正義せいぎ)” の例文
しばらくすると、それが、みんな人間にんげんになってえるのでした。寂然じゃくぜんとして、ものこそいわないが、永遠えいえん真実しんじつ正義せいぎとをもとめている。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
圧制あっせい偽善ぎぜん醜行しゅうこうたくましゅうして、ってこれをまぎらしている。ここにおいてか奸物共かんぶつども衣食いしょくき、正義せいぎひと衣食いしょくきゅうする。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いずれへお渡しいたすのが正義せいぎなりや、一火いっかもホトホトとうわくつかまつるしだい、ついては、ざんじ休息きゅうそくのうえ、門弟もんていたちとも評議ひょうぎをかさねてあらためてご返答へんとうをいたす考え
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
必然ひつぜんあく」を解釋かいしやくして遊歩塲いうほぢやう一少女いつせうぢよ點出てんしゆつしかの癖漢へきかん正義せいぎ狂欲きやうよくするじやうえがき、あるひ故郷こきやうにありしときのあたゝかきゆめせしめ、生活せいくわつ苦戰塲くせんぢやうりて朋友はうゆう一身いつしんだんずるところあり。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
すべて人はいこと、正しいことをこのむ。ぜん正義せいぎとのためならば命をてる人も多い。おまえたちはいままでにそう云う人たちの話を沢山たくさんきいて来た。けっしてこれをわすれてはいけない。
『ジョリクールの家来』『大将たいしょうの死』『正義せいぎ勝利しょうり』『下剤げざいをかけた病人』、そのほか三、四しゅ芝居しばいをやってしまえば、もうおしまいであった。それで一座いちざの役者のげい種切たねぎれであった。
「この世の中にまだ正義せいぎってものがあるのは、けっこうなことだ。」
成程なるほどときれば監獄かんごくや、瘋癲病院ふうてんびやうゐんはいされて、正義せいぎ貴方あなた有仰おつしやとほかちめるでせう、しか生活せいくわつ實際じつさいれでかはるものではありません。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
むかしから、正義せいぎのためにたたかった人々ひとびとは、そのすくないなかひとであって、おおくのひとたちから、迫害はくがいされたのだ。きみ空想くうそうをして、不安ふあんになるのも無理むりはない。
世の中のために (新字新仮名) / 小川未明(著)
そなたが、うしなった甲斐かいの領土の甲斐源氏かいげんじいえ再興さいこうしたいという願望がんぼうは、まさしくこうである、正義せいぎである、男子のなすべき事業じぎょうである。だが、考えてたもれ、今は天下大事てんかだいじときである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なんゆへに、婬賣いんばい女につみおこな資本しほんりながら、香水料こうすいりよう慈惠じけいせしや、なんゆへ少娘むすめ困厄こんやくせしめし惡漢あくかんをうちひしぐなどの正義せいぎありて、しかしておのみづかひところすほどの惡事あくじせしや
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
壓制あつせい僞善ぎぜん醜行しうかうたくましうして、つてこれまぎらしてゐる。こゝおいてか奸物共かんぶつども衣食いしよくき、正義せいぎひと衣食いしよくきうする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
ただ、たねだけは、いつかえ、そのはのびるものです。少年しょうねんは、おおきくなってから、このまち工場こうじょうはたらいて、正義せいぎ自由じゆうのために、たたかうとなりました。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
とにかく、若君わかぎみは、はじめておおらかな正義せいぎの天地を自由に馳駆ちくするときがきたと、非常ひじょうなおよろこびで、以後いご武田残党たけだざんとうの名をすてて、われわれ一党名とうめいも、天馬侠党てんまきょうとうとよぶことにきまったのだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
成程なるほどときれば監獄かんごくや、瘋癲病院ふうてんびょういんはいされて、正義せいぎ貴方あなた有仰おっしゃとおかちめるでしょう、しかし生活せいかつ実際じっさいがそれでかわるものではありません。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「おまえは、しん自由じゆうと、正義せいぎと、平和へいわのために、生命せいめいのかぎりをつくせ!」と。
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
その意味いみつながらぬ、辻妻つじつまわぬはなしは、所詮しょせんふでにすることは出来できぬのであるが、かれところつまんでえば、人間にんげん卑劣ひれつなること、圧制あっせいりて正義せいぎ蹂躙じゅうりんされていること
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
しかしです、新生活しんせいくわつあかつきかゞやいて、正義せいぎかちせいするやうになれば、我々われ/\まちでもおほいまつりをしてよろこいはひませう。が、わたし其迄それまでたれません、其時分そのじぶんにはもうんでしまひます。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)