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貢
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みつぎ
ふりがな文庫
“
貢
(
みつぎ
)” の例文
「ちくしょうめ。やけにまた降りやがるな。雪は豊年の
貢
(
みつぎ
)
がきいてあきれらあ。おいらにゃ不作の貢じゃねえか。ね! だんな!」
右門捕物帖:20 千柿の鍔
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「外国渡来の悪宗教といえば、過ぐる年わしは吉利支丹信者の、
貢
(
みつぎ
)
という巫女を
京都
(
きょうと
)
で捕らえ、一味の者共々刑に処したが……」
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
むかしは知らず、今は南海の純友が、東国の平将門へ
貢
(
みつぎ
)
するのに、(何だ……)と思われては、おれの面目にもかかわる、となったのだ。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
国々の部落は彼のもとへ、続々と
貢
(
みつぎ
)
を奉りに来た。それらの貢を運ぶ舟は、絹や毛革や玉と共に、須賀の宮を仰ぎに来る国々の民をも乗せてゐた。
老いたる素戔嗚尊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
イエスが国民を
煽動
(
せんどう
)
して、ローマ皇帝に
貢
(
みつぎ
)
を納むることを禁じたなどということは、全く事実に反した
誣言
(
ふげん
)
であった。
キリスト教入門
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
▼ もっと見る
つぎに彼は遠い北国に行った、北のゲエルどももブリトンの矢鳴りの音をおそるるようになり、山国のピクト族は
貢
(
みつぎ
)
を納めた。そこから、彼はようやく帰って来た。
髪あかきダフウト
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
神代紀に雀を
碓女
(
うすめ
)
とし、崇神朝に定めし
貢
(
みつぎ
)
に『男の
弓端
(
ゆはず
)
の調、女の
手末
(
たなすえ
)
の調』とあり、万葉集に『稲つけばかゝる吾が手を今宵もか、殿の
和
(
わ
)
く子がとりてなげかむ』
穀神としての牛に関する民俗
(新字新仮名)
/
中山太郎
(著)
○此地近年
公税
(
こうぜい
)
を
聞
(
きく
)
にいたれども、米麦を生ぜざるゆゑ
僅
(
わづか
)
の
貢
(
みつぎ
)
をなす(
鐁役
(
かんなやく
)
といふ)にいたりて、信濃と越後との
他
(
た
)
の村名主の支配をうけ、旦那寺をも定めたれど
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
ところが聖天子は、それを御感心あって、それより以来、矮奴を
貢
(
みつぎ
)
とすることを
悉
(
ことごと
)
くおやめになってしまいました。賢臣と明主との間はこうなければならない事です。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
佐竹家はもと
常陸
(
ひたち
)
の地で四十万石余を領していたが、秋田へ転封されるに当って半地の二十万五千石に減ぜられた……その時、水戸時代に佐竹へ
貢
(
みつぎ
)
していた近国の大名十九人が
三十二刻
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「今は宿屋でございますが、あれがその『伊勢音頭』の油屋で、お紺の使った品物や
貢
(
みつぎ
)
の刀痕のついた襖や衝立が現に残っております。折角お寄りになって惜しいことを致しましたな」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「居ますとも、なぜ今朝ッからいらっしゃらないッて、待ってるわ、
貢
(
みつぎ
)
さん。」
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
寧
(
いつ
)
そ
賃仕事
(
ちんしごと
)
してもお
傍
(
そば
)
で
暮
(
くら
)
した
方
(
はう
)
が
餘
(
よ
)
つぽど
快
(
こゝろ
)
よう
御座
(
ござ
)
いますと
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
すに、
馬鹿
(
ばか
)
、
馬鹿
(
ばか
)
、
其樣
(
そのやう
)
な
事
(
こと
)
を
假
(
かり
)
にも
言
(
い
)
ふてはならぬ、
嫁
(
よめ
)
に
行
(
い
