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愁
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うれひ
ふりがな文庫
“
愁
(
うれひ
)” の例文
少
(
しばら
)
く楽まされし貫一も、これが為に
興冷
(
きようさ
)
めて、
俄
(
にはか
)
に重き
頭
(
かしら
)
を花の前に支へつつ、又かの
愁
(
うれひ
)
を徐々に
喚起
(
よびおこ
)
さんと為つ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そゝぐにお
高
(
たか
)
は
詞
(
ことば
)
に
違
(
たが
)
ひもなく
愁
(
うれひ
)
の
眉
(
まゆ
)
いつしかとけて
昨日
(
きのふ
)
にかはるまめ/\しさ
父
(
ちゝ
)
のもの
我
(
わ
)
がもの
云
(
い
)
へば
更
(
さら
)
に
手代
(
てだい
)
小僧
(
こぞう
)
の
衣類
(
いるゐ
)
の
世話
(
せわ
)
縫
(
ぬ
)
ひほどきにまで
氣
(
き
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
涙に暮れる
枝垂柳
(
しだれやなぎ
)
よ、棄てられた女の
亂髮
(
みだれがみ
)
、心と世とを隔てる幕、おまへの
愁
(
うれひ
)
のやうに輕い花を織り合せた
縮緬
(
ちりめん
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
この青く清らにて物問ひたげに
愁
(
うれひ
)
を含める
目
(
まみ
)
の、半ば露を宿せる長き
睫毛
(
まつげ
)
に
掩
(
おほ
)
はれたるは、何故に一顧したるのみにて、用心深き我心の底までは徹したるか。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
と
緊乎
(
しつかり
)
と
手
(
て
)
を
取
(
と
)
る、と
急
(
きふ
)
に
樣子
(
やうす
)
が
變
(
かは
)
つて、
目
(
め
)
をしばたゝいたのが、
田舍
(
ゐなか
)
の
娘
(
むすめ
)
には、
十分
(
じふぶん
)
愁
(
うれひ
)
が
利
(
き
)
いたから、
惚拔
(
ほれぬ
)
いて
居
(
ゐ
)
る
男
(
をとこ
)
の
事
(
こと
)
、お
秋
(
あき
)
は
出來
(
でき
)
ぬ
中
(
うち
)
にも
考慮
(
しあん
)
して
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
噫
(
ああ
)
、嘘、先生の業、何ぞ千万の
愁
(
うれひ
)
無くして成らんや。我等手を
額
(
ひたひ
)
に加へて鏡花楼上の慶雲を見る。
欣懐
(
きんくわい
)
破願を禁ず可からずと
雖
(
いへど
)
も、眼底又涙無き能はざるものあり。
「鏡花全集」目録開口
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
われは此語を聞いて、フラミニアの事を思ひ出し、喜の色は我面より消え失せたり。ポツジヨ。酒は好し。風波は我
筵
(
えん
)
の爲めに歌舞す。いかなれば君
愁
(
うれひ
)
の色を見せ給ふぞ。われ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
彼女の目より涙を
拭
(
ぬぐ
)
へ、
清
(
すず
)
しき風よ、彼女の胸より
愁
(
うれひ
)
を払へ——アヽ我が梅子、
汝
(
なんぢ
)
の為めに祈りつゝある我が愛は、汝が心の
鼓膜
(
こまく
)
に響かざる
乎
(
か
)
、——父なる神、
永遠
(
とこしなへ
)
に彼を顧み給へ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
戸外の雨はいよ/\
侘
(
わび
)
しく、雲霧は
愁
(
うれひ
)
の影の如くさびしくこの天地に
充
(
み
)
ち渡つた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
讀ため身に
徳
(
とく
)
付
(
つ
)
き戸外へ出ねば
父母
(
ちゝはゝ
)
も案じ給ふの
愁
(
うれひ
)
なし我は見ぬ世の人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
天地紅の色つぽい結び文、押し開けると、プーンと掛け香の匂ひ、女文字の散らし書きで『ぜひ/\お出で下されたく、命にかけて御待申上參らせ候』と、
參
(
まゐらせ
)
の字が、小首をかしげて、
愁
(
うれひ
)
を
含
(
ふく
)
んでゐる
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
南風モウパツサンがをみな子のふくら
脛
(
はぎ
)
吹くよき
愁
(
うれひ
)
吹く
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
手を組みて
云
(
い
)
ひ知らぬ
淡
(
あは
)
き
愁
(
うれひ
)
に立たしめぬ
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
すすり泣く
愁
(
うれひ
)
のしづく。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
吟身
(
ぎんしん
)
いまなほ
愁
(
うれひ
)
帶びて
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
若き
愁
(
うれひ
)
をたゝふめり
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
とめと
慕
(
しの
)
ばるる 尼のみ寺の みほとけや 幾世へにけむ 玉の手の 光りふふみて
幽
(
かそ
)
けくも
微笑
(
ゑま
)
せたまへる
頬
(
ほ
)
にふれつ 朝な夕なに
念
(
おも
)
はすは
昨
(
きそ
)
の嘆きか うつし世の 常なき
愁
(
うれひ
)
か 頬にふるる 指のあはひに 春ならば くれなゐの
薔薇
(
ばら
)
秋日には
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
