区別くべつ)” の例文
旧字:區別
さかづきをさめるなり汽車きしやつていへ夫婦ふうふ身体からだは、人間にんげんだかてふだか区別くべつかない。遥々はる/″\た、とはれてはなんとももつきまりわるい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御性質ごせいしつ相違そうい次第次第しだいしだいつよまってき、すえ人間界にんげんかいほうでは、豐玉姫系とよたまひめけい玉依姫系たまよりひめけいとの区別くべつなりはっきりつくようになってります。
わたしは世間なみの人からかれを区別くべつすることができずにいたが、ミリガン夫人ふじんと二か月くらしたあいだに、わたしの目は開いたし、ちえも進んだ。
ただしろ荒寥こうりょうとした鉛色なまりいろひかこおり波濤はとう起伏きふくしていて昼夜ちゅうや区別くべつなく、春夏秋冬はるなつあきふゆなく、ひっきりなしに暴風ぼうふういている光景こうけいかぶのでした。
台風の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれはその眼中がんちゅう社会しゃかい人々ひとびとをただ二しゅ区別くべつしている、義者ぎしゃと、不義者ふぎしゃと、そうして婦人ふじんのこと、恋愛れんあいのことにいては、いつもみずかふかかんってくのであるが
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
之をきつする其何椀なんわんなるをらざるなり、而して此を食ふを得るはまつたく人夫中の好漢こうかん喜作きさくちからにして、能く害菌と食菌とを区別くべつし、余等をして安全之をくらふを得せしむ
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
まだわかれないおおきなあい感情かんじょうです。すすきの花のむかい火や、きらめく赤褐せっかつ樹立こだちのなかに、鹿しか無心むしんあそんでいます。ひとは自分と鹿との区別くべつわすれ、いっしょにおどろうとさえします。
しかし彼は、はっきりと音色ねいろ区別くべつしていた。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
牛肉ぎゅうにく区別くべつ 冬 第三百五 肉の区別
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
が、そなたもとお現幽げんゆうは一幽界ゆうかいことただちに現界げんかいうつるから、実際じっさいはどちらとも区別くべつがつけられないことになる……。
のついていないけやきのほそえだけむってえるので、くも区別くべつがちょっとわからないのでありました。
雪の降った日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
はあ、病人びょうにん、しかしなんにん狂人きょうじん自由じゆうにそこらへんあるいているではないですか、それは貴方々あなたがた無学むがくなるにって、狂人きょうじんと、健康けんこうなるものとの区別くべつ出来できんのです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
もちろんこちらの世界せかいには昼夜ちゅうや区別くべつも、歳月つきひのけじめもありませぬから、わたくしはただかみさまからうかがって、るほどそうかとおもだけのことにぎませぬ。
人間にんげんだっておなじじゃないか、毎日まいにちのように、わかいもの、年寄としよりの区別くべつなくんではかへゆくのに、自分じぶんだけは、いつまでもきているとおもって、欲深よくふかくしているのだ。」
あらしの前の木と鳥の会話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あさからばんまで、ひるからよるまで——いや、そういう区別くべつもなく、永久えいきゅうに、くらく、ただ、見得みうるかぎりの世界せかいというものは、けずられた赤土あかつち断層だんそうの一部分ぶぶん煉瓦れんが堆積たいせきと、そのれめからわきして