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ちうや
當主は
養子にて
此娘こそは
家につきての
一粒ものなれば
父母が
歎きおもひやるべし、
病ひにふしたるは
櫻さく
春の
頃よりと
聞くに、それより
晝夜瞼を
合する
間もなき
心配に
疲れて
『
縱令、それが
全く
卵を
孵す
邪魔をしないにせよ』と
云つて
鳩は、『それにしても、
私は
晝夜蛇を
見張らなければならない!さう
云へば、
私はこの三
週間些とも
羊の
影も
見ないが!』
我国の雪は
鵞毛をなさず、
降時はかならず
粉砕をなす、風又これを
助く。
故に一
昼夜に
積所六七尺より一丈に
至る時もあり、
往古より
今年にいたるまで此雪此国に
降ざる事なし。
設備は
巴里に幾つもある
舞踏場と似て居るが、人造の氷で
踊場を池の様に張詰めて
其上で入場者が自由に踊り狂ふ所が
異ふ。
之は
巴里に一箇所しか無いから
昼夜とも
賑はつて居る。