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髻
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たぶさ
ふりがな文庫
“
髻
(
たぶさ
)” の例文
私
(
わたくし
)
の頭を鉄扇で打ち、門弟が
髻
(
たぶさ
)
を取って引摺り出し、打ち打擲するのみならず、割下水へ
倒
(
さか
)
さまに
突込
(
つきこ
)
まれて
私
(
わたくし
)
は半分死んで居ります
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
軽く
反
(
かわ
)
せた荻野八重梅、女力に
髻
(
たぶさ
)
を掴み、胸もと近く引き寄せたが、「さあどっちが悪党かねえ」立派に突いた、もう一眼!
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
畳の上に
俯伏
(
うつぶ
)
しに倒れていましたが、誰かに
髻
(
たぶさ
)
をつかんで引摺り出されたように、丸髷がめちゃめちゃにこわれています。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
死にかけてゐる父親の
胡麻鹽
(
ごましほ
)
の
髻
(
たぶさ
)
を取つて、ゆすぶり加減にグワツと睨んだ、金之助の顏は、男姿ながら、鬼女そのまゝの
物凄
(
ものすご
)
さだつたのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
多勢が寄って
聚
(
たか
)
って、むりに女の
髻
(
たぶさ
)
を放させたが、それに
逆
(
さから
)
ったというので、とうとう万年屋を袋叩きにしてしまった。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
▼ もっと見る
一刀をふり
被
(
かぶ
)
って斬って出た途端に、無数の槍と太刀の下になって、
髻
(
たぶさ
)
を散らした水々しい若さの顔が、人々の土足の邪魔をしているだけであった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
四十台か、せいぜい五十に手の届く年ごろの
面影
(
おもかげ
)
と見えて、まだ黒々とした髪も男のさかりらしく、それを
天保
(
てんぽう
)
時代の風俗のような
髻
(
たぶさ
)
に束ねてあった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この屋根の上に
蘆
(
あし
)
が生えて、台所の
煙出
(
けむだ
)
しが、水面へあらわれると、
芥溜
(
ごみため
)
のごみが
淀
(
よど
)
んで、泡立つ中へ、この黒髪が
倒
(
さかさ
)
に、
髻
(
たぶさ
)
から
搦
(
から
)
まっていようも知れぬ。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
優
(
やさ
)
しい
言葉
(
ことば
)
が、やがて一
尺
(
しやく
)
もあらうかと
思
(
おも
)
はるゝほどに
長
(
なが
)
く
大
(
おほ
)
きな
髻
(
たぶさ
)
を
載
(
の
)
せた
頭
(
あたま
)
のてツぺんから
出
(
で
)
た。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
一体、何が中に入っているかと思って
覗
(
のぞ
)
いて見ると、
髻
(
たぶさ
)
が無残に押込まれてあるのだ。なるほどと思う。女学生らは、自分の毛髪の入れ場所に悩んでいるのだろう。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
電落した左膳の長剣に、ガジッ! と声あり、そぎとられた
頭骸骨
(
ずがいこつ
)
の一片が、転々と地をはった。
脳漿
(
のうしょう
)
草に散って、まるで
髻
(
たぶさ
)
をつけたお椀を
抛
(
ほう
)
り出しでもしたよう——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ちょいとしゃがめば、ちょいと手に
攫
(
つか
)
めると云う為事で、あぶなげのないのでなくちゃ厭だ。そう云う旨い為事があるのかい。福の神の
髻
(
たぶさ
)
を攫んで放さないと云う為事だ。
橋の下
(新字新仮名)
/
フレデリック・ブウテ
(著)
詰
(
つめ
)
て申しければ昌次郎も一
言
(
ごん
)
の
答
(
こた
)
へもなく
赤面
(
せきめん
)
閉口
(
へいこう
)
したりしは
心地
(
こゝち
)
能
(
よく
)
こそ見えにけれ父上臺憑司
堪
(
こら
)
へ
兼
(
かね
)
て立ち上り昌次郎の
襟髮
(
えりがみ
)
掴
(
つか
)
み
疊
(
たゝみ
)
へ
摺
(
すり
)
付け
打据
(
うちすゆ
)
るにお早は娘お梅が
髻
(
たぶさ
)
を
掴
(
つか
)
んで引倒し怒の聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
髻
(
たぶさ
)
を攫んで放さぬように、出来そうな事件を
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
未練らしく此の間も来て
酷
(
ひど
)
い事を言って、私の
髻
(
たぶさ
)
を
把
(
と
)
って引摺り倒し、散々に
殴
(
ぶ
)
ちましたから、私も
口惜
(
くやし
)
いから了簡しませんでしたが
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
馬鹿だなア、小田原まで行く氣でゐやがる——ね、爺さん。あんなノウテンキな野郎だが、命の恩人だと思つたら、
髻
(
たぶさ
)
を
銭形平次捕物控:183 盗まれた十手
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
井田さんの髪の毛を掻きむしったり、母の
髻
