内曲うちわ)” の例文
誰かをつかまえて話でもするように、何だい誰だ、などと言うではございませんか、その時はもう内曲うちわの者一同、そばへ参りますどころではございませんよ、何だって貴方、異類異形のものが
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
座敷外に脱ぎたる紫裏むらさきうら吾妻あづまコオトに目留めし満枝は、かつて知らざりしその内曲うちわの客を問はで止むあたはざりき。又常に厚くめぐまるる老婢は、彼の為に始終の様子をつぐるの労ををしまざりしなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)