“内輪:うちわ” の例文
“内輪:うちわ”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治8
夢野久作4
岡本綺堂4
林不忘3
島崎藤村2
“内輪:うちわ”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.2%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.1%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「立花様のほうへ、それとなく伺ってみました。添役だから、内輪うちわにして百両——だいたいそんなところだったらしい。」
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
町風まちふう内輪うちわながら早足はやあしに歩いて行く後姿なんかを思いながらフイと番地を聞いて置かなかった
秋風 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
けれどもまた坊ちゃんと見縊らなければ、彼女ももっとこちらの内輪うちわうかがわせていたことは確かだった。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私は妻子と共に仏間へ行って、仏さまを拝んで、それから内輪うちわの客だけが集る「常居じょい」という部屋へさがって、その一隅に坐った。
故郷 (新字新仮名) / 太宰治(著)
城兵などの評判はどうじゃ。そこらの内輪うちわを、ちと聞きたいのだが……もしそちに、日幡への義理合ぎりあいがあっては正直を語れまい。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてこう行き過ぎた感情をかえりみては、もう語ろうとする内容も自然内輪うちわにならざるを得なかった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お可久様も又、それを当然として、内輪うちわでこそ砕けているが、往来へ出るとが高かった。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無論内輪うちわの催しであったが、学海翁が『読売』で劇評を発表したのでパッと評判となって、この次には是非切符をもらいたいというものが多勢あった。
私ども内輪うちわでいくらやかましくいっていても、料理人たちはうわの空でだめですから、こういう機会に、本気で聞かせようと思っているのであります。
日本料理の基礎観念 (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
やり場のない鬱憤うっぷんも、気のゆるせる内輪うちわの家臣を前に、酒気を加えて洩れ始めると、口ぎたない悪罵あくばにまでなって、止まるなき有様だ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや、あれは内輪うちわの賞で、他流者には通用せぬと説いても、左膳はいっこうききいれない。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
基康 わしの前で内輪うちわの争いは、見るにえぬわい。さるこくまでに考えを決められい。猶予ゆうよはなりませぬぞ。(退場。家来つづく)
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
会は毎月一回帝大内山上集会所で開いたが、非公開の内輪うちわの会とし、且つ会員各自の自由談論によることとして、私が指導者的地位に立つことは避けて居た。
帝大聖書研究会終講の辞 (新字新仮名) / 矢内原忠雄(著)
家衡いえひらというあらえびすの兄弟きょうだい内輪うちわけんかからはじまって、しまいには、家衡いえひらがおじの武衡たけひらかたらって
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
多年、乱脈な暴状をきわめていた室町幕府の内輪うちわもめがまた、自爆をんで、三好みよし、松永の両党が、将軍義輝を殺したのは、その年の前年六月だった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
尤も前々から、女中どもを相手に内輪うちわでそう云う催しをしていたのであったが、それを今度は、表座敷の書院の間へ侍共を招いて、やゝ盛大に開こうと云うのである。
「ご勅使の大原三位様のお供にいていらっした桂さんという人です。とても、気軽で、吾家うちへは、書生時分から来ているので、まるで内輪うちわの人なんですよ」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
内輪うちわではつかえるが、四角張った場合には、決してつかえない源三郎だ。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と、秀吉のすきごころに、思わず微苦笑をおぼえたものだろう。かれは、秀吉の妻の妹の良人。内輪うちわの縁者だけに、秀吉のその道にかけてのクセは、たれよりもよく知っていた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母親の時子は徳市を深く信用したらしく真面目な内輪うちわの話を初めた。
黒白ストーリー (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
故作家と生前、特に親交あり、いま、その作家を追慕するのあまり、彼のたわむれにものした絵集一巻、上梓して内輪うちわの友人親戚間にわけてやるなど、これはまた自ら別である。
立ち振舞——と称して、極く内輪うちわだけで、小酒もりが交わされた。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それだけがむずかしければ内輪うちわになってもかまわないんだが……
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
本堂の中にと消えた若い芸者の姿は再び階段の下に現れて仁王門におうもんの方へと、素足すあしの指先に突掛つっかけた吾妻下駄あずまげた内輪うちわに軽く踏みながら歩いて行く。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これは、旧幕時代に、将軍さまの御声おこえがかりで建てられたという由緒のある寺でありますが、明治時代になってからは、さほど内輪うちわが豊かでなくなり、かなりに荒れてきたのであります。
墓地の殺人 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
この婆さんから色々の客の内輪うちわの話も聞かされた。
(新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
これはまったく内輪うちわの客あつかいといっていい。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
琥珀こはく刺繍ぬひをした白い蝙蝠傘パラソルを、パツとはすの花を開くやうにかざして、やゝもすればおくれやうとする足をお光はせか/\と内輪うちわに引きつて行つた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
内輪うちわになにも面倒はあるめえな」