)
つた
身
(
み
)
が
實家
(
さと
)
の
親
(
おや
)
の
貢
(
みつぎ
)
をするなどゝ
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らぬこと
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
文「だがのう、雪は豊年の
貢
(
みつぎ
)
と云って、雪の沢山降る年は必ず豊年だそうだ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
戻
(
もど
)
れ、おろかな
涙
(
なみだ
)
め、
元
(
もと
)
の
泉
(
いづみ
)
へ
戻
(
もど
)
りをれ。
悲歎
(
かなしみ
)
に
献
(
さゝ
)
ぐる
貢
(
みつぎ
)
を
間違
(
まちが
)
へて
喜悦
(
よろこび
)
に
献上
(
まゐら
)
せをる。チッバルトが
殺
(
ころ
)
したでもあらう
我
(
わが
)
夫
(
つま
)
は
生存
(
いきながら
)
へて、
我
(
わが
)
夫
(
つま
)
を
殺
(
ころ
)
したでもあらうチッバルトが
死
(
し
)
んだのぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
帖木児
(
チモル
)
サマルカンドに
拠
(
よ
)
り、四方を攻略して威を
振
(
ふる
)
う甚だ
大
(
だい
)
に、
明
(
みん
)
に対しては
貢
(
みつぎ
)
を
納
(
い
)
ると雖も、太祖の末年に
使
(
つかい
)
したる
傅安
(
ふあん
)
を
留
(
とど
)
めて帰らしめず、
之
(
これ
)
を要して領内諸国を歴遊すること数万里ならしめ
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
続紀
(
しょくき
)
には、天平二十一年二月、
陸奥
(
みちのく
)
始めて黄金を
貢
(
みつ
)
いだことがあり、これは東大寺大仏造営のために役立ち、詔にも、
開闢
(
かいびゃく
)
以来我国には黄金は無く、皆外国からの
貢
(
みつぎ
)
として得たもののみであったのに
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
威力あるもとめの
貢
(
みつぎ
)
、あるはまた
貴
(
あて
)
に
妙
(
たへ
)
なる
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
雪は豊年の
貢
(
みつぎ
)
雪の話
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「あいつのお蔭だ! ……
大塩中斎
(
おおしおちゅうさい
)
! ……お気の毒な
貢
(
みつぎ
)
様! ……妾までこんな目に逢っている。……」
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
延喜式
(
えんぎしき
)
にのせたる内子鮏は今いふ
子籠
(
ここも
)
り鮏の事なるべし。又
同書
(
どうしよ
)
に
脊腸
(
せのはらわた
)
をみなわたと
訓
(
よめ
)
り。丹後信濃越中越後より
貢
(
みつぎ
)
とする㕝も見えたれば、
古代
(
ふるきよ
)
は
鮏
(
さけ
)
を
供御
(
くご
)
にも奉りたるなるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「そうであろう。じつは……さもこそ、淋しくお
在
(
わ
)
さめと、純友殿から、その草笛と、ほか三人の遊君たちも、其許への、
貢
(
みつぎ
)
としてお贈りになったものだ。どうか受けとっていただきたい」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寧
(
いつ
)
そ賃仕事してもお傍で暮した方が
余
(
よ
)
つぽど快よう御座いますと言ひ出すに、馬鹿、馬鹿、その様な事を仮にも言ふてはならぬ、嫁に行つた身が
実家
(
さと
)
の親の
貢
(
みつぎ
)
をするなどと思ひも寄らぬこと
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
娘の髪にも旅客の肩にも、石の上なる
貢
(
みつぎ
)
にも、ひらりと
射
(
さ
)
したは鳥の影。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
威力あるもとめの
貢
(
みつぎ
)
、あるはまた
貴
(
あて
)
に
妙
(
たへ
)
なる
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「
賭物貢
(
かけものみつぎ
)
ノ式」というのが、春と秋に、宮中で行われる。天皇の前で、負け組から勝組へ、罰として“
