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暁
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さと
ふりがな文庫
“
暁
(
さと
)” の例文
旧字:
曉
社会政策上にも甚だ不利益である所以を
暁
(
さと
)
らしめ、ついにはこれらの語をして、永久に死語たらしめたい希望を有しているのである。
特殊部落ということについて:まず部落としての集団的取扱いを廃せよ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
「上天文に通じ、下地理を
暁
(
さと
)
り、謀略は管仲、
楽毅
(
がっき
)
に劣らず、
枢機
(
すうき
)
の才は孫子、呉子にも並ぶ者といっても過言ではないでしょう」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
梅はじっと
血色
(
ちいろ
)
の亡くなった主人の顔を見ていて、主人がひどく困っていると云うことだけは
暁
(
さと
)
ったが、何に困っているのか分からない。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
依って曰く、敵を殺すの多きを以て勝つにあらず、威を耀かし気を奪い勢を
撓
(
たわ
)
ますの理を
暁
(
さと
)
るべしと。中村は
近江
(
おうみ
)
国の人なり。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
オルクン
奴
(
め
)
は、わたくし共の様子を見て、疑はれたのだなと
暁
(
さと
)
つたものですから、仲間の槍を皆取り上げて、一束にして一人の男に渡しました。
樺太脱獄記
(新字旧仮名)
/
ウラジミール・ガラクティオノヴィチ・コロレンコ
(著)
▼ もっと見る
彼はその妻の常に
楽
(
たのし
)
まざる
故
(
ゆゑ
)
を
毫
(
つゆ
)
も
暁
(
さと
)
らず、始より唯その色を見て、
打沈
(
うちしづ
)
みたる
生得
(
うまれ
)
と
独合点
(
ひとりがてん
)
して多く問はざるなりけり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
主人の
妻
(
さい
)
は長二郎に女房の世話を致したいと申して居りましたから、
私
(
わたくし
)
の考えますには、其の事を長二郎に話しましたのを長二郎が
訝
(
おか
)
しく
暁
(
さと
)
って
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「されど両親は其語れる事を
暁
(
さと
)
らず」と云ふのも恐らくは事実に近かつたであらう。けれども我々を動かすのは「其母これらの
凡
(
すべて
)
の事を心に
蔵
(
と
)
めぬ」
続西方の人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかも私達は往々その悲しい結果を
暁
(
さと
)
らないのみか、かくの如きはあらねばならぬ
須要
(
しゅよう
)
のことのように思いなし易い。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
人間を嘲罵する彼の心絃には触れざりしを、この際に於て
豁然
(
くわつぜん
)
悟発して、人間に至真の存するあるを
暁
(
さと
)
らしめたり。
心機妙変を論ず
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
人或は一見して云はむ、これ僅に悲哀の名を変じて
鬱悶
(
うつもん
)
と改めしのみと、しかも再考して
終
(
つひ
)
にその全く変質したるを
暁
(
さと
)
らむ。ボドレエルは悲哀に誇れり。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
けれども日蓮は悦ばず、正法を立せずして、弘教を頌揚するのは
阿附
(
あふ
)
である。
暁
(
さと
)
しがたきは澆季の世である。
学生と先哲:――予言僧日蓮――
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
... 実に
暁
(
さと
)
りが早いですネエ」余は殆ど赤面はしたけれど「ハイ証拠を見ずとも是ばかりは信じます、秀子の容貌、秀子の振舞いなどが百の証拠より優って居ます」
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
トあじな眼付をしてお勢の貌をジッと
凝視
(
みつ
)
めた。その意を
暁
(
さと
)
ッたか暁らないか、お勢は唯ニッコリして
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
またこれ賊の遺物なるを白糸は
暁
(
さと
)
りぬ。けだし渠が
狼藉
(
ろうぜき
)
を
禦
(
ふせ
)
ぎし折に、引き
断
(
ちぎ
)
りたる賊の
衣
(
きぬ
)
の一片なるべし。渠はこれをも拾い取り、出刃を
裹
(
つつ
)
みて
懐中
(
ふところ
)
に推し入れたり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
天下万般の学に通じ事に
暁
(
さと
)
らざるべからず。しかれども一生の間に自ら実験し得べき事物は極めて少数なり。故に多く学び博く
識
(
し
)
らんと欲せば書籍によるを
最
(
もっとも
)
良
(
よ
)
しとす。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
そして、可成彼に
暁
(
さと
)
られざらむ様に息を殺して、好奇心を以て仔細に彼の挙動に注目した。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
