“圏内”の読み方と例文
旧字:圈内
読み方割合
けんない100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の車の頭光とうこう圏内けんないを、グラグラとゆれていたが、しばらく走る内に、こちらから見えている背後のシェードが、スルスルと卸された。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
だが、土橋の上を仰ぐと、そこから自分をほうり飛ばした勢いのものが、何ものをもまじえず、真空の一圏内けんないを作って対峙たいじしていた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こう云った小林は肝心かんじんなところへ来て、知らん顔をして圏外けんがいへ出てしまった。津田は失望した。その失望をしばらく味わったあとで、小林はまた圏内けんないへ帰って来た。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)