“うちわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
団扇74.4%
内輪13.3%
内端8.0%
打割1.0%
團扇0.5%
内曲0.5%
打破0.5%
家内0.3%
内埒0.3%
内情0.3%
内部0.3%
家輪0.3%
0.3%
打侘0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
竹簾たけすだれ、竹皮細工、色染竹文庫、くしおうぎ団扇うちわ竹籠たけかごなどの数々。中でも簾は上等の品になると絹を見るようで、技は昔と変りがない。
全羅紀行 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
基康 わしの前で内輪うちわの争いは、見るにえぬわい。さるこくまでに考えを決められい。猶予ゆうよはなりませぬぞ。(退場。家来つづく)
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
どこまでも内端うちわにおとなしやかな娘で、新銘撰の着物にメリンス友禅の帯、羽織だけは着更きかえて絹縮きぬちぢみの小紋の置形、束髪に結って、薄く目立たぬほどに白粉をしている。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
まして市郎の為に、最初はじめは靴で額を蹴破られ、次に石を以て真向まっこう打割うちわられ、最後には味方の石によって顔一面を砕かれたのであるから、肉は砕け、骨はあらわれて、しゅうかい
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かきごしにさしいだ團扇うちわとらんとあぐればはづかしゝ美少年びせうねんかんとする團扇うちわさき一寸ちよつおさへて、おもひにもゆるはほたるばかりとおぼすかとあやしの一言ひとこと暫時しばし糸子いとこわれかひと
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
座敷外に脱ぎたる紫裏むらさきうら吾妻あづまコオトに目留めし満枝は、かつて知らざりしその内曲うちわの客を問はで止むあたはざりき。又常に厚くめぐまるる老婢は、彼の為に始終の様子をつぐるの労ををしまざりしなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
すると捕手とりての方も手当は十分に附いているから、もし此の窓から逃出したら頭脳あたま打破うちわろうと、勝藏かつぞうと云う者が木太刀きだちを振上げて待って居る所へ、新五郎は腹這はらばいになってくびをそうッと出した。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わし大概てえげえな事があっても父様にめんじてこれえていて、何一つ云った事はがんせん、わしも我儘ものでがんすが、家内うちわで物争いが出来て、おえいを離縁しては
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ほんの家内うちわだけの事ですが、あんまり私も腹が立ちますからついあらいことをしましたが、今お前さんのとここうかと思って居るとこへ、あの御城内の原さんがいらっしゃって
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼れはほかの馬の跡から内埒うちわへ内埒へとよって、少し手綱たづなを引きしめるようにしてけさした。ほてった彼の顔から耳にかけてほこりを含んだ風が息気いきのつまるほどふきかかるのを彼れは快く思った。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「莫迦お云い。……彼奴あいつの口から新選組の内情うちわ聞いたばかりさ……池田屋の斬込へも、彼奴だけは行かせなかったよ」
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
このごろ、あなたがしょうにあたっておいででないという事が、新婦人協会の内部うちわもめをおこしたというのを聞き、今更と思う思いがいたしました。
平塚明子(らいてう) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「へえ、深山さんというのは、あの方ですか。あの方の家輪うちわのことならお鈴さんから、もうたびたび聞かされましたよ。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
外廊そとろうから舞台の直前まで身動き出来ない鮨詰すしづめで、一階から三階までの窓を全部明放あけはなし、煽風機、通風機を総動員にしても満場のうちわの動きは止まらないのに
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
拓の打侘うちわびたることばを聞いて、憂慮きづかわしげにその顔を見上げたが、勇気はおのおもてあふれつつ
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)