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音信
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おとづれ
ふりがな文庫
“
音信
(
おとづれ
)” の例文
忘
(
わす
)
れはせまじ餘り
情
(
なさけ
)
なき
仕方
(
しかた
)
なりと利兵衞を
恨
(
うら
)
みけるが吉三郎は
素
(
もと
)
より
孝心
(
かうしん
)
深
(
ふか
)
ければ母を
慰
(
なぐさ
)
め利兵衞殿斯の如く
約束
(
やくそく
)
を
變
(
へん
)
じ
音信
(
おとづれ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
本気
(
ほんき
)
の
沙汰
(
さた
)
ではない、
世
(
よ
)
にあるまじき
呵責
(
かしやく
)
の
苦痛
(
くつう
)
を
受
(
う
)
けて
居
(
ゐ
)
る、
女房
(
にようばう
)
の
音信
(
おとづれ
)
を
聞
(
き
)
いて、
赫
(
くわつ
)
と
成
(
な
)
つて
気
(
き
)
が
違
(
ちが
)
つたんです。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
畫工は猶當時の言を記し居りて、我にその約を
履
(
ふ
)
まざりしを謝したり。君に別れて羅馬に歸りしに、故郷の
音信
(
おとづれ
)
ありて、直ちに北國へ旅立つことゝなりぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
何
(
なに
)
の
故
(
ゆゑ
)
に間は四年の
音信
(
おとづれ
)
を絶ち、又何の故にさしも
懐
(
おもひ
)
に忘れざる旧友と相見て
別
(
べつ
)
を為さざりしか。彼が今の身の上を知らば、この疑問は
自
(
おのづか
)
ら解釈せらるべし。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
は
樂
(
たのし
)
んで
後
(
あと
)
に
殘
(
のこ
)
つた。さうして
新生涯
(
しんしやうがい
)
を
夢
(
ゆめ
)
みながら
彼
(
かれ
)
からのたよりを
待
(
ま
)
ち
暮
(
くら
)
した。一
日
(
にち
)
、一
日
(
にち
)
と
經
(
た
)
つて
行
(
ゆ
)
く。けれどもその
後
(
のち
)
彼
(
かれ
)
からは
何
(
なん
)
の
端書
(
はがき
)
一
本
(
ぽん
)
の
音信
(
おとづれ
)
もなかつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
せめては師の君訪ひ来ませと待てど、立つ名は此処にのみならで、憚りあればにや
音信
(
おとづれ
)
もなく、と
絶
(
だ
)
えし中に千秋を重ねて、
万代
(
よろづよ
)
いわふ
新玉
(
あらたま
)
の、歳たちかへつて七日の日
来
(
きた
)
りき
雪の日
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
余所
(
よそ
)
の国なら、極寒の時稀に見る寒気だが、この土地ではこれが最初の春の
音信
(
おとづれ
)
である。
樺太脱獄記
(新字旧仮名)
/
ウラジミール・ガラクティオノヴィチ・コロレンコ
(著)
家を治めて居りました処が、
夭死
(
わかじに
)
を致しましたけれども、田舎は堅いから娘を
嫁付
(
かしづ
)
けますと盆暮には
屹
(
きっ
)
と参りますが、
此方
(
こちら
)
では女房が死んでからは少しも
音信
(
おとづれ
)
をしない、けれども
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
見知らぬ
郷
(
くに
)
の
音信
(
おとづれ
)
の様に、北上川の
水瀬
(
みなせ
)
の音が、そのシツトリとした空気を顫はせる。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
春は再び花園に
回
(
めぐ
)
つて、紅色の花の香りはやはらかく煙つたのであるが、戦場からは何の
音信
(
おとづれ
)
もない。宮殿の中は冬のやうに静かに、憂ひのみのうちに幾夜/\を更して居るのです。
青白き公園
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
御
音信
(
おとづれ
)
も、幾月を、絶入りてこそ歎けども、これに濡れたる袖ぞとは、
良人
(
つま
)
の御眼に掛けられぬ、御手紙は、生きての
記念
(
かたみ
)
、死ぬまでは、何とも知らぬ御秘密のありと思へばなほ更に
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
音信
(
おとづれ
)
も無し、影も無し。たゞ
水先
(
みづさき
)
の
小判鮫
(
こばんざめ
)
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
ために、
音信
(