貢
(
みつぎ
)
”を贈る儀式である。あとは無礼講となり、敵味方、勝敗を忘れて、大らかに飲み遊ぶ。
天皇と競馬
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
中斎先生に退治られた、京都の妖巫
貢
(
みつぎ
)
の
姥
(
うば
)
、その高足のお久美という女、網の目を逃がれて行方が
不明
(
しれな
)
い。その後も中斎先生には、心にかけられ居られたが、江戸にいようとは思わなかったぞ。
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この分は、天なる(仰いで礼拝す)月宮殿に
貢
(
みつぎ
)
のものにござりました。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
五穀豊熟
(
ごこくほうじゆく
)
して
年
(
とし
)
の
貢
(
みつぎ
)
も
心易
(
こゝろやす
)
く
捧
(
さゝ
)
げ、
諸民
(
しよみん
)
鼓腹
(
はらつゞみ
)
の春に
遇
(
あひ
)
し時、氏神の
祭
(
まつり
)
などに
遭
(
あひ
)
しを幸に地芝居を
興行
(
こうぎやう
)
する㕝あり。役者は皆其処の
素人
(
しろうと
)
あるひは
近村
(
きんそん
)
近
駅
(
えき
)
よりも来るなり。
師匠
(
ししやう
)
は田舎芝居の
役者
(
やくしや
)
を
傭
(
やと
)
ふ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
憐
(
あはれ
)
みてや
惠
(
めぐ
)
むともなき
惠
(
めぐ
)
みに
浴
(
よく
)
して
鹽噌
(
えんそ
)
の
苦勞
(
くらう
)
は
知
(
し
)
らずといふなるそは
又
(
また
)
何處
(
いづこ
)
の
誰
(
た
)
れなるにや
扨
(
さて
)
も
怪
(
あやし
)
むべく
尊
(
たつと
)
むべき
此慈善家
(
このじぜんか
)
の
姓氏
(
せいし
)
といはず
心情
(
しんじやう
)
といはず
義理
(
ぎり
)
の
柵
(
しがらみ
)
さこそと
知
(
し
)
るは
唯
(
ひと
)
りお
高
(
たか
)
の
乳母
(
うば
)
あるのみ
忍
(
しの
)
び/\の
貢
(
みつぎ
)
のものそれからそれと
人手
(
ひとで
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
貢
(
みつぎ
)
のあまり捧げてむ。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「
賭物
(
かけもの
)
貢
(
みつぎ
)
ノ式」といふのが、春と秋に、宮中で行はれる。天皇の前で、負け組から勝組へ、罰として“
貢
(
みつぎ
)
”を贈る儀式である。あとは無禮講となり、敵味方、勝敗を忘れて、大らかに飮み遊ぶ。
折々の記
(旧字旧仮名)
/
吉川英治
(著)
黒壁に
賁臨
(
ふんりん
)
せる蝦蟇法師への
貢
(
みつぎ
)
として、この美人を捧げざれば、到底
好
(
よ
)
き事はあらざるべしと、
恫愒的
(
どうかつてき
)
に乞食僧より、最も
渠
(
かれ
)
を信仰してその魔法使たるを疑わざる
件
(
くだん
)
の老媼に
媒妁
(
なかだち
)
すべく言込みしを
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
五穀豊熟
(
ごこくほうじゆく
)
して
年
(
とし
)
の
貢
(
みつぎ
)
も
心易
(
こゝろやす
)
く
捧
(
さゝ
)
げ、
諸民
(
しよみん
)
鼓腹
(
はらつゞみ
)
の春に
遇
(
あひ
)
し時、氏神の
祭
(
まつり
)
などに
遭
(
あひ
)
しを幸に地芝居を
興行
(
こうぎやう
)
する㕝あり。役者は皆其処の
素人
(
しろうと
)
あるひは
近村
(
きんそん
)
近
駅
(
えき
)
よりも来るなり。
師匠
(
ししやう
)
は田舎芝居の
役者
(
やくしや
)
を
傭
(
やと
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
貢
(
みつぎ
)
のあまり捧げてむ。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
年々、
貢
(
みつぎ
)
はさしあげても、絶えて、恩爵の命などうけたこともない
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
貢
常用漢字
中学
部首:⾙
10画
“貢”を含む語句
貢物
年貢米
御貢
貢税
御年貢
進貢
入貢
貢進
蘭貢米
貢馬
調貢
年貢
貢献
子貢
西貢
田中貢太郎
貢士
掟年貢
貢進生
貢租
...