朝夕てうせき)” の例文
かなら朝夕てうせき餘暇よかには、二階にかいまどより、家外かぐわい小丘せうきうより、また海濱かいひん埠頭はとばより、籠手こてかざしてはるかなる海上かいじやう觀望くわんぼうせられんことを。
二十五六さいころより毎日まいにち朝夕てうせき實行じつかうして、七十七さい今日こんにちおよび、爾來じらい數十年間すうじふねんかん頭痛づつうわすれ、健全けんぜんとなり、感冐かんばうをかされたることいま一度いちどもあらず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
これはうもならぬそのやうに茶利ちやりばかりはですこ眞實しんところかしてくれ、いかに朝夕てうせきうそなかおくるからとてちつとはまことまじはづ良人おつとはあつたか
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たづね有しかば道庵だうあんべつに心當りは御座なくと申に然らば日頃出入致す貧乏人びんばふにん又は心やすく致し朝夕てうせき小遣錢こづかひぜになどを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
晩食ばんめしとき宜道ぎだう宗助そうすけに、入室にふしつ時間じかん朝夕てうせきくわいあることゝ、提唱ていしやう時間じかん午前ごぜんであることなどをはなしたうへ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
寧王ねいわう朝夕てうせきうまゑがい
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
これはどうもならぬそのやうに茶利ちやりばかり言はで少し真実しんの処を聞かしてくれ、いかに朝夕てうせきを嘘の中に送るからとてちつとは誠も交るはづ良人おつとはあつたか
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
意地いぢ入聟いりむこ同樣にやかましく朝夕てうせき云ける故九助も何卒なき母が遺言ゆゐごんの如く田地を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其上そのうへ宗助そうすけはある事情じじやうのために、一ねんとき京都きやうと轉學てんがくしたから、朝夕てうせき一所いつしよ生活せいくわつしてゐたのは、小六ころくの十二三の時迄ときまでである。宗助そうすけ剛情がうじやうかぬ腕白小僧わんぱくこぞうとしての小六ころくいまだに記憶きおくしてゐる。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おのづと肩身せばまりて朝夕てうせき挨拶あいさつも人の目色を見るやうなる情なき思ひもするを、それをば思はで我が情婦こひの上ばかりを思ひつづけ、無情つれなき人の心の底がそれほどまでに恋しいか
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かけ其日は入牢とぞ相なりける其後松坂町郡代の牢屋敷らうやしきに於て無殘むざん成かな富右衞門は日々ひゞ手強てづよき拷問に掛り今は五たい悉々こと/″\よわはて物ものんどくだすこと能はず一命既に朝夕てうせきせまるに付富右衞門倩々つく/″\來方こしかた
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おのづと肩身かたみせばまりて朝夕てうせき挨拶あいさつひと目色めいろるやうなるなさけなきおもひもするを、れをばおもはで情婦こひうへばかりをおもひつゞけ、無情つれなひとこゝろそこれほどまでにこひしいか
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ことならば薄暗うすくら部屋へやのうちにれとて言葉ことばをかけもせずかほながむるものなしに一人ひとりまゝの朝夕てうせきたや、さらば此樣このひやうことありとも人目ひとめつゝましからずはくまでものおもふまじ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
だい奉仕ほうしたゆみなく、一ちやうあまりなるいへより、ゆきにもあめにも朝夕てうせき機嫌きげんきゝおこたらぬこゝろ殊勝しゆしようなり、つまもたずやとすゝむるひとあれど、なんがことたまそれよりはぢやうさまのうへづかはしゝ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
美尾みをはゝ東京とうけう住居すまいものうく、はした朝夕てうせきおくるにきたれば、一つはお前樣まへさまがたの世話せわをもはぶくべきため、つね/″\御懇命ごこんめいうけましたるじゆ軍人樣ぐんじんさまの、西にしけう御榮轉ごゑいてんことありて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)