余
(
よ
)
岩居
(
がんきよ
)
にむかひ、これは此地にては名を
何
(
なに
)
とよぶぞと
問
(
と
)
ひしに、岩居これはテンプラといふなり、我としごろ此物の
名義
(
めいぎ
)
暁
(
さと
)
しがたく、
古老
(
こらう
)
にたづねたれどもしる人さらになし
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼の
面容
(
かおかたち
)
を変らせて
逐
(
お
)
いやり給う、その子貴くなるも彼はこれを知らず、
卑賤
(
いやし
)
くなるもまたこれを
暁
(
さと
)
らざるなり、ただ己みずからその心に
痛苦
(
いたみ
)
を覚え己みずからその心に
哀
(
なげ
)
くのみ
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
と低い声で
細々
(
こまごま
)
と教えてくれた。若崎は
唖然
(
あぜん
)
として驚いた。徳川期にはなるほどすべてこういう調子の事が行われたのだなと
暁
(
さと
)
って、今更ながら世の
清濁
(
せいだく
)
の上に思を
馳
(
は
)
せて
感悟
(
かんご
)
した。
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
大艦を
打造
(
うちつく
)
り、船軍を習練し、東北にしては
蝦夷
(
えぞ
)
、
唐太
(
からふと
)
、西南にしては
流叫
(
りゅうきゅう
)
、
対馬
(
つしま
)
、
憧々
(
しょうしょう
)
と往来し、虚日あることなく、通漕捕鯨し、以て操舟を習い海勢を
暁
(
さと
)
り、
然
(
しか
)
る後往きて朝鮮
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
過
(
あやまち
)
すとも、自ら
暁
(
さと
)
らざりし
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
単にその歴史を知り、その実情を知り、差別の不当なりし所以を
暁
(
さと
)
ったのみでは不十分です。さらに進んでそれと親しまねばなりません。
融和促進
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
かつて山中で病猪を見たるに実にこの画のごとしと。応挙初めて
暁
(
さと
)
り翁に臥猪の形容を詳しく聞き、専らその
口伝
(
くでん
)
に拠って更に臥猪を画く。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
嘗て茶山に「死なぬ
疾
(
やまひ
)
」を報じたやうに、今又起行の期し難きを
暁
(
さと
)
つたであらう。其胸臆を
忖度
(
そんたく
)
すれば、真に愍むべきである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
されども、彼は未だ恋の甘きを知らざるが
故
(
ゆゑ
)
に、心狭くもこの面白き世に偏屈の
扉
(
とびら
)
を閉ぢて、
詐
(
いつはり
)
と軽薄と利欲との外なる楽あるを
暁
(
さと
)
らざるならん。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
余は
猶
(
な
)
お一語をも発し得ず
唯
(
た
)
だ「あ、あ、あれ、あれ」と
吃
(
ども
)
りつゝ
件
(
くだん
)
の
死体
(
しがい
)
に指さすのみ、目科は幾分か余の意を
暁
(
さと
)
りしにや
直様
(
すぐさま
)
死体
(
しがい
)
に
重
(
かさな
)
り掛り其両手を検め見て
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
想像は必らずしもダニヱルの夢の如くに未来を
暁
(
さと
)
らしむるものにあらざるも、朝に暮に眼前の事に
齷齪
(
あくさく
)
たる実世界の動物が冷嘲する如く、無用のものにはあらざるなり。
他界に対する観念
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
こは火の如き婦人の熱情のために心身
両
(
ふたつ
)
ながら溶解し去らるるならんと、ようやく渠を恐るる気色を、早く
暁
(
さと
)
りたる大年増は、我子ともすべき美少年の、
緑陰
(
りょくいん
)
深き所を
厭
(
いと
)
いて
黒壁
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
余
(
よ
)
岩居
(
がんきよ
)
にむかひ、これは此地にては名を
何
(
なに
)
とよぶぞと
問
(
と
)
ひしに、岩居これはテンプラといふなり、我としごろ此物の
名義
(
めいぎ
)
暁
(
さと
)
しがたく、
古老
(
こらう
)
にたづねたれどもしる人さらになし
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
天文地理の書、一として通ぜずということなく、九流三教の事、
暁
(
さと
)
らずということなし。そのことばは、かくいう禰衡を称するためできているようなものだ。……いやまだ云い足らん。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なんの積りだらうと、三人で相談しましたが、とうとうマカロフが
暁
(
さと
)
りました。
樺太脱獄記
(新字旧仮名)
/
ウラジミール・ガラクティオノヴィチ・コロレンコ
(著)
空寒き
奥州
(
おうしゅう
)
にまで帰る事は
云
(
い
)
わずに
旅立
(
たびだち
)
玉う
離別
(
わかれ
)
には、
是
(
これ
)
を出世の
御発途
(
おんかどいで
)
と義理で
暁
(
さと
)
して
雄々
(
おお
)
しき
詞
(
ことば
)
を、口に云わする心が
真情
(
まこと
)
か、狭き女の胸に余りて案じ