(
たぶさ
)
を掴んだりしたのも、何者の
仕業
(
しわざ
)
だか判りません。いかがなものでしょう。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
同じような旅
装束
(
よそおい
)
。年恰好は四十あまり、ただし頭は総髪に取り上げ
元結
(
もとゆい
)
の代りに紫の紐でキリキリと
髻
(
たぶさ
)
を結んでいるのがいささか異様に思われた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この算用を
算盤
(
そろばん
)
ぱちぱち、五を引いて二が残り、たった三厘の相違があっても
髻
(
たぶさ
)
を
掴
(
つか
)
んで
引摺倒
(
ひきずりたお
)
そうという
因業
(
いんごう
)
な旦那を持ってるから、夜の更けるまで帳場に坐って
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
曙染
(
あけぼのぞめ
)
の小袖に、細身の大小をさし、髪は
髻
(
たぶさ
)
に
結
(
ゆ
)
い、前髪にはむらさきの布をかけ、更にその上へ青い
藺笠
(
いがさ
)
を
被
(
かぶ
)
って顔をつつみ、丁字屋の
湯女
(
ゆな
)
たちにも
羞恥
(
はにか
)
ましそうに
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前の晩に
拳
(
こぶし
)
を握り固め、五本の指を
屈
(
かが
)
め、後ろから
髻
(
たぶさ
)
でもつかむようにして、木像の首を引き抜く手まねをして見せながら等持院での現場の話を半蔵に聞かせたその同じ豪傑とも見えなかった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
村上松五郎は此の
体
(
てい
)
を見るより飛掛り、茂之助の
髻
(
たぶさ
)
を取って仰向けに引倒し、表附の駒下駄で額の辺を蹴ったからダラ/\と血が流れるを
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
大
髻
(
たぶさ
)
に黒紋付き、袴なしの着流しにした、大兵の武士がこういうように云った。独り言のように云ったのであった。
十二神貝十郎手柄話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その後ろから
虎視眈々
(
こしたん/\
)
として八五郎、老人が逃げ出したら、もう一度
髻
(
たぶさ
)
を掴んで引戻す氣だつたことでせう。
銭形平次捕物控:183 盗まれた十手
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
各〻、手捕り足取り、ある者は刀の下緒を解いて口に
扱
(
しご
)
き、あるものは
髻
(
たぶさ
)
を掴んで押さえつけた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……この方の催促は、またそれ亭主が
妬
(
や
)
くといういやなものが
搦
(
から
)
んでさ、
髻
(
たぶさ
)
を
掴
(
つか
)
んで、引きずって、
火箸
(
ひばし
)
で
打
(
ぶ
)
たれました、などと手紙を寄越す、田舎芝居の責場があるから。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
文治は
突然
(
いきなり
)
おあさの
髻
(
たぶさ
)
を取って二畳の座敷へ引摺り込み、此の口で不孝を
哮
(
ほざ
)
いたか、と云いながら口を
引裂
(
ひっさ
)
き
肋骨
(
あばらぼね
)
を
打折
(
ぶちお
)
り
酷
(
ひど
)
い事をしました。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
武士の年齢は四十五、六、総髪の大
髻
(
たぶさ
)
、見上げるばかりの長身であったが、肉付きはむしろ貧しい方で、そのかわりピンと引き締まっていた。着ている衣裳は黒羽二重。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「やい、
不貞腐
(
ふてくされ
)
。」と車夫の吉造、不意に飛込んで、
婦人
(
おんな
)
の
髻
(
たぶさ
)
鷲掴
(
わしづか
)
みにしてぐいと引けば、顔をしかめて、「あ
痛
(
いつ
)
、つつつつつ」と
拳
(
こぶし
)
に手を懸け、「無体な、何をするんだねえ。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あツ、痛いツ、痛いよ。
髻
(
たぶさ
)
を
掴
(
つか
)
んで引いちや、——無法な人だね、お前さんは」
銭形平次捕物控:183 盗まれた十手
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
直ぐに飛込んで
髻
(
たぶさ
)
を
把
(
と
)
ってと云う訳にもいきません、坊主ですから鉄鍋の様に両方の耳でも把るか、鼻でも
劓
(
そ
)
ごうかと既に飛込みに掛りましたが
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しても
実家
(
さと
)
から財産を持って来ます。そのかわりただ一度で
可
(
よ
)
うござんす。お姑さんを貴方の手で、せめて部屋の外へ突出して、一人の小姑の
髻
(
たぶさ
)
を
掴
(
つか
)
んで、一人の小姑の横ぞっぽうを
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
返り血を浴びて紅斑々
髻
(
たぶさ
)
千切れた凄じい姿で目付衆の屋敷へ宣り出た、切られた二人の其一人は、家老宮地源左衛門の四男、もう一人は大脇文右衛門の二男で文右衛門は功労ある地方奉行であった。
稚子法師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
揉みも揉んだ姿で、芳年の首へ胸へ、
髻
(
たぶさ
)
