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覘
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ねら
ふりがな文庫
“
覘
(
ねら
)” の例文
僕
(
ぼく
)
思
(
おも
)
ふに、いつたい
僕等
(
ぼくら
)
日本人
(
にほんじん
)
の
麻雀
(
マージヤン
)
の
遊
(
あそ
)
び
方
(
かた
)
は
神經質
(
しんけいしつ
)
過
(
す
)
ぎる。
或
(
あるひ
)
は
末梢的
(
まつせうてき
)
過
(
す
)
ぎる。
勿論
(
もちろん
)
技
(
ぎ
)
を
爭
(
あらそ
)
ひ、
機
(
き
)
を
捉
(
とら
)
へ、
相手
(
あひて
)
を
覘
(
ねら
)
ふ
勝負事
(
しようぶごと
)
だ。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
兵馬は無論、これが敵と
覘
(
ねら
)
う机竜之助であろうとは夢にも知るはずがない、ただ扱いにくい竹刀かなと内心にいささか
焦
(
じ
)
れ気味です。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
丈助は今度は突こうかと
覘
(
ねら
)
って居る処へバタ/\/\/\と駈けて来ましたのは山口屋の音羽でございますが、此の足音を聞き附け
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
という意味で、アルミ弁当箱の内側にゼラチンのようなものをひいて置くと、奇妙に飯粒が附着しないことを
覘
(
ねら
)
った特許願である。
科学時潮
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
その間に
敵
(
かたき
)
と
覘
(
ねら
)
う上野介の身に異変でもあったらどうするかと、一
途
(
ず
)
に仇討の決行を主張するものとがあって、硬軟両派に分れていた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
▼ もっと見る
「わざと此家を
覘
(
ねら
)
って来たんです、出口を
塞
(
ふさ
)
がれてしまってね、大目附の私宅なら安全だと思って、逆に虎穴を選んだわけですよ」
めおと蝶
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そうしてペンキ塗の交番を
楯
(
たて
)
に、巡査の立っている横から女の顔を
覘
(
ねら
)
うように見た。そうしてその表情の変化にまた驚ろかされた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
米噛
(
こめかみ
)
は興奮にふくれているし——月丸の隙を
覘
(
ねら
)
っていたが、微かな不安と、恐怖とがあって、突込んで行けば、抜討を食うかもしれないし
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
逞ましい枝振の
羽根飾
(
はねかざり
)
をした遊苑に、深緑の廣々した芝生の上で、竿の端に置いた木製の鳥を
覘
(
ねら
)
つて火繩銃の射的をしてゐる。
石工
(旧字旧仮名)
/
ルイ・ベルトラン
(著)
庄三郎はそれから
富士権現
(
ふじごんげん
)
の前へ往った。
祠
(
ほこら
)
の影から
頬冠
(
ほおかむり
)
した男がそっと出て来て、庄三郎に
覘
(
ねら
)
い寄り、手にしている出刃で横腹を
刳
(
えぐ
)
った。
南北の東海道四谷怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
お互に黙つて歯を食ひしばつてゐて、そしてお互に肉体的に精神的にひとつになることを
覘
(
ねら
)
つてゐるやうなものではないか。
三月の創作
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
村の子供を
苛
(
いじ
)
めて、子供の持っている銭を取上る、町へ出ては
商家
(
あきないや
)
の隙を
覘
(
ねら
)
って品物を盗んで来る。だからこの吉太を善く言うものはなかった。
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
まるで、空巣
覘
(
ねら
)
いのようにあたりをうかがいながら、ソロソロと小舎をぬけ出すと、一散に庭を駆け抜け、待たしてあったタクシイに飛び乗って
墓地展望亭
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
東片町に
住
(
すま
)
った頃、近所に常磐津を上手に語る家があった。二葉亭は毎晩その刻限を
覘
(
ねら
)
っては垣根越しに聞きに行った。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
何時
(
いつ
)
まで経っても大久保家から召し還しの使者が来ないばかりでなく、反対に刺客を放って、山浦丈太郎を
覘
(
ねら
)
っているという噂さえ立ち始めました。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
恐ろしい大蛇のような者から附け
覘
(
ねら
)
われてでもいるかのように気味悪るがって、矢も
盾
(
