晝夜ちうや)” の例文
新字:昼夜
して間を合せられよ某し儀格別日數の懸る事もあるまじ何分頼み置と云つゝ直樣すぐさま出立なしたりけり元より早足はやあしの半四郎ゆゑ晝夜ちうやとなく道を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
醫者いしやもらふと、發育はついく充分じゆうぶんでないから、室内しつない温度をんど一定いつていたかさにして、晝夜ちうやともかはらないくらゐ人工的じんこうてきあたゝめなければ不可いけないとつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
當主たうしゆ養子やうしにて此娘これこそはいへにつきての一粒ひとつぶものなれば父母ちゝはゝなげきおもひやるべし、やまひにふしたるはさくらさくはるころよりとくに、それより晝夜ちうやまぶたあはするもなき心配しんぱいつかれて
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
縱令よし、それがまつたたまごかへ邪魔じやまをしないにせよ』とつてはとは、『それにしても、わたし晝夜ちうやへび見張みはらなければならない!さうへば、わたしはこの三週間しうかんちツともひつじかげないが!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
晝夜ちうや差別さべつなく、遠近ゑんきんから參集さんしふする愚男愚女ぐなんぐぢよは、一みちきもらず。
天竺てんぢく靈山れいざん此處に來れり。唐土たうど天台山てんだいざんまのあたりここに見る。我が身は釋迦佛にあらず、天台大師てんだいだいしにてはなし。然れども晝夜ちうやに法華經をよみ、朝暮てうぼ摩訶止觀まかしくわんを談ずれば、靈山淨土にも相似たり。
而かも其の聖人に及ばざるも亦此に在り。聖人は平生の言動げんどう一として訓に非ざるは無し。而て※するにのぞみて、未だ必しも遺訓をつくらず。死生しせいること眞に晝夜ちうやの如し、ねんくる所無し。
戸口とぐちからだい一のものは、せてたかい、栗色くりいろひかひげの、始終しゞゆう泣腫なきはらしてゐる發狂はつきやう中風患者ちゆうぶくわんじやあたまさゝへてぢつすわつて、一つところみつめながら、晝夜ちうやかずかなしんで、あたま太息といきもら
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
えらび突出しの仕着しきせより茶屋々々の暖簾のれんに至る迄も花々敷吉原中大評判おほひやうばんゆゑ突出つきだしの日より晝夜ちうやきやくたえる間なく如何なる老人みにくき男にても麁末そまつに扱はざれば人々皆さき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
勝沼かつぬままちとても東京こゝにての塲末ばすゑぞかし、甲府かうふ流石さすが大厦高樓たいかかうろう躑躅つつじさき城跡しろあとなどところのありとはへど、汽車きしや便たよりよきころにならばらず、ことさら馬車腕車ばしやくるまに一晝夜ちうやをゆられて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ステーシヨンまでの二百ヴエルスタのみちを二晝夜ちうやぎたが、其間そのあひだうま繼場々々つぎば/\で、ミハイル、アウエリヤヌヰチは、やれ、ちやこつぷあらひやうが奈何どうだとか、うまけるのに手間てまれるとかとりきんで
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
語らひ品川宿近江屋儀右衞門の地面ぢめん芝高輪しばたかなわ八山やつやまあるを買取て普請にぞ取掛りける表門玄關使者の間大書院おほしよゐん書院しよゐん居間ゐま其外諸役所長屋等迄とうまでのこる所なく入用をいとはず晝夜ちうや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
にはかに暑氣しよきつよくなりし八月はちぐわつ中旬なかばより狂亂きやうらんいたくつのりてひとをもものをも見分みわかちがたく、こゑ晝夜ちうやえず、ねぶるといふことふつにければ落入おちいりたるまなこ形相ぎやうさうすさまじく此世このよひとともおぼえずなりぬ
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)