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けみ
ふりがな文庫
“
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(
けみ
)” の例文
朝
(
あした
)
にはポヽロの廣こうぢに出でゝ、競馬の
準備
(
こゝろがまへ
)
を觀、夕にはコルソオの大道をゆきかへりて、店々の窓に
曝
(
さら
)
せる
假粧
(
けしやう
)
の衣類を
閲
(
けみ
)
しつ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
我が国の憲政はその創設以来既に四半世紀の星霜を
閲
(
けみ
)
して居る。しかもその間憲政に対する国民の思想はどれだけ進歩したであろうか。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
基督
(
キリスト
)
現れて
僅
(
わず
)
かに二千年、人類は少なくも有史以来六、七千年の歳月を
閲
(
けみ
)
しているのであるから、その前四、五千年間は禽獣と等しき
婦人問題解決の急務
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
徳さんは嘗て「正弘公懐旧紀事」を
閲
(
けみ
)
して、安政元年に米使との談判に成つた条約の連署中に、伊沢美作守の名があるのを見たと云ふ。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
それから春秋を
閲
(
けみ
)
すること十幾回、モリニというとまだ天才少女のように思っているが、実はもはや三十歳の婦人であるべき筈である。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
▼ もっと見る
しかしまた、かつての
史
(
ふみ
)
を
閲
(
けみ
)
すれば、国難の大事に当って、私心なく、身を救国の捨て草にした無名の牢人は、どれほどあるか知れぬ。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
…………私はいろ/\な心持を
閲
(
けみ
)
した後で、どうも眼が
冴
(
さ
)
えて眠られなかつた。ふいにごとりとTの寝返りを打つのが聞えた。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
世の中は不患議なもので、わたしもそのまま死にもせず、あれから
幾十
(
いくそ
)
の寂しさ
厭苦
(
つら
)
さを
閲
(
けみ
)
した上でわたしは
漸々
(
ようよう
)
死にました。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
皆敬い、
懐
(
なず
)
いていたが、日も
経
(
た
)
たず目を煩って久しく
癒
(
い
)
えないので、英書を
閲
(
けみ
)
し、数字を書くことが出来なくなったので、弟子は皆断った。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わが
邦
(
くに
)
皇統連綿、天地と
極
(
きわまり
)
なし。しかして上世の
史
(
ふみ
)
を
閲
(
けみ
)
するに、天孫降臨すというもの、これを今日に
徴
(
ちょう
)
すれば、はなはだ疑うべきがごとし。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
遠くで細部はよく見えなかったが人生を
閲
(
けみ
)
して来た
味
(
あじわ
)
いが美貌のうちに沈んでしまって実に何ともいえぬ顔のようであった。
三筋町界隈
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
文筆生活に
這入
(
はい
)
ってから、氏は年を
閲
(
けみ
)
していない。で氏は
飽迄
(
あくまで
)
も自分自身を、アマチュアを以て任じて居られる。で氏は時々云われるのである。
小酒井不木氏スケッチ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
滄桑五十載
(
そうそうごじっさい
)
を
閲
(
けみ
)
した
後
(
のち
)
でも、秋山図はやはり無事だったのです。のみならず私も面識がある、王氏の手中に入ったのです。
秋山図
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
朝六時半
病牀
(
びょうしょう
)
眠起。家人
暖炉
(
だんろ
)
を
焚
(
た
)
く。新聞を見る。昨日帝国議会停会を命ぜられし時の記事あり。
繃帯
(
ほうたい
)
を取りかふ。
粥
(
かゆ
)
二
碗
(
わん
)
を
啜
(
すす
)
る。梅の俳句を
閲
(
けみ
)
す。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
ニクエサがパナマ地峡に植民地を作って苦労した時まで十年を
閲
(
けみ
)
しているのであるが、この地峡の狭いことを突きとめようとした人は一人もなかった。
鎖国:日本の悲劇
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
自由な今
暗澹
(
あんたん
)
たる時を
閲
(
けみ
)
している。ローマ法王らは理性の光を禁じている。パリーの法王らは天の光を消している。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
それが一つ一つの全きものになりましたなら、一つ一つの生涯になりましたなら、その人は千万の生涯を
閲
(
けみ
)
