トップ
>
御新姐
>
ごしんぞ
ふりがな文庫
“
御新姐
(
ごしんぞ
)” の例文
「そこでございます、
御新姐
(
ごしんぞ
)
はな、
年紀
(
とし
)
は、さて、
誰
(
たれ
)
が目にも
大略
(
たいりゃく
)
は分ります、先ず二十三、四、それとも五、六かと言う
処
(
ところ
)
で、」
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ふん、難産の
呻吟声
(
うめきごえ
)
だ。はあ、
御新姐
(
ごしんぞ
)
が
唸
(
うな
)
らしっけえ、
姑獲鳥
(
うぶめ
)
になって鳴くだあよ。もの、奥の小座敷の方で聞えべいがね。」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あの、
後程
(
のちほど
)
、
内證
(
ないしよう
)
で
御新姐
(
ごしんぞ
)
さんが。
屹
(
きつ
)
と
御待
(
おま
)
ち
遊
(
あそ
)
ばせよ。
此處
(
こゝ
)
に。
可
(
よ
)
ござんすか。」と
囁
(
さゝや
)
いて、すぐに、ちよろりと
消
(
き
)
える。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
でね、此を聞くと、人の
好
(
い
)
い、気の優しい、哥太寛の
御新姐
(
ごしんぞ
)
が、おゝ、と云つて、
袖
(
そで
)
を
開
(
ひら
)
く……主人もはた、と手を
拍
(
う
)
つて
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
でね、
此
(
これ
)
を
聞
(
き
)
くと、
人
(
ひと
)
の
好
(
い
)
い、
氣
(
き
)
の
優
(
やさ
)
しい、
哥太寛
(
こたいくわん
)
の
御新姐
(
ごしんぞ
)
が、おゝ、と
云
(
い
)
つて、
袖
(
そで
)
を
開
(
ひら
)
く……
主人
(
しゆじん
)
もはた、と
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
つて
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
お嬢さんの方は、名を縫子さんと言うんで、申さずとも娘ッ子じゃありません、こりゃ
御新姐
(
ごしんぞ
)
……じゃあねえね——若奥様。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さ、これもじゃ、玉脇の家の客人だち、主人まじりに、
御新姐
(
ごしんぞ
)
が、庭の
築山
(
つきやま
)
を遊んだと思えば、それまででありましょうに。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引込
(
ひきこ
)
まれて、はッと礼を返したが、それッきり。
御新姐
(
ごしんぞ
)
の方は見られなくって、
傍
(
わき
)
を向くと
貴下
(
あなた
)
、
一厘土器
(
いちもんかわらけ
)
が
怪訝
(
けげん
)
な
顔色
(
かおつき
)
。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の一
日前
(
にちまへ
)
の
暮方
(
くれがた
)
に、
千助
(
せんすけ
)
は、
團右衞門方
(
だんゑもんかた
)
の
切戸口
(
きりどぐち
)
から、
庭前
(
ていぜん
)
へ
𢌞
(
まは
)
つた。
座敷
(
ざしき
)
に
御新姐
(
ごしんぞ
)
が
居
(
ゐ
)
る
事
(
こと
)
を、
豫
(
あらかじ
)
め
知
(
し
)
つての
上
(
うへ
)
。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其時
(
そのとき
)
茫乎
(
ぼんやり
)
と思ひ出したのは、
昨夜
(
ゆうべ
)
の其の、奥方だか、
姫様
(
ひいさま
)
だか、それとも
御新姐
(
ごしんぞ
)
だか、魔だか、鬼だか、お
閨
(
ねや
)
へ召しました一件のお
館
(
やかた
)
だが、当座は
唯
(
ただ
)
赫
(
かっ
)
と
取逆上
(
とりのぼせ
)
て
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
以前は影絵、うつし絵などでは、
巫山戯
(
ふざけ
)
たその光景を見せたそうで。——
御新姐
(
ごしんぞ
)
さん、……奥さま。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
遠くから足の
尖
(
さき
)
を
爪立
(
つまだ
)
って、お殺しでない、
打棄
(
うっちゃ
)
っておくれ、
御新姐
(
ごしんぞ
)
は病気のせいで
物事
(
ものごと
)
気にしてなんねえから、と女中たちが口を
揃
(
そろ
)
えていうもんだでね、
芸
(
げえ
)
もねえ
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
仁右衛門が見た
御新姐
(
ごしんぞ
)
のように、この手が触って血を吐きながら、
莞爾
(
にっこり
)
としたらどうしょう。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……こゝの
御新姐
(
ごしんぞ
)
の、
人形町
(
にんぎやうちやう
)
の
娘時代
(
むすめじだい
)
を
預
(
あづ
)
かつた、
女學校
(
ぢよがくかう
)
の
先生
(
せんせい
)
を
通
(
とほ
)
して、ほのかに
樣子
(
やうす
)
を
知
(
し
)
つてゐるので……
以前
(
いぜん
)
、
私
(
わたし
)
が
小
(
ちひ
)
さな
作
(
さく
)
の
中
(
なか
)
に、
少
(
すこ
)
