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偶々
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たま/\
ふりがな文庫
“
偶々
(
たま/\
)” の例文
偶々
(
たま/\
)
愚論を吐いて曰く、古河市兵衛の営業と云ふものは国家の有益であると。——大きにお世話だ。此方は租税を負担して居ります。
政治の破産者・田中正造
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
君の探偵は
偶
(
まぐ
)
れ
中
(
あた
)
りだ今度の事でも
偶々
(
たま/\
)
お紺の髪の毛が縮れて居たから旨く行た様な者の若しお紺の毛が真直だッたら無罪の人を
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
ゾオラが
偶々
(
たま/\
)
醜悪
(
しうあく
)
のまゝを
写
(
うつ
)
せば
青筋
(
あをすじ
)
出して
不道徳
(
ふだうとく
)
文書
(
ぶんしよ
)
なりと
罵
(
のゝし
)
り
叫
(
わめ
)
く事さりとは
野暮
(
やぼ
)
の
行
(
い
)
き
過
(
す
)
ぎ
余
(
あま
)
りに
業々
(
げふ/\
)
しき
振舞
(
ふるまひ
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
其處
(
そこ
)
に
彼等
(
かれら
)
の
這
(
は
)
ひ
廻
(
まは
)
るのを
見
(
み
)
て、
偶々
(
たま/\
)
自分
(
じぶん
)
が
以前
(
まへ
)
の
週
(
しう
)
に、
數多
(
あまた
)
の
金魚鉢
(
きんぎよばち
)
を
轉
(
ひ
)
ッ
覆
(
くりか
)
へした
時
(
とき
)
の
態
(
ざま
)
を
想
(
おも
)
ひ
起
(
おこ
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
偶々
(
たま/\
)
トルストイのように本当にその精神にぶつかることの出来た人に於て、初めてキリストの感情は地上に花を開くのだ。
反キリスト教運動
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
不安と
疑惧
(
ぎぐ
)
と悲歎に重苦しく閉ぢこめられて、
偶々
(
たま/\
)
大きい聲で物を言ふ者があると、家中の者が
彈
(
はじ
)
き上げられたほど吃驚するといつた不思議な靜けさでした。
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
朝
(
あさ
)
須原峠の
嶮
(
けん
)
を
登
(
のぼ
)
る、
偶々
(
たま/\
)
行者三人の
来
(
きた
)
るに
逢
(
あ
)
ふ、身には幾日か
風雨
(
ふうう
)
に
晒
(
さら
)
されて
汚
(
けが
)
れたる白衣を
着
(
ちやく
)
し、
肩
(
かた
)
には
長
(
なが
)
き
珠数
(
じゆづ
)
を
懸垂
(
けんすゐ
)
し、三個の
鈴声
(
れいせい
)
歩
(
ほ
)
に従ふて
響
(
ひび
)
き
来
(
きた
)
る
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
今その面を見るに、深く車轍を印したればなり。家壁には時に戸主の姓氏を刻めるを見る。又
招牌
(
かんばん
)
の遺れるあり。
偶々
(
たま/\
)
その一を讀めば、石目細工の家と題したり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ただ
偶々
(
たま/\
)
に東京がへりの若い歯科医がその窓の障子に気まぐれな赤い硝子を入れただけのことで
水郷柳河
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
偶々
(
たま/\
)
、岩倉大使と共に欧米を巡遊して、その燦然たる文明の諸施設に驚嘆し、殖産興業に依る富国強兵の大策を、
土産
(
みやげ
)
として帰朝した大久保利通の眼には、征韓派の主張は
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
本山さんへ來る牛乳配達は、
偶々
(
たま/\
)
その林檎の木の下に休んだ旅人の一人に過ぎないのです。
反古
(旧字旧仮名)
/
小山内薫
(著)
また父子爵にしても彼を引上げて、子爵家の
繼嗣
(
よつぎ
)
とする必要が無かツたのであツた。雖然子爵夫人に子の無いといふ一ツの
事件
(
じけん
)
が、
偶々
(
たま/\
)
周三を子爵家の
相續人
(
そうぞくにん
)
とすることにした。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
其の上しとやかで
物数
(
ものかず
)
を云わず、
偶々
(
たま/\
)
口をきくと愛敬があってお客の心を損ねず、芸は
固
(
もと
)
より
宜
(
よ
)
し、何一つ点を打つ処はありませんが、朝は早く起きて
御膳焚
(
ごぜんたき
)
同様にお
飯
(
まんま
)
を炊き
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
見
(
み
)
さつせえ、いまに
太陽様
(
おてんとうさま
)
が
出