する事が出来ましょうではございませんか。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
日露戦争の終った年の暮、彼は一の心的革命を
閲
(
けみ
)
して、まさに東京を去り山に入る決心をして居た時、ある夜彼は新橋停車場の
雑沓
(
ざっとう
)
の中に故人を見出した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
苦労をするとか、喜怒哀楽を
閲
(
けみ
)
するとかいふことはさて置き、なんの為めに理想なんぞを持つてゐるのだらう。明日は己を知つてゐるものがみな死んでしまふ。
死
(新字旧仮名)
/
ミハイル・ペトローヴィチ・アルチバシェッフ
(著)
その間、年を
閲
(
けみ
)
する二十八、
巻帙
(
かんちつ
)
百六冊の多きに達す。その気根の大なるは東西古今に
倫
(
りん
)
を絶しておる。
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
大田南畝
(
おおたなんぽ
)
が先人自得翁の墓誌を見るに、享保二十年七月、将軍吉宗公中川狩猟の時徒兵の游泳を
閲
(
けみ
)
するや自得翁
水練
(
すいれん
)
に達したるを以て嘉賞する処となりしといふ。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
されど峯の方へ走り行くを見て始めて
安堵
(
あんど
)
の思ひを
為
(
な
)
し、案内と共にかの処に来りて其跡を
閲
(
けみ
)
するに、怪獣の
糞
(
ふん
)
樹下にうづたかく、その多きこと
一箕
(
いっき
)
ばかりあり
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
頃来
(
このごろ
)
書肆駸々堂主人一小冊を携えて来り、居士に一言を
冠
(
かん
)
せん事を望む、受て之を
閲
(
けみ
)
すれば、即ち三遊亭圓朝氏の
演
(
えん
)
ぜし
人情談話
(
にんじょうばなし
)
、
美人
(
びじん
)
の
生埋
(
いきうめ
)
を筆記せるものなり。
松の操美人の生埋:01 序
(新字新仮名)
/
宇田川文海
(著)
しかしまた郷里のような地理的に歴史的に孤立した状態で長い年月を
閲
(
けみ
)
して来た国の民族の骨相には
自由画稿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
いつもかう云ふ場合にはセルギウスは一種の内生活の争闘を
閲
(
けみ
)
してゐる。殊に本堂で勤行をするとなると、その争闘を強く起してゐる。争闘と云ふのは別ではない。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
私たちもこうして暮して、九年の月日が
閲
(
けみ
)
されたことを痛切に感じました。そんないろんなことから思いかえせば、あの夕立、やっぱりなかなか可愛いと思います。
獄中への手紙:07 一九四〇年(昭和十五年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
唖然
(
あぜん
)
たる対馬守の顔へ、宗匠は相変わらず、百年を
閲
(
けみ
)
した静かな笑みを送りながら、また筆をとって
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
幾世紀かの年月を
閲
(
けみ
)
するうちに、いつしか、つめたく冷え切ってしまったように思われるのだった。
初雪
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
何たる節操なき心ぞ、
僅
(
わず
)
かに八年の年月を
閲
(
けみ
)
したばかりであるのに、こうも変ろうとは誰が思おう。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
獨逸等
(
ドイツとう
)
音
(
おと
)
に
名高
(
なだか
)
き
國々
(
くに/″\
)
の
名所
(
めいしよ
)
古跡
(
こせき
)
を
遍歴
(
へんれき
)
して、
其間
(
そのあひだ
)
に
月
(
つき
)
を
閲
(
けみ
)
すること二十
有餘箇月
(
いうよかげつ
)
、
大約
(
おほよそ
)
一
萬
(
まん
)
五
千里
(
せんり
)
の
長途
(
ながたび
)
を
後
(
あと
)
にして、
終
(
つひ
)
に
伊太利
(
イタリー
)
に
入
(
ゐ
)
り、
往昔
(
むかし
)
から
美術國
(
びじゆつこく
)
の
光譽
(
ほまれ
)
高
(
たか
)
き
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
一切経
(
いっさいきょう
)
を
披
(
ひら
)
き
閲
(
けみ
)
すること数遍に及び、自宗他宗の書物眼に当てないというものはなかった。
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
元より、歌舞伎役者の常として、
色子
(
いろこ
)
として舞台を踏んだ十二三の頃から、数多くの色々の色情生活を
閲
(
けみ
)
している。四十を越えた今日までには幾十人の女を知ったか分らない。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
人その擬する所とならざるや、彼は全幅の憤怒を挙て、これに加えずんば
休
(
や
)
まず。試みに彼が当時の文稿を
閲
(
けみ
)
せよ、その交友中、
何人
(
なんぴと
)
か彼の
怒鋒
(
どほう
)
、
罵刃
(
ばじん
)
に触れざるものあるか。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
