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将棋
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しょうぎ
ふりがな文庫
“
将棋
(
しょうぎ
)” の例文
旧字:
將棋
初冬の夕陽が
這
(
は
)
い寄る縁側、今までガラッ八の八五郎を相手に、
将棋
(
しょうぎ
)
の詰手を考えている——といった、泰平無事な日だったのです。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ああそうか。あすこは
涼
(
すず
)
しいからな。
将棋
(
しょうぎ
)
をさしたり、ひるねをしたりするのにはいいだろう。」と、お
父
(
とう
)
さんはわらわれました。
おさらい帳
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
親指の
爪先
(
つまさき
)
から、
弾
(
はじ
)
き落すようにして、きーんと畳の上へ投げ出した二
分金
(
ぶきん
)
が一枚、
擦
(
す
)
れた
縁
(
へり
)
の間へ、
将棋
(
しょうぎ
)
の駒のように突立った。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
門番達に礼をいうと、教えられた中門の奥の方へスタスタと立去ってゆく、次いでまもなく、尺取の姿も
将棋
(
しょうぎ
)
のそばからかき消えました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
町内の口きき連から、用のないてあいが、
将棋
(
しょうぎ
)
盤や
碁
(
ご
)
盤を持込んで、しきりに無駄話をしていた。彼等の目は一斉に隣人の一身にそそがれた。
遺産
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
▼ もっと見る
厚みも大きさも
将棋
(
しょうぎ
)
の
飛車角
(
ひしゃかく
)
ぐらいに当る札を五六十枚ほど四人で分けて、それをいろいろに並べかえて勝負を決していた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
豹一は近くの長願寺の和尚に
将棋
(
しょうぎ
)
を習った。和尚は無類のお人よしであったが、将棋好きのためしばしば人にきらわれた。
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
そこは西に面した高い城壁の上であったが、あわい月光の下、人影とおぼしきものが数十体、まるで
将棋
(
しょうぎ
)
の
駒
(
こま
)
をおいたように並んでいるのであった。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
○
碁
(
ご
)
の手
将棋
(
しょうぎ
)
の手といふものに汚ないと汚なくないとの別がある。それがまたその人の性質の汚ないのと汚なくないのと必ずしも一致して居ないから不思議だ。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
これは、ほんの
小手
(
こて
)
しらべだよ。まだまだおどろくことがある。さあ、何をやらせようかな。うん、そうだ。
将棋
(
しょうぎ
)
をさすことにしよう。Qは将棋がうまいのだよ。
鉄人Q
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
古いころの双六は今ある
一枚刷
(
いちまいず
)
りの
道中双六
(
どうちゅうすごろく
)
などとはちがって、
碁
(
ご
)
や
将棋
(
しょうぎ
)
と同じような
盤
(
ばん
)
の上の競技であった。そうしてその遊びをすることを打つといっていた。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
後
(
のち
)
に思えば例の三馬の『浮世風呂』をそのままで、茶を飲みながら
将棋
(
しょうぎ
)
をさしている人もあった。
思い出草
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
山形市の近くに
天童
(
てんどう
)
と呼ぶ小さな静な温泉町があります。ここは
将棋
(
しょうぎ
)
の駒を作るのに忙しい所であります。吾々が
玩
(
もてあそ
)
ぶ駒の大部分はこの小さな町から出るといわれます。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
碁
(
ご
)
将棋
(
しょうぎ
)
などは十四、五で初段になる、特別天分を要するものだから、その道では天来の才能に恵まれているが、
外
(
ほか
)
のことをやらせると国民学校の子供よりも役に立たない
オモチャ箱
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「ああいう暮しを永年していると、僕らぐらいの人間は
将棋
(
しょうぎ
)
の駒みたいに見えて来るんだろうね。きっと性格なんてものだって、使用価値からだけ見えているんだろうな」
杉垣
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
若いざん切り頭の先生は、
蒲団
(
ふとん
)
を隅の方へ押しやって、
褐
(
ちゃいろ
)
い畳の上で火鉢で
御飯
(
ごはん
)
をたいていた。そして飯の出来るまでと言って、
将棋
(
しょうぎ
)
を教えてくれたりしたものであった。
簪を挿した蛇
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
赤いペンキで「○○理髪店」と書いてある
硝子戸
(
ガラスど
)
に顔をくっつけて中をのぞくと、彼と同年ぐらいの、白い仕事着を
被
(
き
)
た男が、読んでいる
将棋
(
しょうぎ
)
の本ごしに
億劫
(
おっくう
)
そうにこっちをみたが
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
蹴鞠
(
けまり
)
・茶道・あるいは
連歌
(
れんが
)
・
俳諧
(
はいかい
)
・碁・
将棋
(
しょうぎ
)
等の遊び業これあるところ、今にては御旗本に似合わざる
三味線
(
さみせん
)
・
浄瑠璃
(
じょうるり
)
をかたりこうじては川原ものの真似を致す
族
(
やから
)
も間々これある由
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
そのおのおのが持っている任務と力量とを彼は指揮官のように知っていた。彼はそれを用いてある勝敗を争おうとするのだ。彼の得意とする
将棋
(
しょうぎ
)
や
囲碁
(
いご
)
以上にこれは興味のあるものだった。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
馭者は
宿場
(
しゅくば
)
の横の
饅頭屋
(
まんじゅうや
)
の
店頭
(
みせさき
)
で、
将棋
(
しょうぎ
)
を三番さして負け通した。
蠅
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
この男はまだ健在で今は長大なピンセットで紙の