たて
)
もなく不安でたまらなかった。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
彼
(
かれ
)
は
小
(
ちひ
)
さな
怪我人
(
けがにん
)
から
聯想
(
れんさう
)
して
此
(
こ
)
れも
毎日
(
まいにち
)
庭
(
には
)
の
木
(
き
)
を
覘
(
ねら
)
つて
居
(
ゐ
)
る
與吉
(
よきち
)
を
憂
(
うれ
)
へ
出
(
だ
)
した。
彼
(
かれ
)
は
脚力
(
きやくりよく
)
の
及
(
およ
)
ぶ
限
(
かぎ
)
り
歸途
(
きと
)
を
急
(
いそ
)
いだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
尚、むかしから言い伝えられている男の急所をも一応は考えてみたけれども、これはやはり下品な気がして、
傲邁
(
ごうまい
)
な男の
覘
(
ねら
)
うところではないと思った。
ロマネスク
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
矢も
楯
(
たて
)
もたまらずに
覘
(
ねら
)
いをつけた異性へと飛びついて行くのであったが、やがて生活が彼女の思い
昂
(
あが
)
った慾望に添わないことが苦痛になるか、または
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
機会を
覘
(
ねら
)
っていたが、大元竜ヶ馬場方面も
脆
(
もろ
)
く敗退した為、大元と大聖院との間の竜ヶ馬場と称する山上へ登り
厳島合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
これまでなりと観念したる白糸は、持ちたる出刃を取り直し、躍り狂う内儀の
吭
(
のんど
)
を
目懸
(
めが
)
けてただ一突きと突きたりしに、
覘
(
ねら
)
いを
外
(
はず
)
して
肩頭
(
かたさき
)
を
刎
(
は
)
ね
斫
(
き
)
りたり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吾助は得たりと
太刀
(
たち
)
振上
(
ふりあげ
)
只
(
たゞ
)
一刀に討たんとするやお花は
眞
(
ま
)
二ツと見えし時友次郎が
曳
(
えい
)
と打たる
小柄
(
こづか
)
の
手裏劍
(
しゆりけん
)
覘
(
ねら
)
ひ
違
(
たがは
)
ず吾助が右の
肱
(
ひぢ
)
に打込みければ忽ち
白刄
(
しらは
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「正月」の句と「水無月」の句とは、全く
揆
(
き
)
を
一
(
いつ
)
にするわけではないが、ほぼ同じような点を
覘
(
ねら
)
っている。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
ル・ヴァーヤンも、
親
(
みずか
)
ら鳥が四フィートばかり隔てて、蛇に
覘
(
ねら
)
わるるを見しに、身体
痙攣
(
ひきつり
)
て動く能わず。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
その
覘
(
ねら
)
うところはいうまでもなく指揮権発動の実現によって法務大臣、次官はもとよりのこと、検事総長をはじめ検察庁の主な責任者を一人残らず引責辞職せしめ
“指揮権発動”を書かざるの記
(新字新仮名)
/
犬養健
(著)
彼が待ち設けていたのは——もっとも、その後はどうなるかわからないが——たとえば、アンリ・マルタン
著
(
あらわ
)
すところの
歴史大全
(
れきしたいぜん
)
が、
覘
(
ねら
)
い
過
(
あやま
)
たず飛んで来ることだった。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
いっそのこと早稲田の自邸から出てくる大隈を
覘
(
ねら
)
おうという気にもなったが、しかし、人通りのうすい場所で、そのあたりには身をひそめるところのないことがわかると
風蕭々
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
けれど、存外これが坂田の思ひであつたのかも知れない。はじめにぼんやり力を抜いて置いて、敵に無理攻めさせて、その隙に反撃を加へるといふ
覘
(
ねら
)
ひであつたかも知れない。
聴雨
(新字旧仮名)
/
織田作之助
(著)
之が法廷に於ける被告の多数だ。之を悪意がないと云つても、法律は許さない。社会の秩序が許さない。中にも
今日
(
こんにち
)
の郵便窃盗の如く、最初から隙を
覘
(
ねら
)
つて居たものは論外である。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
彼の生命を
覘
(
ねら
)
わぬとも限らなかった。そのためには、羅卒を配備し守衛を増員した。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
佳い塩梅に、
覘
(
ねら
)
って来た招牌の蔭に、立籠って、辰公は、ラジオを享楽して居る。
越後獅子
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
いま相手はほんとに
鉈
(
なた
)
を振上げて彼の手を
覘
(
ねら
