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不氣味
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ぶきみ
ふりがな文庫
“
不氣味
(
ぶきみ
)” の例文
新字:
不気味
呼吸
(
いき
)
を
詰
(
つ
)
めて、うむと
堪
(
こら
)
へて
凍着
(
こゞえつ
)
くが、
古家
(
ふるいへ
)
の
煤
(
すゝ
)
にむせると、
時々
(
とき/″\
)
遣切
(
やりき
)
れなく
成
(
な
)
つて、
潛
(
ひそ
)
めた
嚔
(
くしやめ
)
、ハツと
噴出
(
ふきだ
)
しさうで
不氣味
(
ぶきみ
)
な
眞夜中
(
まよなか
)
。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
院長
(
ゐんちやう
)
は
不覺
(
そゞろ
)
に
哀
(
あは
)
れにも、
又
(
また
)
不氣味
(
ぶきみ
)
にも
感
(
かん
)
じて、
猶太人
(
ジウ
)
の
後
(
あと
)
に
尾
(
つ
)
いて、
其禿頭
(
そのはげあたま
)
だの、
足
(
あし
)
の
踝
(
くるぶし
)
などを
眴
(
みまは
)
しながら、
別室
(
べつしつ
)
まで
行
(
い
)
つた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
あの廣間や、あの暗い廣い階段や、そしてあの長い冷たい廊下などからうけた
不氣味
(
ぶきみ
)
な印象は、この活々した私の小さな部屋の
容子
(
ようす
)
で幾らか消された。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
おなじく身動きひとつ出來ない樣な靜けさを感ずることがあるが、しかも冬と違つて
不氣味
(
ぶきみ
)
な靜けさではない、ものなつかしい靜けさである。明るい靜けさである。
樹木とその葉:05 夏を愛する言葉
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
……
私
(
わたし
)
の
身邊
(
しんぺん
)
には、
生
(
あい
)
にくそんな
新造
(
しんぞ
)
は
居
(
ゐ
)
ないが、とに
角
(
かく
)
、ふくろにして
不氣味
(
ぶきみ
)
がる。がふくろの
聲
(
こゑ
)
は、そんな
生優
(
なまやさ
)
しいものではない。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
離
(
はな
)
すと、
可
(
い
)
いことに、あたり
近所
(
きんじよ
)
の、
我朝
(
わがてう
)
の
※樣
(
あねさま
)
を
仰向
(
あをむけ
)
に
抱込
(
だきこ
)
んで、
引
(
ひつ
)
くりかへりさうで
危
(
あぶな
)
いから、
不氣味
(
ぶきみ
)
らしくも
手
(
て
)
からは
落
(
おと
)
さず……
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、
却
(
かへ
)
つて
坂下
(
さかした
)
へ
小戻
(
こもど
)
りにつか/\と
近
(
ちか
)
づいたが、
餘
(
あま
)
り
傍
(
そば
)
へ
寄
(
よ
)
ると、
靄
(
もや
)
が、ねば/\として
顏
(
かほ
)
へ
着
(
つ
)
きさうで、
不氣味
(
ぶきみ
)
で
控
(
ひか
)
へた。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
月
(
つき
)
の
影
(
かげ
)
、
日
(
ひ
)
の
影
(
かげ
)
、
燈
(
ともしび
)
の
影
(
かげ
)
、
雪
(
ゆき
)
、
花
(
はな
)
の
朧々
(
おぼろ/\
)
のあかりにも、
見
(
み
)
て
影
(
かげ
)
のない
隙
(
ひま
)
はなし……
影
(
かげ
)
あれば
其
(
そ
)
の
不氣味
(
ぶきみ
)
さ、
可厭
(
いや
)
さ、
可恐
(
おそろ
)
しさ、
可忌
(
いまは
)
しさに
堪兼
(
たへか
)
ねる。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
變
(
へん
)
に
陰氣
(
いんき
)
で
不氣味
(
ぶきみ
)
な
晩
(
ばん
)
でございました。ちやうど
來
(
き
)
なすつた
時
(
とき
)
、
目白
(
めじろ
)
の
九
(
こゝの
)
つを
聞
(
き
)
きましたが、いつもの
八
(
や
)
つころほど
寂寞
(
ひつそり
)
して、びゆう/\
風
(
かぜ
)
ばかりさ、おかみさん。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
大地震
(
おほぢしん
)
を、あの
時
(
とき
)
既
(
すで
)
に、
不氣味
(
ぶきみ
)
に
按摩
(
あんま
)
は
豫覺
(
よかく
)
したるにあらざるか。
然
(
しか
)
らば
八千八聲
(
はつせんやこゑ
)
を
泣
(
な
)
きつゝも、
生命
(
せいめい
)
だけは
助
(
たす
)
かつたらう。
衣
(
きぬ
)
を
洗
(
あら
)
ひし
娘
(
むすめ
)
も、
水
(
みづ
)
に
肌
(
はだ
)
は
焦
(
こが
)
すまい。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
電車通
(
でんしやどほ
)
りへ
突
(
つ
)
つ
立
(
た
)
つて、こんなお
話
(
はなし
)
をしたんぢあ、あはれも、
不氣味
(
ぶきみ
)
も
通
(
とほ
)
り
越
(
こ
)
して、お
不動樣
(
ふどうさま
)
の
縁日
(
えんにち
)
にカンカンカンカンカン——と
小屋掛
(
こやがけ
)
で
鉦
(
かね
)
をたゝくのも
同然
(
どうぜん
)
ですがね。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
これ
)
では、
其
(
そ
)
の
沼
(
ぬま
)
が、
何
(
なん
)
だか
不氣味
(
ぶきみ
)
なやうですが、
何
(
なに
)
、
一寸
(
ちよつと
)
の
間
(
ま
)
の
事
(
こと
)
で、——四
時
(
じ
)
下
(
さが
)
り、五
時
(
じ
)
前
(
まへ
)
と
云
(
い
)
ふ
時刻
(
じこく
)
——
暑
(
あつ
)
い
日
(
ひ
)
で、
大層
(
たいそう
)
疲
(
つか
)
れて、
汀
(
みぎは
)
にぐつたりと
成
(
な
)
つて
一息
(
ひといき
)
吐
(
つ
)
いて
居
(
ゐ
)
る
中
(
うち
)
には、
雲
(
くも
)
が
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
黒海老
(
くろえび
)
、むかで、
暗
(
やみ
)
がらす、と
不氣味
(
ぶきみ
)
になり、
黒虎
(
くろとら
)
、
青蜘蛛
(
あをぐも
)
とすごくなる。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
面
(
つら
)
の
長
(
なが
)
さは三
尺
(
じやく
)
ばかり、
頤
(
あご
)
の
痩
(
やせ
)
た
眉間尺
(
みけんじやく
)
の
大額
(
おほびたひ
)
、ぬつと
出
(
で
)
て、
薄霧
(
うすぎり
)
に
包
(
つゝ
)
まれた
不氣味
(
ぶきみ
)
なのは、よく
見
(
み
)
ると、
軒
(
のき
)
に
打
(
う
)
つた
秋祭
(
あきまつり
)
の
提灯
(
ちやうちん
)
で、一
軒
(
けん
)
取込
(
とりこ
)
むのを
忘
(
わす
)
れたのであらう、
寂寞
(
ひつそり
)
した
侍町
(
さむらひまち
)
に
唯
(
たゞ
)
一箇
(
ひとつ
)
。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
氣
部首:⽓
10画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“不”で始まる語句
不可
不思議
不憫
不図
不味
不審
不埒
不幸
不愍
不相変