顏色がんしよく)” の例文
新字:顔色
懸けければ此方は彌々いよ/\愕然びつくりし急に顏色がんしよく蒼醒あをざめ後の方を振返るにそれ召捕めしとれと云間も有ず數十人の捕手ふすまかげより走り出なんなく高手たかて小手になは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかしつまゆめのやうに、盜人ぬすびとをとられながら、やぶそとかうとすると、たちま顏色がんしよくうしなつたなり、すぎのおれをゆびさした。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わたくし武村兵曹たけむらへいそうとは今迄いまゝで喜悦よろこび何處どこへやら、驚愕おどろき憂慮うれひとのために、まつた顏色がんしよくうしなつた。今一息いまひといきといふ間際まぎわになつて、この異變ゐへん何事なにごとであらう。
駄々だゞぬて、泣癖なきくせいたらしい。へのなり曲形口いがみぐちりやう頬邊ほゝべた高慢かうまんすぢれて、しぶいたやうな顏色がんしよく
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
大野助手おほのぢよしゆ顏色がんしよくは、朱塗しゆぬりつたり祝部色いはひべいろつたりしてる。
上當年五十三歳に相成候と云たるてい顏色がんしよくことほか痩衰やせおとろにくおちほねあらはれこゑ皺枯しわがれて高くあげず何樣數日手強てづよき拷問に掛りし樣子なり大岡殿此體このてい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
春枝夫人はるえふじんもいと晴々はれ/″\しき顏色がんしよくで、そよ/\とみなみかぜびんのほつれはらはせながら餘念よねんもなく海上かいじやうながめてる。
其處そこ長髮ちやうはつ敝衣へいい怪物くわいぶつとめなば、寸時すんじはやくびすかへされよ。もしさいはひ市民しみんはば、すゝんで低聲ていせいに(おう)は?とけ、かれへんずる顏色がんしよくくちよりさきこたへをなさむ。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ふるはしアノ白々しら/″\しいといふとき長庵は顏色がんしよくかへて五十兩には何事ぞや拙者はさらおぼえなき大金を拙者に渡したなどとは途方とはうなき事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さら驚愕おどろいたのは、船橋せんけう船長せんちやう後甲板こうかんぱん一等運轉手いつとううんてんしゆ二等運轉手にとううんてんしゆ三等運轉手さんとううんてんしゆ水夫すゐふ火夫くわふ見張番みはりばん一同いちどう顏色がんしよくうしなつて、船首甲板せんしゆかんぱんかたはしつてた。
いや、面喰めんくらつたのはやつこである。……れいつて「お手間てまれますツ。」をはないうちに、眞向まつかう高飛車たかびしやあびせられて、「へーい、」ともず、とんびさらはれた顏色がんしよく
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
にじつた中年増ちうどしまくもなか見失みうしなつたやうな、蒋生しやうせいとき顏色がんしよくで、黄昏たそがれかゝるもんそとに、とぼんとしてつてたり、くびだけしてのぞいたり、ひよいととびらかくれたり、しやつきりとつて引返ひつかへしたり
麦搗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こゝがなどといたがつて、溜息ためいきつく/″\とふさいだ顏色がんしよく
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
悦喜えつき顏色がんしよく
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)