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鬱悶
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うつもん
ふりがな文庫
“
鬱悶
(
うつもん
)” の例文
すると新吉の血の中にしこりかけた
鬱悶
(
うつもん
)
はすっと消えて、世にもみず/\しい匂いの籠った巴里が眼の前に再び展開しかけるのであった。
巴里祭
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それとなく胸中の
鬱悶
(
うつもん
)
を
漏
(
も
)
らした、未来があるものと
定
(
さだま
)
り、霊魂の
行末
(
ゆくすえ
)
が
極
(
きま
)
ったら、直ぐにあとを追おうと言った、
言
(
ことば
)
の
端
(
はし
)
にも
顕
(
あらわ
)
れていた。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
人或は一見して云はむ、これ僅に悲哀の名を変じて
鬱悶
(
うつもん
)
と改めしのみと、しかも再考して
終
(
つひ
)
にその全く変質したるを
暁
(
さと
)
らむ。ボドレエルは悲哀に誇れり。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
かつまた
不如意
(
ふにょい
)
で、惜しい雲林さえ放そうとしていた位のところへ、廷珸の
侮
(
あなど
)
りに遭い、物は取上げられ、肋は傷けられたので、
鬱悶
(
うつもん
)
苦痛一時に
逼
(
せま
)
り、
越夕
(
えっせき
)
して
終
(
つい
)
に死んでしまった。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかして、その心に病苦を感じ不快を生ずるは、いわゆる身部の影響、心部の上に及ぼすものなり。これに反して、憂苦
鬱悶
(
うつもん
)
して疾病を生ずるがごときは、いわゆる心部より生ずる病なり。
妖怪学
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
鬱
常用漢字
中学
部首:⾿
29画
悶
漢検準1級
部首:⼼
12画
“鬱”で始まる語句
鬱
鬱陶
鬱蒼
鬱憤
鬱々
鬱金
鬱勃
鬱積
鬱屈
鬱然