人類は幾多の世紀を
閲
(
けみ
)
するうちに、いつしかピラミッド形に積まれてしまった。そして高きにある者と低きにある者とを問わず、このピラミッドの内部に置かれた者こそ
災
(
わざわい
)
である。
ジャン・クリストフ:01 序
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
あるひは秘かな烈しさにみちた変化を
閲
(
けみ
)
して行つたか、——十指にあまらうといふ大海人ノ皇子の妃や次妃や夫人たちの間にあつて、姫王の位置がどのやうに移り変つて行つたか
春泥:『白鳳』第一部
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
時代を
識
(
し
)
り時代に順応して、八十幾歳の長い生涯に複雑な経歴を
閲
(
けみ
)
しつつ、しかも平凡に、そのために更に自由に身を処して、未亡人として思うままの享楽も
為尽
(
しつく
)
して、晩年は二
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
私は斯の如くして『ホトトギス』の塾生諸君を引連れて四、五十年の月日を
閲
(
けみ
)
した。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
又王が孝孺を送るの詩に、士を
閲
(
けみ
)
す
孔
(
はなは
)
だ多し、我は希直を敬すの句あり。又其一章に
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
家に帰へりて「奥の細道」を
閲
(
けみ
)
するに、蕉翁は左の如く松島に於て
誌
(
しる
)
せり。
松島に於て芭蕉翁を読む
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
ナポレオンがロングウッドの住居において臨終の苦悶を
閲
(
けみ
)
しつつある間に、ワーテルローの平野に倒れた六万の人々は静かに腐乱してゆき、彼らの平和のあるものは世界にひろがっていった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そして病人の身の上にも、側に付いている女の身の上にも、ある新時期の来たのを認めた。それは人間が深い感動を
閲
(
けみ
)
した跡で到達する時期である。その時期には希望もなければ恐怖もない。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
汝また善く汝の理學を
閲
(
けみ
)
せば、いまだ幾葉ならざるに汝等の
技
(
わざ
)
のつとめて
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
戦後の混乱の文化機構の中に、この大組織網としての図書館構造の形成の中核として立ち上りつつあるわが国立国会図書館は、まことに容易ならざる三年間を、ここに
閲
(
けみ
)
したというべきであろう。
歴史の流れの中の図書館:――個人的なものから集団的なものへ――
(新字新仮名)
/
中井正一
(著)
又
(
また
)
殆
(
ほと
)
んど
数
(
かぞ
)
えることのできない
歳月
(
としつき
)
を
閲
(
けみ
)
したということでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
春風秋雨半世紀以上を
閲
(
へ
)
た今日に於てこれを
閲
(
けみ
)
して見ると、その中でなんぼも実績が挙がっていないのに一驚を喫する。今日これを回想すれば爾来有為の活動時代に私は何をして過ごして来たのか。
牧野富太郎自叙伝:02 第二部 混混録
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
...
啻
(
ただ
)
に実用に益なきのみならず、
却
(
かえ
)
つて害を招かんも、
亦
(
また
)
計るべからず」という立場から、「
英亜
(
えいあ
)
開版の歴史地理誌数書を
閲
(
けみ
)
し中に
就
(
つ
)
いて西洋列国の
条
(
じょう
)
を抄約し、毎条必ずその要を掲げて、史記、政治、 ...
福沢諭吉
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
此邊は秋已に深く、萬樹霜を
閲
(
けみ
)
し、狐色になつた樹々の間に、イタヤ楓は火の如く、北海道の銀杏なる桂は黄の焔を上げて居る。旭川から五時間餘走つて、汽車は
狩勝驛
(
かりかちえき
)
に來た。石狩十勝の境である。
熊の足跡
(旧字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
前篇を書いてから、いつしか五年の歳月が
閲
(
けみ
)
している。
わが寄席青春録
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
後
(
のち
)
明治二十三年に保さんは
島田篁村
(
しまだこうそん
)
を
訪
(
と
)
うて、再びこの『論語』を見た。篁村はこれを
細川十洲
(
ほそかわじっしゅう
)
さんに借りて
閲
(
けみ
)
していたのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
仏蘭西は第三共和国初まって以来今日に至るまで年を
閲
(
けみ
)
する事四十五年、その間内閣更迭を見たこと最近の改造までを数えて五十一回に上る
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
閲
常用漢字
中学
部首:⾨
15画
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