(
で
)
さつせえても、
濠端
(
ほりばた
)
かけて
城跡
(
しろあと
)
には、お
前様
(
めえさま
)
と
私等
(
わしら
)
が
他
(
ほか
)
には、
人間
(
にんげん
)
らしい
影
(
かげ
)
もねえだ。
偶々
(
たま/\
)
突立
(
つゝた
)
つて
歩行
(
ある
)
くものは、
性
(
しやう
)
の
善
(
よ
)
くねえ、
野良狐
(
のらぎつね
)
か、
山猫
(
やまねこ
)
だよ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
世の批評家はおほしといへども、逍遙子がこたびの大議論を聞きては、皆口をつぐんで物言はず。
偶々
(
たま/\
)
物言ふ人ありといへども、唯賞讃のこと葉を重ねて、眞價を秤らむとするに至らず。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
偶々
(
たま/\
)
人が自動車を勧めると、寺田氏は綿屑で一杯詰つたやうな頭を強く
掉
(
ふ
)
つて
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そつとさし置たち出しが又立もどり
熟眠
(
うまひ
)
せし其顏
熟々
(
つく/″\
)
打ながめ
偶々
(
たま/\
)
此世で親と子に成し
縁
(
えに
)
しも斯ばかり
薄
(
うす
)
き
契
(
ちぎ
)
りぞ情なし然ど
汝
(
なんぢ
)
を抱へては親子が
畢
(
つひ
)
に
餓
(
う
)
ゑ死に外に
爲
(
せん
)
術
(
すべ
)
なきまゝに
可愛
(
いとし
)
我が子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
或日の午後のことであつたが、彼は
偶々
(
たま/\
)
庭で私とアデェルに
出會
(
であ
)
つた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
東京 から
偶々
(
たま/\
)
追ツかけて 来た 腐れ女 と 一緒に!
札幌の印象
(新字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
揉
(
も
)
み消したる頼朝は憎けれどまた考へれば義仲には關白松殿の姫君のほか巴山吹などの艶福あり義經には京の君靜御前といふ意氣筋あり頼朝めは政子といふ
嫉深
(
しつふか
)
のいけない女に恐れ入り
偶々
(
たま/\
)
浮氣らしき事あれば
三鱗
(
みつうろこ
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
ただ
偶々
(
たま/\
)
に東京がへりの若い齒科醫がその窓の障子に氣まぐれな紅い硝子を入れただけのことで
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
露宿をなして以来此汁を
啜
(
すす
)
ること二回、
其味
(
そのあじ
)
甚
(
はなはだ
)
佳
(
か
)
なり、
加
(
くわ
)
ふるに
鰹
(
かつほ
)
の煑出しを以てす、
偶々
(
たま/\
)
汁を
作
(
つく
)
ることあるも常に
味噌
(
みそ
)
を入るるのみなれば、当夜の如き
良菌
(
りやうきん
)
を得たるときは
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
一体斯様な事をいう手前などはな主人を
常
(
つね
)
思わんからだ、主人を思わん奴が
偶々
(
たま/\
)
胸に主人の為になる事を
浮
(
うか
)
ぶと、あゝ忠義な者じゃと
自
(
みずか
)
ら誇る、家来が主人を思うは
当然
(
あたりまえ
)
の事だ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
学校
(
がつこう
)
の
卒業
(
そつげふ
)
証書
(
しようしよ
)
が二
枚
(
まい
)
や三
枚
(
まい
)
有
(
あ
)
つたとて
鼻
(
はな
)
を
拭
(
ふ
)
く
足
(
たし
)
にもならねば
高
(
たか
)
が
壁
(
かべ
)
の
腰張
(
こしばり
)
か
屏風
(
びやうぶ
)
の
下張
(
したばり
)
が
関
(
せき
)
の
山
(
やま
)
にて、
偶々
(
たま/\
)
荷厄介
(
にやつかい
)
にして
箪笥
(
たんす
)
に
蔵
(
しま
)
へば
縦令
(
たと
)
へば
虫
(
むし
)
に
喰
(
く
)
はるゝとも
喰
(
く
)
ふ
種
(
たね
)
には
少
(
すこ
)
しもならず。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
偶々
(
たま/\
)
八代将軍吉宗は、紀州侯
頼宣
(
よりのぶ
)
の孫ではあるが、わづか三万石の領主から、宗家を嗣ぎ、更に将軍になつただけに、天成の英才であると共に、下情に通じ、家康創業の精神を以て、幕政の改革
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
偶々
(
たま/\
)
伸びて来た今川には、奇勝することが出来た。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
偶
常用漢字
中学
部首:⼈
11画
々
3画
“偶”で始まる語句
偶
偶然
偶〻
偶像
偶人
偶合
偶時
偶中
偶座
偶数