おとづれ
)
を
怠
(
おこた
)
りました。
夢
(
ゆめ
)
に
所
(
ところ
)
がきをするやうですから。……とは
言
(
い
)
へ、
一
(
ひと
)
つは、
日
(
ひ
)
に
増
(
ま
)
し、
不思議
(
ふしぎ
)
に
色
(
いろ
)
の
濃
(
こ
)
く
成
(
な
)
る
爐
(
ろ
)
の
右左
(
みぎひだり
)
の
人
(
ひと
)
を
憚
(
はゞか
)
つたのであります。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
昌次郎方へ
遣
(
つかは
)
さず
養育
(
やういく
)
なしたるが此者
商賣
(
しやうばい
)
の都合に
寄
(
より
)
江戸へ出其後
絶
(
たえ
)
て
音信
(
おとづれ
)
もなさざりしにさすが
古郷
(
こきやう
)
のなつかしくや有りけん
計
(
はか
)
らず此度越後寶田村へ
立戻
(
たちもど
)
り住居をなせしに
依
(
より
)
此を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其所
(
そこ
)
へ別荘を
建
(
たて
)
ると申して出ました切り手紙を一通送って
遣
(
よこ
)
さず、まるで
音信
(
おとづれ
)
がございませんから、悋気ではございませんが、
万一
(
ひょっと
)
外
(
ほか
)
に
増花
(
ますはな
)
があって
私
(
わたくし
)
に
倦
(
あき
)
が来て見捨てられやしないかと
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
音信
(
おとづれ
)
も無し、影も無し。たゞ
水先
(
みづさき
)
の
小判鮫
(
こばんざめ
)
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
音信
(
おとづれ
)
して、
恩人
(
おんじん
)
に
禮
(
れい
)
をいたすのに
仔細
(
しさい
)
はない
筈
(
はず
)
。
雖然
(
けれども
)
、
下世話
(
げせわ
)
にさへ
言
(
い
)
ひます。
慈悲
(
じひ
)
すれば、
何
(
なん
)
とかする。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
(
ひと
)
つ
半鉦
(
ばん
)
の
遠
(
とほ
)
あかり、
其
(
それ
)
も
夢
(
ゆめ
)
に
消
(
き
)
えて、
曉
(
あかつき
)
の
霜
(
しも
)
に
置
(
お
)
きかさぬる
灰色
(
はひいろ
)
の
雲
(
くも
)
、
新
(
あたら
)
しき
障子
(
しやうじ
)
を
壓
(
あつ
)
す。ひとり
南天
(
なんてん
)
の
實
(
み
)
に
色鳥
(
いろどり
)
の
音信
(
おとづれ
)
を、
窓
(
まど
)
晴
(
は
)
るゝよ、と
見
(
み
)
れば、ちら/\と
薄雪
(
うすゆき
)
、
淡雪
(
あはゆき
)
。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
こゝはお
察
(
さつ
)
しを
願
(
ねが
)
ひます。——
心易
(
こゝろやす
)
くは
禮手紙
(
れいてがみ
)
、たゞ
音信
(
おとづれ
)
さへ
出來
(
でき
)
ますまい。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
即
(
すなは
)
ち
風
(
かぜ
)
の
聲
(
こゑ
)
、
浪
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
、
流
(
ながれ
)
の
響
(
ひゞき
)
、
故郷
(
こきやう
)
を
思
(
おも
)
ひ、
先祖代々
(
せんぞだい/\
)
を
思
(
おも
)
ひ、
唯
(
たゞ
)
女房
(
にようばう
)
を
偲
(
しの
)
ぶべき
夜半
(
よは
)
の
音信
(
おとづれ
)
さへ、
窓
(
まど
)
のささんざ、
松風
(
まつかぜ
)
の
濱松
(
はままつ
)
を
過
(
す
)
ぎ、
豐橋
(
とよはし
)
を
越
(
こ
)
すや、
時
(
とき
)
やゝ
經
(
ふ
)
るに
從
(
したが
)
つて、
横雲
(
よこぐも
)
の
空
(
そら
)
一文字
(
いちもんじ
)
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
日
(
ひ
)
を
經
(
へ
)
て
工學士
(
こうがくし
)
から
音信
(
おとづれ
)
して、あれは、
乳香
(
にうかう
)
の
樹
(
き
)
であらうと
言
(
い
)
ふ。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“音信”の意味
《名詞》
音信(おんしん、いんしん)
便り。
電報の文字数の単位。最初の10文字が1音信で、その後は5文字で1音信。
(出典:Wiktionary)
音
常用漢字
小1
部首:⾳
9画
信
常用漢字
小4
部首:⼈
9画
“音信”で始まる語句
音信不通
音信物