へと武者振り付くのです。
芳年写生帖
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と云って逃げようとするおあさの
髻
(
たぶさ
)
を取って、二畳の座敷へ
引摺
(
ひきず
)
り込み、
隔
(
へだて
)
の
襖
(
ふすま
)
を
閉
(
た
)
てましたが、これから
如何
(
いかゞ
)
なりましょうか、
次回
(
つぎ
)
に述べます。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
又是は何者か顔を揚げいと
髻
(
たぶさ
)
を取って引起すと
若
(
も
)
し……
此処
(
こゝ
)
な
家
(
うち
)
の
夫
(
とゝま
)
の七兵衞さんの死骸が出たのじゃが
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やれ
敵
(
かな
)
わぬと
逸足
(
いちあし
)
出して逃出す
後
(
うしろ
)
から、
然
(
そ
)
うはさせじと文治は
髻
(
たぶさ
)
を引ッ
掴
(
つか
)
み、ずる/\と引摺り出して
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
又母の懐剣で
止
(
とゞ
)
めをさして、
両人
(
ふたり
)
の首を切り
髻
(
たぶさ
)
を持ったが、首という物は重いもので、孝助は敵を討って、もうこれでよいと思うと心に
緩
(
ゆる
)
みが出て尻もちをついて
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
打人
(
うちて
)
は名におう鹽原角右衞門の腕前ですから、狙い
違
(
たが
)
わず悪者の右の太股へ立ちましたから、アッと云って畑へたおれました所を、角右衞門は悪者の
髻
(
たぶさ
)
を取って
引仆
(
ひきたお
)
し
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
中にも恒太郎は長二が余りの無作法に
赫
(
かっ
)
と
怒
(
いか
)
って、
突然
(
いきなり
)
長二の
髻
(
たぶさ
)
を掴んで仰向に引倒し、拳骨で長二の頭を五つ
六
(
む
)
つ続けさまに
打擲
(
ぶんなぐ
)
りましたが、少しもこたえない様子で
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
といきなり
髻
(
たぶさ
)
を手に
引攫
(
ひッつか
)
んで二つ三つ
撲
(
なぐ
)
りつけ、それから
其処
(
そこ
)
らを引摺り廻して、ひい/\泣く奴を
打
(
ぶ
)
ったり蹴ったりして、帯を取ってぐる/\巻にし、縄を持って来て
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
といいながら
傍
(
かたえ
)
に有った
粗朶
(
そだ
)
を取上げ、ピシリと打たれるはずみに多助は「アッ」といいさま囲炉裏の
端
(
そば
)
へ倒れる処を、おかめは腕を延ばし、
髻
(
たぶさ
)
を取って引ずり倒しながら
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
といって倒れるところを音羽が一
刀
(
かたな
)
斬り附ける、小三郎は惣兵衞の
髻
(
たぶさ
)
を掴んで上へ引揚げ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
大将へ首実検いたさするに指を
髻
(
もとゞり
)
に三本入れた時に(右の手にて攫む)
斯
(
こ
)
う髻を取って大将の前に備える時に
死顔
(
しにがお
)
が柔かに見える、前が剃って有ると又
髻
(
たぶさ
)
を
掴
(
つか
)
むにも掴み易いと云うので
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
髻
(
たぶさ
)
を
把
(
と
)
って引起し、窓から映します月影にて見ると、我が女房おくのでございますから茂之助は
恟
(
びっく
)
りして、これは己の
家
(
うち
)
じゃアないか知らんと
四辺
(
あたり
)
をキョト/\見て死骸へ眼を着けると
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と惣吉と
両人
(
ふたり
)
で無茶苦茶に突くばかり、其のうち一角の息が止ると、二人共がっかりしてペタ/\と坐って暫らくは口が利けません。花車は安田一角の
髻
(
たぶさ
)
を取り、拳を固めてポカ/\打ち
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
といいながら悴の
髻
(
たぶさ
)
を取って引寄せまして、三つ四つ続け
打
(
うち
)
に
撲
(
う
)
ちました。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
髻
(
たぶさ
)
を取ってずる/\と引出しますと、今こじられたのは急所の深手
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
アッといって倒れる処へ乗掛り、胸先を
抉
(
えぐ
)
りましたが、
一刀
(
いっぽん
)
や
二刀
(
にほん
)
では容易に死ねません、死物狂い一生懸命に三藏は起上り、新吉の
髻
(
たぶさ
)
をとって引き倒す、其の内與助は年こそ取って居りまするが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と云いながら
突然
(
いきなり
)
お賤の
髻
(
たぶさ
)
を
捉
(
と
)
って引倒す。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
髻
漢検1級
部首:⾽
16画
“髻”を含む語句
大髻
頭髻
髻華
高髻
雲髻
鴉髻
髻髪
髻節
髻珠
髻山
髻偏雲乱挽
双孖髻
角髻
肉髻
片髻
椎髻
慵鬟高髻緑婆娑
御髻
女飾髻
墮馬髻