
さかい
)
のあの古い
根株
(
ねかぶ
)
やその上につもった
軽石
(
かるいし
)
の
火山礫層
(
かざんれきそう
)
の処に行きました。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
鎌倉期の初頭あたりを一つの
堺
(
さかい
)
として、その鬼がまた天狗にその地位を委譲したのは、東国武士の実力増加、
都鄙
(
とひ
)
盛衰の事情を考え合わせても
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
民間では宗祇の門人
牡丹花肖柏
(
ぼたんかしょうはく
)
に伝えたのが
堺
(
さかい
)
伝授、肖柏から林宗二に伝えたのが奈良伝授、当時奈良は旧都
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
岸本の船に乗るのを見送ろうとして、番町は東京から、
赤城
(
あかぎ
)
は
堺
(
さかい
)
の滞在先から、いずれも宿屋へ
訪
(
たず
)
ねて来た。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
信長は時代を達観して尊皇の大義を唱え、日本統一の中心点を明らかにしましたが、彼は更に今の
堺
(
さかい
)
から鉄砲を大量に買い求めて統一の基礎作業を完成しました。
最終戦争論
(新字新仮名)
/
石原莞爾
(著)
堺
(
さかい
)
の
街
(
まち
)
にて
亡
(
な
)
き父ほど天子様を思ひ、
御上
(
おかみ
)
の御用に自分を忘れし商家のあるじはなかりしに候。弟が
宅
(
うち
)
へは手紙ださぬ心づよさにも、亡き父のおもかげ思はれ候。
ひらきぶみ
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
殿下御秘蔵の
水差
(
みずさし
)
の
蓋
(
ふた
)
を取りまして急ぎ
聚楽
(
じゅらく
)
へ
罷
(
まか
)
り上り、関白殿の御覧に供えましたところ、その水差と申しますのは、もとは
堺
(
さかい
)
の
数寄者
(
すきもの
)
の物でござりましたが
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
あなごの美味いのは、
堺
(
さかい
)
近海が有名だ。東京のはいいといっても、関西ものに
較
(
くら
)
べて調子が違う。焼くには堺近海のがよく、煮るとか、てんぷらとかには東京のがいい。
鱧・穴子・鰻の茶漬け
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
四谷
(
よつや
)
鮫
(
さめ
)
ヶ
橋
(
はし
)
と
赤坂離宮
(
あかさかりきゅう
)
との間に
甲武鉄道
(
こうぶてつどう
)
の線路を
堺
(
さかい
)
にして
荒草
(
こうそう
)
萋々
(
せいせい
)
たる
火避地
(
ひよけち
)
がある。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
人の心には底の知れない暗黒の
堺
(
さかい
)
がある。不断一段自分より上のものにばかり交るのを喜んでいる自分が、ふいとこの青年に逢ってから、
余所
(
よそ
)
の
交
(
まじわり
)
を疎んじて、ここへばかり来る。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
尤
(
もっと
)
も
積荷
(
つみに
)
が多いゆえ、
捗
(
はか
)
が
行
(
ゆ
)
きませんから、井生森は船中で一泊して、翌日は
堺
(
さかい
)
から
栗橋
(
くりはし
)
、
古河
(
こが
)
へ着いたのは昼の十二時頃で、古河の
船渡
(
ふなと
)
へ荷を
揚
(
あ
)
げて、
其処
(
そこ
)
に
井上
(
いのうえ
)
と申す
出船宿
(
でふねやど
)
で
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一めん波が
菱立
(
ひしだ
)
って来た放水路の水面を川上へ目を
遡
(
さかのぼ
)
らせて行くと、中川筋と荒川筋の
堺
(
さかい
)
の
堤
(
つつみ
)
の両端を
扼
(
やく
)
している
塔橋型
(
とうきょうがた
)
の大水門の辺に競走のような張りを見せて舟々は
帆
(
ほ
)
を上げている。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
わたしはその時声もかけずに、
堺
(
さかい
)
の
襖
(
ふすま
)
を明けたのですから。——しかもわたしの身なりと云えば、
雲水
(
うんすい
)
に姿をやつした上、
網代
(
あじろ
)
の笠を脱いだ代りに、
南蛮頭巾
(
なんばんずきん
)
をかぶっていたのですから。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さきの日帰りの
途
(
みち
)
を
戍亥
(
いぬい
)
にとって、彼の記憶に彫っておいた山の
容貌
(
ようぼう
)
である。そこが
堺
(
さかい
)
であった。地の勢いはあちらとこちらに区分され、その分水嶺を超えたらもうこちらのものである。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
(ニ)
堺
(
さかい
)
本(
元亀
(
げんき
)
元年の奥書きあり。伝宸翰本はこれと同系統のもの)の系統
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
しかしその酔いがさめたあとの苦痛は、精神の疲弊と一緒に働いて、葉子を半死半生の
堺
(
さかい
)
に打ちのめした。葉子は自分の
妄想
(
もうそう
)
に
嘔吐
(
おうと
)
を催しながら、倉地といわずすべての男を
呪
(
のろ
)
いに呪った。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