夕暮色
(
ゆふぐれいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
愁
(
うれひ
)
に
半
(
なかば
)
死
(
し
)
んでゐる、
噫
(
あゝ
)
たそがれ
刻
(
どき
)
の
霧
(
きり
)
、
夕暮色
(
ゆふぐれいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、ぐつたりした手に
接吻
(
せつぷん
)
しながら、おまへは
戀死
(
こひじに
)
でもしさうだ、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
宮の悔、宮の恨、宮の
歎
(
なげき
)
、宮の
悲
(
かなしみ
)
、宮の
苦
(
くるしみ
)
、宮の
愁
(
うれひ
)
、宮が心の
疾
(
やまひ
)
、宮が身の不幸、
噫
(
ああ
)
、
竟
(
つひ
)
にこれ宮が一生の惨禍! 彼の思は今
将
(
は
)
たこの
憐
(
あはれ
)
むに堪へたる宮が薄命の影を追ひて移るなりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
沙羅雙樹
(
さらさうじゆ
)
の花の色、厭世の目には諸行無常の形とも見ゆらむが、
愁
(
うれひ
)
を知らぬ
乙女
(
おとめ
)
は何さまに眺むらむ、要するに造化の本意は人未だこれを得知らず、只おのれに愁の心ありて秋の
哀
(
あはれ
)
を知り
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
貴嬢の御恩を忘れたこと有りませんよ——
彼頃
(
あのころ
)
の貴嬢の
御面
(
おかほ
)
は全く天女でしたのねエ——けれど梅子さん、今ま貴嬢を見ると、
何処
(
どこ
)
とも無く
愁
(
うれひ
)
の雲が
懸
(
かゝ
)
つて、
時雨
(
しぐれ
)
でも降りはせぬかの様に
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
阿留加里
(
アルカリ
)
をもて
色變
(
いろか
)
へし
愁
(
うれひ
)
の
華
(
はな
)
か、なぐさめか
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
青き
愁
(
うれひ
)
の
水渋
(
みしぶ
)
いざよふ。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
若き
愁
(
うれひ
)
をたゝふめり
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ながき
愁
(
うれひ
)
を止めぬ。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
澁
(
しぶ
)
りたる
愁
(
うれひ
)
に濁る。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
久く
垂籠
(
たれこ
)
めて友欲き宮は、
拯
(
すくひ
)
を得たるやうに覚えて、有るまじき事ながら、或は
密
(
ひそか
)
に貫一の報を
齎
(
もたら
)
せるにはあらずやなど、
枉
(
ま
)
げても念じつつ、せめては
愁
(
うれひ
)
に閉ぢたる胸を
姑
(
しばら
)
くも
寛
(
ゆる
)
うせんとするなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
あはれ、また母の
愁
(
うれひ
)
の
恐怖
(
おそれ
)
とならむそのみぎり。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
愁
(
うれひ
)
にさわぐ浪の外
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
この岸に
愁
(
うれひ
)
を
繋
(
つな
)
ぐ
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
愁
(
うれひ
)
を知るや
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
おほらににほふ
雅楽寮
(
うたれう
)
の古きいみじき日の
愁
(
うれひ
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
愁
(
うれひ
)
は谷の霧なれば
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
愁
(
うれひ
)
は水に汗は瀬に
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
察
(
はか
)
るだにいや
苦
(
くる
)
し、
愁
(
うれひ
)
はおもし。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
愁
(
うれひ
)
は細き糸の音
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
仄
(
ほの
)
かなる
愁
(
うれひ
)
の
文
(
あや
)
にしみじみと
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あはれかかる
淡
(
あは
)
つけき
愁
(
うれひ
)
もて
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
すすりなく
愁
(
うれひ
)
の
胡弓
(
こきゆう
)
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
倦怠
(
けんたい
)
と
愁
(
うれひ
)
が重なる。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“愁”の解説
「愁」 (うれい) は、日本のロックバンド、Kagrra,の12枚目のシングル。2004年1月1日にコロムビアミュージックエンタテインメントから販売。
(出典:Wikipedia)
愁
常用漢字
中学
部首:⼼
13画
“愁”を含む語句
郷愁
憂愁
悲愁
愁然
哀愁
御愁傷
愁傷
愁歎
愁訴
旅愁
愁眉
愁嘆場
幽愁
離愁
暗愁
愁嘆
居愁
御愁歎
不語似無愁
愁夜曲
...