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顏色
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がんしよく
懸けければ此方は
彌々愕然し急に
顏色蒼醒後の方を振返るに
夫召捕と云間も有ず數十人の捕手
襖の
影より走り出
難無高手小手に
繩を
しかし
妻は
夢のやうに、
盜人に
手をとられながら、
藪の
外へ
行かうとすると、
忽ち
顏色を
失つたなり、
杉の
根のおれを
指さした。
私と
武村兵曹とは
今迄の
喜悦も
何處へやら、
驚愕と
憂慮とのために、
全く
顏色を
失つた。
今一息といふ
間際になつて、
此異變は
何事であらう。
駄々を
捏ぬて、
泣癖が
著いたらしい。への
字形の
曲形口、
兩の
頬邊へ
高慢な
筋を
入れて、
澁を
刷いたやうな
顏色。
上當年五十三歳に相成候と云たる
體顏色殊の
外痩衰へ
肉落骨顯はれ
聲皺枯て高く
上得ず何樣數日
手強き拷問に掛りし樣子なり大岡殿
此體を
春枝夫人もいと
晴々しき
顏色で、そよ/\と
吹く
南の
風に
鬢のほつれ
毛を
拂はせながら
餘念もなく
海上を
眺めて
居る。
其處に
長髮敝衣の
怪物を
見とめなば、
寸時も
早く
踵を
囘されよ。もし
幸に
市民に
逢はば、
進んで
低聲に(
應)は?と
聞け、
彼の
變ずる
顏色は
口より
先に
答をなさむ。
震はしアノ
白々しいと
言時長庵は
顏色かへて五十兩には何事ぞや拙者は
更に
覺えなき大金を拙者に渡したなどとは
途方も
無事を
いや、
面喰つたのは
奴である。……
例に
因つて「お
手間が
取れますツ。」を
言はない
内に、
眞向高飛車に
浴せられて、「へーい、」とも
言ひ
得ず、
鳶に
攫はれた
顏色。
虹に
乘つた
中年増を
雲の
中へ
見失つたやうな、
蒋生其の
時顏色で、
黄昏かゝる
門の
外に、とぼんとして
立つて
見たり、
首だけ
出して
覗いたり、ひよいと
扉へ
隱れたり、しやつきりと
成つて
引返したり
こゝがなどと
痛がつて、
溜息つく/″\と
鬱いだ
顏色。