堺
(
さかい
)
町の中村座の茶屋で「ゆき」と云ってくださればわかるようにしてある。
屏風はたたまれた
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
泉州
(
せんしゅう
)
の
堺
(
さかい
)
だったよ」
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
堺
(
さかい
)
に
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
この男は、以前は、肥前の唐津、
堺
(
さかい
)
、長崎などにも出店を持ち、相応にやっていた木綿問屋でござりますが、どうした心の狂いか、酒を
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この以外にも、『
初懐紙
(
はつかいし
)
』その他一二の例外はあるが、大体にまず『冬の日』の出た頃を
堺
(
さかい
)
として、それからはもっぱらこの形に
由
(
よ
)
ろうとしている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その日の昼過ぎには、通禧は五代、中井らの人たちと共に
堺
(
さかい
)
の
旭
(
あさひ
)
茶屋に出張していた。済んだあとで何事もわからない。土佐の藩士らは知らん顔をして見ている。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「ホー。」高く返事が
響
(
ひび
)
いて来ます。そして二人はどっちからもかけ寄って、ちょうど畑の
堺
(
さかい
)
で会いました。善コの家の畑も、茶色外套の豆の木の兵隊で一杯です。
十月の末
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
首に鉄を
箝
(
は
)
められ、罪人の乗る車に乗せられて、大坂へ着くと町を引き廻された上、今度は
堺
(
さかい
)
へ送られて、そこでも町を引き廻された、そうしていずれ明日あたりは
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
自分が「純潔」を貴ぶ所から
堺
(
さかい
)
の
街
(
まち
)
の男女の風俗のふしだらな事を見聞きしてそれを
厭
(
いと
)
い、また読書を好む所から文学書の中の客観的な恋愛に
憧
(
あこが
)
れて、自分の感情を満足させていたのが
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
これから
富山
(
とやま
)
へ掛って
行
(
ゆ
)
けば道順なれども、富山へ行くまでには
追分
(
おいわけ
)
から
堺
(
さかい
)
に関所がございますから、あれから道を
斜
(
はす
)
に切れて
立山
(
たてやま
)
を北に見て、だん/″\といすの宮から
大沓川
(
おおくつがわ
)
へ掛って
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
が、そこと書斎との
堺
(
さかい
)
には、さっきまで
柩
(
ひつぎ
)
の後ろに立ててあった、白い
屏風
(
びょうぶ
)
が立っている。どうしたのかと思って、書斎の方へ行くと、入口の所に
和辻
(
わつじ
)
さんや何かが二、三人かたまっていた。
葬儀記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
どこをどうあるき迷ったあげくか、その翌日には、お蝶は
相州
(
そうしゅう
)
津久井県
(
つくいけん
)
の
堺
(
さかい
)
を出て、甲州の郡内に一歩足をふみ入れておりました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただそこが神様の領分の
堺
(
さかい
)
であるために、いよいよ厳重に身をつつしみ、また堺を守る神を拝んだようであります。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
向
(
むこ
)
うの海が
孔雀石
(
くじゃくいし
)
いろと
暗
(
くら
)
い
藍
(
あい
)
いろと
縞
(
しま
)
になっているその
堺
(
さかい
)
のあたりでどうもすきとおった風どもが波のために少しゆれながらぐるっと
集
(
あつま
)
って私からとって行ったきれぎれの
語
(
ことば
)
を
サガレンと八月
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
当時、京都は兵乱のあとを
承
(
う
)
けて、殺気もまだ全く消えうせない。ことに、神戸
堺
(
さかい
)
の暴動、およびその処刑の始末等はひどく攘夷の党派に影響を及ぼし、人心の
激昂
(
げきこう
)
もはなはだしい。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
隆達どのも元は
堺
(
さかい
)
のくすりあきうどでござりましたのに、うたが上手なればこそ太こう殿下のお召しにもあずかり、ゆうさい公につゞみを打たせていちだいの面目をほどこされました。
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
阿媽港日記
(
あまかわにっき
)
と云う本を書いた、
大村
(
おおむら
)
あたりの
通辞
(
つうじ
)
の名前も、甚内と云うのではなかったでしょうか? そのほか
三条河原
(
さんじょうがわら
)
の喧嘩に、
甲比丹
(
カピタン
)
「まるどなど」を救った
虚無僧
(
こむそう
)
、
堺
(
さかい
)
の
妙国寺
(
みょうこくじ
)
門前に
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
当今馬車道になりましたが、其の頃は女は手形がなければ通られぬとて、