し
家造
(
やづく
)
りだけ
借用
(
しやくよう
)
した
事
(
こと
)
がある。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今しがた
小雨
(
こさめ
)
が降って、お天気が上ると、お
前様
(
めえさま
)
、雨よりは大きい
紅色
(
べにいろ
)
の露がぽったりぽったりする、あの桃の木の下の
許
(
とこ
)
さ、
背戸口
(
せどぐち
)
から
御新姐
(
ごしんぞ
)
が、紫色の
蝙蝠傘
(
こうもりがさ
)
さして出てござって
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「それには及ばんですよ、ええ、何の、
御新姐
(
ごしんぞ
)
。」と
面啖
(
めんくら
)
って我知らず口走って、ニコチンの毒を説く時のような
真面目
(
まじめ
)
な態度になって、
衣兜
(
かくし
)
に手を
突込
(
つっこ
)
んで、肩をもそもそと
揺
(
ゆす
)
って
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女紅場
(
ぢよこうば
)
で、お
師匠
(
ししやう
)
さんをなさります、
其
(
そ
)
のお
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
を
存
(
ぞん
)
じながら、
勿體
(
もつたい
)
ない、
引張
(
ひつぱ
)
りの
地獄宿
(
ぢごくやど
)
で、
鮹
(
たこ
)
の
脚
(
あし
)
を
噛
(
かじ
)
りながら、
袖崎
(
そでさき
)
の
御新姐
(
ごしんぞ
)
が
直傳
(
ぢきでん
)
だ、と
紀伊國
(
きいのくに
)
は
音無瀬川
(
おとなせがは
)
の
狐
(
きつね
)
が
憑
(
つ
)
いた
人畜
(
にんちく
)
が
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
草に鼻筋の通った顔は、忘れもせぬ鶴谷の嫁、
初産
(
ういざん
)
に世を去った
御新姐
(
ごしんぞ
)
である。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其
(
そ
)
の
上
(
うへ
)
、ぞつこん
思
(
おも
)
ひこがれる
御新姐
(
ごしんぞ
)
お
組
(
くみ
)
が、
優
(
やさ
)
しい
風流
(
ふうりう
)
のあるのを
窺
(
うかゞ
)
つて、
居𢌞
(
ゐまは
)
りの
夜店
(
よみせ
)
で
表紙
(
へうし
)
の
破
(
やぶ
)
れた
御存
(
ごぞん
)
じの
歌
(
うた
)
の
本
(
ほん
)
を
漁
(
あさ
)
つて
來
(
き
)
て、
何
(
なん
)
となく
人
(
ひと
)
に
見
(
み
)
せるやうに
捻
(
ひね
)
くつて
居
(
る
)
たのであつた。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「もし、それぢや、
其
(
そ
)
のお
方
(
かた
)
は、
袖崎
(
そでさき
)
さんの
御新姐
(
ごしんぞ
)
ぢやござりませんか。」
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
もうその時分は、大旦那がお亡くなんなすったあとで、
御新姐
(
ごしんぞ
)
さんと今のお嬢さんとお二人、
小体
(
こてい
)
に絵草紙屋をしておいでなすった。そこでもお前火災にお逢いなすったんだろうじゃないか。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
嗜
(
たしなみ
)
も気風もこれであるから、院長の夫人よりも、
大店向
(
おおだなむき
)
の
御新姐
(
ごしんぞ
)
らしい。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此
(
こ
)
の
勢
(
いきほひ
)
に
乘
(
じよう
)
じて、
立所
(
たちどころ
)
に
一國一城
(
いつこくいちじやう
)
の
主
(
あるじ
)
と
志
(
こゝろざ
)
して
狙
(
ねらひ
)
をつけたのは、あらう
事
(
こと
)
か、
用人
(
ようにん
)
團右衞門
(
だんゑもん
)
の
御新姐
(
ごしんぞ
)
、おくみと
云
(
い
)
ふ
年
(
とし
)
は
漸
(
やうや
)
う
二十
(
はたち
)
と
聞
(
き
)
く、
如何
(
いか
)
にも、
一國一城
(
いつこくいちじやう
)
に
較
(
たぐ
)
へつべき
至
(
いた
)
つて
美
(
うつく
)
しいのであつた。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「生意気な事を言やがる。」お婆さんの
御新姐
(
ごしんぞ
)
が持って来た
冷酒
(
ひやざけ
)
を
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御新姐
(
ごしんぞ
)
は、気分が
勝
(
すぐ
)
れねえとって、二階に寝てござらしけえ。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
町で
老舗
(
しにせ
)
の
紅屋
(
べにや
)
の内儀……お悦という
御新姐
(
ごしんぞ
)
が
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ああ、こちらの
御新姐
(
ごしんぞ
)
ですか。」
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
新
常用漢字
小2
部首:⽄
13画
姐
漢検準1級
部首:⼥
8画
“御新姐”で始まる語句
御新姐樣
御新姐様