“塞北”の読み方と例文
読み方割合
さいほく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
橋本は新しく蒙古から帰ったので、しきりに支那宿に降参した話を始めた。その支那宿には、名は塞北さいほくせ、あじわいは江南を圧すなどという広告の文字がべたべた壁にりつけてあるそうだ。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
南軍の将平安へいあん驍勇ぎょうゆうにして、かつて燕王に従いて塞北さいほくに戦い、王の兵を用いるの虚実をる。先鋒せんぽうとなりて燕に当り、ほこふるいてすすむ。瞿能くのう父子もまた踴躍して戦う。二将のむかう所、燕兵披靡ひびす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
このいきおいに乗ぜよやと、張玉、朱能等、いずれも塞北さいほくに転戦して元兵げんぺいあい馳駆ちくし、千軍万馬の間に老いきたれる者なれば、兵を率いて夜に乗じて突いて出で、黎明れいめいに至るまでに九つの門の其八を奪い
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)