“鬱悶”の読み方と例文
読み方割合
うつもん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると新吉の血の中にしこりかけた鬱悶うつもんはすっと消えて、世にもみず/\しい匂いの籠った巴里が眼の前に再び展開しかけるのであった。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それとなく胸中の鬱悶うつもんらした、未来があるものとさだまり、霊魂の行末ゆくすえきまったら、直ぐにあとを追おうと言った、ことばはしにもあらわれていた。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人或は一見して云はむ、これ僅に悲哀の名を変じて鬱悶うつもんと改めしのみと、しかも再考してつひにその全く変質したるをさとらむ。ボドレエルは悲哀に誇れり。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)