まき)” の例文
新字:
平常つね部屋へやりかゝる文机ふづくゑ湖月抄こげつせうこてふのまき果敢はかなくめてまたおもひそふ一睡いつすゐゆめ夕日ゆふひかたぶくまどすだれかぜにあほれるおとさびし。
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
我見しに、かの光の奧には、あまねく宇宙にひらとなりて分れ散るもの集り合ひ、愛によりてひとつまきつゞられゐたり 八五—八七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
これが半纏はんてんむかうはちまき威勢ゐせいいのでなく、古合羽ふるがつぱ足駄穿あしだば懷手ふところでして、のそり/\と歩行あるきながらぶゆゑをかし。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
證據にと目にかどたつれば惣内ひざ立直たてなほし名主役の惣内を盜人などとは言語同斷ごんごどうだんなり九助品に依りすぢに因ては了簡れうけん成難なりがたしと聞皆々みな/\四方より九助を取まきたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
化物ばけもの分類ぶんるゐうちだい二の幽靈ゆうれいは、しゆとして人間にんげん靈魂れいこんであつてこれ生靈いきれう死靈しれうの二つにける。きながらたましひかたちあらはすのが生靈いきれうで、源氏物語げんじものがたりあをひまきの六でう御息所みやすみどころ生靈いきれうごときはすなはそれである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
こと十三まきしたくび
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
讀むいにしへの歌のまき
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
ば助けつかはさんコリヤ十兵衞とよばれし時十兵衞は始終の樣子を聞て大岡殿の頓智とんちしたまきまことに恐れ入て冷汗ひやあせを流し居たりしゆゑ急に答へもいでず平伏するを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ウーゴ・ダ・サン・ヴィットレ彼等とともこゝにあり、またピエートロ・マンジァドレ及び世にて十二のまきに輝くピエートロ・イスパーノあり 一三三—一三五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
それも其筈そのはずむかしをくれば系圖けいづまきのことながけれど、徳川とくがはながすゑつかたなみまだたぬ江戸時代えどじだいに、御用ごようそば取次とりつぎ長銘ながめいうつて、せきを八まん上坐じやうざめし青柳右京あをやぎうきやう三世さんぜまご
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
おもつたばかりで、そのばんつかれてた。がつぎは、もうれいによつてられない。きざみと、まきたばこを枕元まくらもと左右さいうに、二嬌にけうごとはべらせつゝも、このけむりは、反魂香はんごんかうにも、ゆめにもならない。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
止めて待るゝに次右衞門三五郎の兩士亂髮らんぱつの上を白布しろぬのにてまき野服のふくまゝにてかたな
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
名物めいぶつ切干大根きりぼしだいこんあまいにほひをなつかしんで、手製てせいののりまきしか稚氣ちきあいすべきことは、あの渦卷うづまき頬張ほゝばつたところは、飮友達のみともだちわらはばわらへ、なくなつたおやどもには褒美はうびあづからうといふ
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「むきがに。」「殼附からつき。」などと銀座ぎんざのはちまきうまがるどころか、ヤタいちでも越前蟹ゑちぜんがに大蟹おほがに)をあつらへる……わづか十年じふねんばかりまへまでは、曾席くわいせきぜんうや/\しくはかまつきで罷出まかりでたのを、いまかられば、うそのやうだ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたしふところまきへ、けたときであつた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)