打割うちわ)” の例文
よし一時いちじ陸奧みちのく名取川なとりがはきよからぬながしてもし、はゞかりのなか打割うちわりてれば、天縁てんえんれにつて此處こヽはこびしかもれず、いまこそ一寒いつかん書生しよせいもなけれど
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まして市郎の為に、最初はじめは靴で額を蹴破られ、次に石を以て真向まっこう打割うちわられ、最後には味方の石によって顔一面を砕かれたのであるから、肉は砕け、骨はあらわれて、しゅうかい
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼は憎き女の頬桁ほほげたをば撃つて撃つて打割うちわあたはざるをうらみなるべし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
トーンと孝助の月代際さかやきゞわ打割うちわったゆえ黒血くろちがタラ/\と流れる。