過
(
すご
)
せば
潤
(
うる
)
む
眼
(
め
)
の、涙が無理かと
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
一人前の侍となして置いて
仇
(
かたき
)
と名告り討たれんものと心組んだる其の
処
(
ところ
)
へ、國と源次郎めが密通したを
怒
(
いか
)
って、二人の命を絶たんとの汝の心底、最前庭にて錆槍を
磨
(
と
)
ぎし時より
暁
(
さと
)
りしゆえ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
われらの示す
教
(
をしへ
)
暁
(
さと
)
らじ。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
一休一々その本性を
暁
(
さと
)
り、
明旦
(
みょうあさ
)
土人を呼び集め、東の野に馬の頭顱、西の藪中に三足の鶏、南の池に鯉あるべしとて探らせると果してあり。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
過去の差別的行為の非を
暁
(
さと
)
り、いわゆる差別撤廃から、進んで真の融和の域に到達すべきものなることは、すでに繰り返し述べた通りであります。
融和促進
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
父忠兵衛も牧も、少女の意の
斥
(
さ
)
す所を
暁
(
さと
)
っていたが、父は
憚
(
はばか
)
って
肯
(
あえ
)
て制せず、牧は
懾
(
おそ
)
れて咎めることが出来なかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
この心を
暁
(
さと
)
れる満枝は、飽くまで憎き事為るよと、持てるハンカチイフにベッドを打ちて、かくまでに
遇
(
あつか
)
はれながら、なほこの人を慕はでは
已
(
や
)
まぬ我身かと
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
初めて真成に秀子の身の危険な事を
暁
(
さと
)
った、彼は容儀の改まると共に、全く厳めしい法律の手先と云う威厳が備わり、何となく近づき難い所が現われた、権田時介も余と同様に
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
永楽帝の燕王たるや、
塞北
(
さいほく
)
に出征して、よく
胡情
(
こじょう
)
を知る。部下の諸将もまた
夷事
(
いじ
)
に通ずる者多し。王の
南
(
みなみ
)
する、
幕中
(
ばくちゅう
)
に
番騎
(
ばんき
)
を蔵す。
凡
(
およ
)
そ
此
(
これ
)
等
(
ら
)
の事に徴して、永楽帝の
塞外
(
さくがい
)
の状勢を
暁
(
さと
)
れるを知るべし。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
一は牝犬がその子の心得違いを
太
(
いた
)
く咬み懲らしたので、次は仮装した子馬と会った母馬が後に
暁
(
さと
)
って数日内に絶食して死んだと馬主の直話だと。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
しかし末の「止宿之事は此節奈何可有御坐」と対照して其義を
暁
(
さと
)
ることが出来る。老人は多分迷惑するだらうとおもふ懸念より云々したと謂ふのである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
又大変な事を
暁
(
さと
)
り得た、今の秀子、即ち其の頃の夏子が殺したと為って居るお紺婆の殺害者も若しや彼では有るまいか、叔父を毒害して其の疑いを秀子に被せようとする今の所行と
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
しかしわたくしは後に茶山の
柬牘
(
かんどく
)
を読むこと漸く多きに至つて、その必ずしもさうでなかつたことを
暁
(
さと
)
つた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
〈かつて聞く一聡慧竜馬、人その種を
貪
(
むさぼ
)
り、母と合せしむ、馬のち
暁
(
さと
)
り知り、勢を断ちて死す〉と見ゆ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
横井平四郎は最も早くそれを知つた一人である。私の父は身を終ふるまでそれを
暁
(
さと
)
らなかつた一人である。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
プリニウス十巻七十章には、ある鳥どもの血を混ぜて生きた蛇を食べた人能く鳥語を
暁
(
さと
)
ると載す。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
諸賊射られた輩の矢を抜くと皆死んだので、かかる弓術の達者にとても叶わぬと
暁
(
さと
)
り、一同降参した。大将これを
愍
(
あわれ
)
み、そこに新城を築き諸人を集め住ませ曠野城と名づけた。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
黙って
頷
(
うなず
)
いたお常には、この詞が格別の効果を与えないので、女中は意外に思った。あの女は芸者ではないと思うと同時に、お常は本能的に無縁坂の女だと云うことを
暁
(
さと
)
っていたのである。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
暁
常用漢字
中学
部首:⽇
12画
“暁”を含む語句
払暁
暁天
通暁
早暁
暁方
暁闇
暁台
暁凪
翌暁
今暁
没分暁漢
没分暁
暁星
暁斎
暁風
暁明
朝暁
暁湖
河鍋暁斎
暁星学校
...