“米噛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こめか60.0%
こめかみ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
赤くなったのはまず、彼女の長い、幾分あばたのある鼻で、その鼻から眼もとへ、眼のまわりの米噛こめかみへと、その赤がうつった。
嫁入り支度 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「幽霊も由公にまで馬鹿にされるくらいだから幅はかない訳さね」と余のみ上げを米噛こめかみのあたりからぞきりと切り落す。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
米噛こめかみは興奮にふくれているし——月丸の隙をねらっていたが、微かな不安と、恐怖とがあって、突込んで行けば、抜討を食うかもしれないし
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
まだうぐいすが庭で時々鳴く。春風が折々思い出したように九花蘭きゅうからんの葉をうごかしに来る。猫がどこかでいたまれた米噛こめかみを日にさらして、あたたかそうに眠っている。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)