トップ
>
米噛
>
こめかみ
ふりがな文庫
“
米噛
(
こめかみ
)” の例文
米噛
(
こめかみ
)
は興奮にふくれているし——月丸の隙を
覘
(
ねら
)
っていたが、微かな不安と、恐怖とがあって、突込んで行けば、抜討を食うかもしれないし
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
まだ
鶯
(
うぐいす
)
が庭で時々鳴く。春風が折々思い出したように
九花蘭
(
きゅうからん
)
の葉を
揺
(
うご
)
かしに来る。猫がどこかで
痛
(
いた
)
く
噛
(
か
)
まれた
米噛
(
こめかみ
)
を日に
曝
(
さら
)
して、あたたかそうに眠っている。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
敬太郎はこの時
指洗椀
(
フィンガーボール
)
の水に自分の顔の映るほど下を向いて、両手で自分の
米噛
(
こめかみ
)
を隠すように
抑
(
おさ
)
えながら、くすくすと笑った。ところへ給仕が釣銭を盆に乗せて持って来た。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
池上の顔は、真赤に染まって、
米噛
(
こめかみ
)
の脈が破裂しそうにふくれ上って来た。額に、あぶら汗が滲み出て来て、苦しい、大きい息が、喘ぐように、呻くように、鼻から洩れかけた。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
踏むは地と思えばこそ、裂けはせぬかとの
気遣
(
きづかい
)
も
起
(
おこ
)
る。
戴
(
いただ
)
くは天と知る故に、
稲妻
(
いなずま
)
の
米噛
(
こめかみ
)
に
震
(
ふる
)
う
怖
(
おそれ
)
も出来る。人と
争
(
あらそ
)
わねば
一分
(
いちぶん
)
が立たぬと浮世が催促するから、
火宅
(
かたく
)
の
苦
(
く
)
は免かれぬ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
米
常用漢字
小2
部首:⽶
6画
噛
漢検準1級
部首:⼝
15画
“米”で始まる語句
米
米突
米櫃
米搗
米国
米原
米沢
米屋
米山
米俵