)
っているのだ。彼は縋りつくように、その男の眼を波間から見上げる。眼だけで、縋りつくように、波間から……波間から……波間から……。
火の唇
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
引っ
奪
(
た
)
くって、こんどは他の者が
覘
(
ねら
)
う。それは、谷の途中で沈んでしまった。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
海軍の無能によってナポレオンの計画は実行一歩手前に於て頓挫し、英国は墺、露を誘引して背後を
覘
(
ねら
)
わしめた。ナポレオンは一八〇五年八月遂に英国侵入の兵を転じて墺国征伐に決心した。
戦争史大観
(新字新仮名)
/
石原莞爾
(著)
鯉を
覘
(
ねら
)
ふ大鳶が両翼を傾けて池の上空に巨大な橢円形を描いてゐる。あたし達は桑の木の蔭に身を潜めて、徐ろに下降する敵機の姿に眼を凝らしてゐると、やがて、「二百米!」と命令が
降
(
くだ
)
る。
鵞鳥の家
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
吉里がこちらを見ておらぬ
隙
(
すき
)
を
覘
(
ねら
)
ッては、眼を放し得なかッたのである。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
されどかく
揃
(
そろ
)
ひて好き
容量
(
きりよう
)
は
未
(
いま
)
だ見ずと、静緒は心に驚きつつ、
蹈外
(
ふみはづ
)
せし
麁忽
(
そこつ
)
ははや忘れて、見据うる
流盻
(
ながしめ
)
はその物を奪はんと
覘
(
ねら
)
ふが如く、吾を失へる顔は間抜けて、常は顧らるる
貌
(
かたち
)
ありながら
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
海上をさまよい歩いて、
覘
(
ねら
)
ったり盗んだりするが
好
(
い
)
い。9460
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
雪隠の下の河童の
覘
(
ねら
)
ふものは、しりこだまであつた。
河童の話
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
真ン中を
覘
(
ねら
)
って
矢先
(
やさき
)
に力あり
鶴彬全川柳
(新字旧仮名)
/
鶴彬
(著)
根気よく附け
覘
(
ねら
)
っておった。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
米友はそこやここをウロウロと歩いて、戸の節穴や壁の隙間を
覘
(
ねら
)
っていました。誰かに見つかればまさしく泥棒の仕業であります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
僕はそこを
覘
(
ねら
)
い、一旦封印をして表口を閉じた上で、側方の壁から特設の冷水装置をつきだして棺桶の焼けるのを防ぐ仕掛けを作った。
火葬国風景
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「なに、危ないのは一ノ関のほうですよ」と七十郎が笑った、「貴方にだけ云っておきますがね、里見老が一ノ関を
覘
(
ねら
)
っているんです」
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
あの小便がややともすると眼を
覘
(
ねら
)
ってしょぐってくるようだ。逃げるのは仕方がないから、どうか小便ばかりは垂れんように致したい。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして心持に餘裕の生じてくると共に、そろそろ中學生らしい惡戲性が働き出して、意地惡く何かの隙を
覘
(
ねら
)
ひ始めたのである。
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
彼は銃を持ちなおして
雑木
(
ぞうき
)
にかくれて松の下の方へ往った。そして、
覘
(
ねら
)
いを定めて火縄を差した。強い音がして
弾
(
たま
)
の命中した
手応
(
てごた
)
えがあった。
怪人の眼
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
益満は、ぴったりと、屋根の上へ、腹を当て、這い延びて、
短銃
(
たんづっ
)
を、棟瓦の上から、小藤次の家の方へ、
覘
(
ねら
)
いをつけていた。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「与市は金蔵に次いで店中の幅利きで、内々升屋の身上を
覘
(
ねら
)
っていた上、主人の女房のお蔦にも気があったそうです」
銭形平次捕物控:049 招く骸骨
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この男は沖縄人で
相貌
(
そうぼう
)
が内地人らしくないので
疾
(
と
)
うから
覘
(
ねら
)
われていたのだそうだと、当人が後に来ての話である。
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
覘
漢検1級
部首:⾒
12画
“覘”を含む語句
差覘
明巣覘
絵覘
覘眼鏡
附覘