半七捕物帳:35 半七先生 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
お家騒動、内輪うちわめから。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ところが玄関に出てみると最初に見かけた通りの大前髪おおまえがみに水色襟、紺生平こんきびらに白小倉袴こくらばかま、細身の大小のつか内輪うちわに引寄せた若侍が、人形のようにスッキリと立っていた。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「貴女は内輪うちわの人だから、もう一つこれも御なぐさみにごらんにいれるかな。さあ、この写真はどうです」そういって帆村は、手にしていた水のまだ切れない三枚の細長い写真の表をかえして、光枝の方に押しやった。
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さてはこの母親の言ふに言はれぬ、世帯せたい魂胆こんたんもと知らぬ人の一旦いつたんまどへど現在の内輪うちわは娘がかたよりも立優たちまさりて、くらをも建つべき銀行貯金の有るやにそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
話が一々脱線し過ぎておりますからね……のみならずこの話は、谷山家の内輪うちわでも絶対の秘密になっておりますので、御存じの無いのは御尤も千万ですが、しかし私は天地神明に誓ってもいい事実ばかりを、申上げているのです。
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
本堂の中にと消えた若い芸者の姿すがたは再び階段の下にあらはれて仁王門にわうもんはうへと、素足すあし指先ゆびさき突掛つゝかけた吾妻下駄あづまげた内輪うちわに軽く踏みながら歩いてく。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
自分が世話をした奉公人が評判がいいのは結構であるが、もし津の国屋の内輪うちわにそんな秘密が忍んでいるとすれば、その奉公人を周旋した自分の身の上にどんな係り合いが起らないとも限らないと、文字春はそれがためにまた余計な苦労を増した。
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
内輪うちわ事のように言っていたので、院はみずから計画に参加あそばさなかったが、女の催しでこれほど手落ちなく事の運ばれることは珍しいほどに万事のととのったのをお知りになって、仏道のほうにも深い理解のあることで夫人をうれしく思召した院は
源氏物語:41 御法 (新字新仮名) / 紫式部(著)
イエ本当でございますよ。内輪うちわに見積りましても、俄然がぜん元気を恢復して、居睡りのあと、仕事がはかどりますデス。そこで居睡りをすることをおすすめいたしますが、そのとき無くて無らぬのは、この目醒しつきの腕時計でございます。
発明小僧 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
「お屋敷方の内輪うちわのことに、わたくしどもが首を突っ込んじゃあ悪うございますが、いっそこれはわたくしにお任せ下さいませんか。二、三日の内にきっとらちをあけてお目にかけます。勿論、これはあなたとわたくしだけのことで、決して他言は致しませんから」
半七捕物帳:01 お文の魂 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
やはり「お」の字のおかみの話によれば、元来この町の達磨茶屋だるまぢゃやの女は年々夷講えびすこうの晩になると、客をとらずに内輪うちわばかりで三味線しゃみせんいたり踊ったりする、そのまえの算段さえ一時はお松には苦しかったそうです。
温泉だより (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「御屋敷方の内輪うちわのことに、わたくしどもが首を突つ込んぢやあ惡うございますが、いつそこれはわたくしにお任せ下さいませんか。二三日のうちにきつらちをあけてお目にかけます。勿論、これは貴方あなたとわたくしだけのことで、決して他言は致しませんから。」
半七捕物帳:01 お文の魂 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
叔父さんも驚きましたが、今更どうすることも出來ません。——千兩と一と口にいふけれど、近頃藤屋の商賣も手違ひだらけで、立派なのは昔からの屋臺だけ、内輪うちわはお前も知つての通りの火の車だから、上野の寛永寺樣に出入りの株でも賣らなければ、差迫つての千兩の工面はむづかしい。
もっと軍務ぐんむ多端たたんさいとて、そのしきいたって簡単かんたんなもので、ただ内輪うちわでお杯事さかずきごとをされただけ、もなく新婚しんこん花嫁様はなよめさまをおれになって征途せいとのぼられたとのことでございました。
「いいえ、決して。……迷惑どころではありません。……理事長も喜ばれるでしょう。……実は、ごくささやかな、いわば試験的な施設しせつだものですから、各方面のかたに大げさな御案内を出すのもどうかと思いまして、いつも内輪うちわの者だけが顔を出すことにいたしているようなわけなんです。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それに華客場とくいばの中でも、師匠の家の内輪うちわへまで這入はいっていろいろ師匠のためを思ってくれられた特別の華客先もありました中に、別して亀岡甚造氏の如きは非常に師匠のことをひいきにされた方でありましたが、この方が大変に心配をして、何んとか、もう一度癒してやりたいといっておられます。
山吹社中のものが持って来た下相談は、言わば内輪うちわ披露ひろうで、大体の輪郭に過ぎなかったが、もしこの条山神社創立の企てが諸国同門の人たちの間に知れ渡ったらどんな驚きと同情とをもって迎えられるだろう、第一京都の方にある師鉄胤はどんなに喜ばれるだろう、そんな話でその日の集まりは持ち切った。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
世間にこそ知れねえが、それまでにも内輪うちわでは貰い娘を何か邪慳じゃけんにしたこともあるだろうし、お安という娘もなかなか利巧者だから、親たちの胸のうちも大抵さとっていたらしい。それだから、いよいよ追い出される時には大変に口惜くやしがって、自分は貰い子だから実子が出来た以上、離縁されるのも仕方がない。
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
内輪うちわの恥を申せば、たしかに、不知哉はわが子に相違ありませぬが、まだ妻の登子とうこにも聞かせていず、一族も知らず、藤夜叉にはかたく時を待てと、申しつけおいたものにございます。それなのに無断、人なかへ出て来るなどは、不埒ふらちな女。何とぞおかまいなく、早々、三河一色村へ追ッ返していただきとう存じまする」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何卒どうかまあウマくやって貰わないと——橋本の家に取っては大事な人だで」とお種は三吉の方を見て、「兄さんもこの節は彼のことばかり心配してますよ。吾家うちでも、御蔭で、大分商法が盛んに成って、一頃から見ると倍も薬が売れる。この調子で行きさえすれば内輪うちわは楽なものなんですよ。他に何も心配は無い。唯、彼が……」と言いかけて
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)