久下村
(
くげむら
)
より
中瀬
(
なかせ
)
に出て、渡しを越えて、漸々
堺
(
さかい
)
という所まで来ますと、七つ
下
(
さが
)
りになりまして、足が疲れて歩かれません。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
堺
(
さかい
)
の街のあきびとの
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
梅雪入道は、家康にかたく
誓
(
ちか
)
って、そこそこに
堺
(
さかい
)
へ立ちもどった。にわかに家来一同をまとめて、領土へ帰国の
旨
(
むね
)
を
布令
(
ふれ
)
だした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これは
堺
(
さかい
)
ということを意味する古い言葉である。これがいつの間にか何々ヒョウと言うような音読になった。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
京、
伏見
(
ふしみ
)
、
堺
(
さかい
)
、大阪、——わたしの知らない土地はありません。わたしは一日に十五里歩きます。力も
四斗俵
(
しとびょう
)
は片手に
挙
(
あが
)
ります。人も二三人は殺して見ました。どうかわたしを使って下さい。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして虔十はまるでこらえ切れないようににこにこ笑って兄さんに教えられたように今度は北の方の
堺
(
さかい
)
から杉苗の穴を掘りはじめました。実にまっすぐに実に
間隔
(
かんかく
)
正しくそれを掘ったのでした。
虔十公園林
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
堺
(
さかい
)
の街の妙国寺
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「おまえなどは知らないでもいいことだが、お使いをする
褒美
(
ほうび
)
として聞かしてやろう。ここは
甲斐
(
かい
)
と
信濃
(
しなの
)
と
駿河
(
するが
)
の
堺
(
さかい
)
、山の名は
小太郎山
(
こたろうざん
)
」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また著しく美観を欠き、或いはこのあたりが石類との交替の
堺
(
さかい
)
であったようにも考えられる。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
仮令
(
たとえ
)
ば人間の一生は連続している、
嬰児
(
えいじ
)
期幼児期少年少女期青年処女期壮年期老年期とまあ斯うでしょう、ところが実はこれは
便宜
(
べんぎ
)
上勝手に分類したので実は連続しているはっきりした
堺
(
さかい
)
はない
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「大坂石山の本願寺を中心とする
圏内
(
けんない
)
とわしは
観
(
み
)
ておる。寺にはかなわん。財力がある。また、
堺
(
さかい
)
に接し、地の利を得ている」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この事実は、今日の大都会の旧家の歴史を尋ぬれば、
容易
(
たやす
)
く証明せらるるのである。京でも大阪でも
堺
(
さかい
)
でも、江戸時代の初期に名をなした大商人は、いずれも浪人の転業であった。
家の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
塀
(
へい
)
の面影はあるが塀の
堺
(
さかい
)
は雑草で
埋
(
う
)
まっています。その関の屋敷のなかへ、今こういいながら玄関をのぞいて裏へ廻ったひとりの男がある。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
阪戸
(
さかと
)
・
阪手
(
さかて
)
・
阪梨
(
さかなし
)
(阪足)などとともに、中古以前からの郷の名・里の名にありますが、今日の境の村と村との
堺
(
さかい
)
を
劃
(
かく
)
するに反して、昔は山地と平野との境、すなわち国つ神の領土と
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
都より
開港場
(
かいこうじょう
)
のほうに、なにかの手がかりが多かろうと、目星をつけて、京都から
堺
(
さかい
)
へいりこんでいたのは、
鞍馬
(
くらま
)
を下山した
小幡民部
(
こばたみんぶ
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
関の姥神はもちろん、上総と
安房
(
あわ
)
との
堺
(
さかい
)
ばかりにあったのではありません。一番有名なものは京都から
近江
(
おうみ
)
へ越える
逢阪
(
おうさか
)
の関に、
百歳堂
(
ももとせどう
)
といってあったのも姥神らしいという話であります。
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“堺”の解説
堺(さかい)は、大阪湾に面し、大阪市(大坂)の南に位置する都市。また、その市街地を中心とする政令指定都市。
地名は、方違神社付近がかつて摂津国・河内国・和泉国の3国の「境(さかい)」であったことに由来する。市街地はその西方に形成され、大小路通を境に摂津国住吉郡と和泉国大鳥郡に跨っていた。
(出典:Wikipedia)
堺
漢検準1級
部首:⼟
12画
“堺”を含む語句
堺町
堺筋
堺港
堺原
地堺
堺屋
分堺
堺町人
堺枯川
国堺
堺目
郡堺
落合堺
泉州堺
本町堺筋
悲堺
堺鍛冶
堺見物
堺表
堺藤兵衛
...