此後このご)” の例文
さうして此後このご大凡おほよそこんな状勢じやうせいすゝむからしてしたがつすくなくも是迄これまでいやうへえて國債こくさい總額そうがくふやさずにまし次第しだいである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
れとふも矢張やつぱり原田はらださんの縁引ゑんるからだとてうちでは毎日まいにちいひくらしてます、おまへ如才ぢよさいるまいけれど此後このごとも原田はらださんの御機嫌ごきげんいやうに
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
荷船の帆柱と工場の煙筒のむらがり立つた大川口おほかはぐちの光景は、折々をり/\西洋の漫画に見るやうな一種の趣味にてらして、此後このごとも案外長くある一派の詩人をよろこばす事が出来るかも知れぬ。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
思し召されて御辛抱しんばうを成さる事は出來ぬかや此後このご屹度きつとつゝしむとかたちかひの御言葉ことば
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この空軍だけでも日本全土を、征服してしまうことは、訳のないことじゃ。艦隊の主力たる我が艦列の、彼にまさること一倍半なることは、此後このごの戦況に、大発展を予約しているものじゃ。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さすれば無用むようつひえせつせむ、なんぢ一人いちにん奉公ほうこうにて萬人ばんにんのためになりたるは、おほ得難えがた忠義ちうぎぞかし、つみなんぢはづかしめつ、さぞ心外しんぐわいおもひつらむが、見棄みすてずば堪忍かんにんして、また此後このごたのむぞよ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此後このご東京とうけうひろしといへども、山村やまむら下女げぢよものはあるまじ、感心かんしんなもの、美事みごとこゝろがけとめるもあれば、だい容貌きりやうが申ぶんなしだと、をとこきにこれをひけり。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私は途方に暮れて、唯だぼんやり其の樣子を打眺めるばかり、女が此後このごの身の振り方を問ひ迫つても、私は何とも即座に囘答を與へることが出來ない。すると女は直ぐ泣きはじめた。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
瓦斯マスクのことなんか、軍部にまかしといたら、いいじゃないか。それに此後このごは戦争なんて無くなってゆくのが、人間の考えとしたら自然だと思うよ。聯盟だって、もう大丈夫しっかりしているよ。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
此後このご能々よく/\實母へ孝行を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
成程なるほどりきおにといふたからわたし魔王まわう御座ござんせう、モウいひませぬ、モウいひませぬ、けつしておりきことにつきて此後このごとやかくひませず、かげうはさしますまいゆゑ離縁りゑんだけは堪忍かんにんしてくだされ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
比律賓フィリッピン第四飛行聯隊の主力は、オロンガボオ軍港を脱出し、中華民国浙江省せっこうしょう西湖せいこに集結せるものの如く、しかして此後このごの行動は、数日後を期して、大阪もしくは東京方面を襲撃せんとするものと信ぜらる。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
うでれは此樣このやう活地いくぢなし、馬車ばしやおもひもらぬこと此後このご辻車つぢぐるまひくやられたものければ、いまのうちおさまりをかんがへて、利口りこうもの出來できる、學者がくしや好男子いろをとこで、としわかいにのりかへるがずゐ一であらう
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ありし雛遊ひなあそびのこゝろあらたまらずあらたまりし姿すがたかたちにとめんとせねばとまりもせでりやうさん千代ちいちやんと他愛たあいもなき談笑だんせふては喧嘩けんくわ糸口いとぐち最早もう来玉きたまふななにしにんお前様まへさまこそのいひじらけに見合みあはさぬかほはつ二日目ふつかめ昨日きのふわたしるかりし此後このご
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)