将棋
(
しょうぎ
)
の駒を動かしながら「何とかして角べろりん」などと例のふし廻しでしゃべりながら将棋の必勝か何かの本を売っているが、銀座では見かけない。
新古細句銀座通
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
右の一行が、木津屋の
暖簾
(
のれん
)
の中へ入ってしまい、そのあとから男が二人、黒塗りの長持のような大きな箱を担ぎ込むところまで見ておりましたが、その箱の一方は、
将棋
(
しょうぎ
)
の駒の形をした
木札
(
きふだ
)
があって
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「君のは好い隠し芸だよ。碁や
将棋
(
しょうぎ
)
よりも気が利いている」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「何しろ荘左衛門という人は、町人のくせに学問が好きで、小唄も
碁
(
ご
)
将棋
(
しょうぎ
)
もやらないかわりに、四角な文字を読んで、
唐
(
から
)
の
都々逸
(
どどいつ
)
を作った」
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
三
人
(
にん
)
は、
小西
(
こにし
)
のあとについてゆきました。
店
(
みせ
)
の
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
では、
小西
(
こにし
)
の
父親
(
ちちおや
)
らしい
人
(
ひと
)
が、
肌脱
(
はだぬ
)
ぎで、
若
(
わか
)
い
男
(
おとこ
)
を
相手
(
あいて
)
にして、
将棋
(
しょうぎ
)
をさしていました。
眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
というわけは、彼らと恐竜の間には、
将棋
(
しょうぎ
)
の
駒
(
こま
)
のような岩があって、恐竜どもの姿を、彼らからかくしていたのだ。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そうして
昔
(
むか
)
し兄と自分と
将棋
(
しょうぎ
)
を指した時、自分が何か
一口
(
ひとくち
)
云ったのを
癪
(
しゃく
)
に、いきなり将棋の駒を自分の額へぶつけた騒ぎを、新しく自分の記憶から呼び
覚
(
さま
)
した。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
空を見さだめて、非番の者たちは、夕虹の下を帰って行ったが、平四郎は、
宿直
(
とのい
)
部屋の同僚と話しているうちに、
将棋
(
しょうぎ
)
が初まったので、つい
燈火
(
ともしび
)
を見てしまった。
夏虫行燈
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
チンピラどもは、
将棋
(
しょうぎ
)
だおしさ。いきおいあまって、かさなりあって、たおれてしまった。
夜光人間
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「おばはん小遣い足らんぜ」そして三円ぐらい手に
握
(
にぎ
)
ると、昼間は
将棋
(
しょうぎ
)
などして時間をつぶし、夜は
二
(
ふた
)
ツ
井戸
(
いど
)
の「お
兄
(
にい
)
ちゃん」という安カフェへ出掛けて、女給の手にさわり
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
将棋
(
しょうぎ
)
を差していた
閑人
(
ひまじん
)
どもであります。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
将棋
(
しょうぎ
)
は如何でございましょうか?」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
未開
(
みかい
)
な
温泉宿
(
おんせんやど
)
では、
夜
(
よる
)
は
谷川
(
たにがわ
)
の
音
(
おと
)
が
聞
(
き
)
こえて
静
(
しず
)
かだった。
行燈
(
あんどん
)
の
下
(
した
)
で、
毛
(
け
)
ずねを
出
(
だ
)
して、
男
(
おとこ
)
どもが、あぐらを
組
(
く
)
んで、
下
(
した
)
を
向
(
む
)
いて
将棋
(
しょうぎ
)
をさしていた。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
将棋
(
しょうぎ
)
の相手がありますから、三日のうち一日はここで暮します。あの騒ぎの時も、ここに居たように思いますが、お菊さんとお吉さんが銭湯へ行く姿を
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは下にせまっている警官隊のまん中で大きな音をあげて
破裂
(
はれつ
)
した。警官たちは
将棋
(
しょうぎ
)
だおしになった。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「最前、お長屋で門番と
将棋
(
しょうぎ
)
をさしていたようだ。その窓から大きな声をして呼んだら聞こえるだろう」
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ある時
将棋
(
しょうぎ
)
をさしたら
卑怯
(
ひきょう
)
な
待駒
(
まちごま
)
をして、人が困ると
嬉
(
うれ
)
しそうに冷やかした。あんまり腹が立ったから、手に在った飛車を
眉間
(
みけん
)
へ
擲
(
たた
)
きつけてやった。眉間が割れて少々血が出た。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
木戸口に殺到する群集のわめき声、
将棋
(
しょうぎ
)
倒しの下敷きになって悲鳴を上げる老人、泣き叫ぶ女子供、その騒然たる物音の中に
一
(
ひ
)
ときわ高い怒号の声が、
彼方此方
(
かなたこなた
)
に響きわたっていた。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
奇行、珍癖の横紙破りが多い
将棋
(
しょうぎ
)
界でも、坂田は最後の人ではあるまいか。
可能性の文学
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「ねえ、お
父
(
とう
)
さん。きょう
紙芝居
(
かみしばい
)
のおじさんが、じてん
車
(
しゃ
)
をほったらかして
木
(
き
)
の
下
(
した
)
で、
道具屋
(
どうぐや
)
のおじさんと
将棋
(
しょうぎ
)
をさしていましたよ。」と、
話
(
はな
)
しました。
おさらい帳
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それも彼がお重から、あなたの顔は
将棋
(
しょうぎ
)
の
駒
(
こま
)
見たいよと云われてからの事である。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
尺取
(
しゃくとり
)
はこの
虚
(
きょ
)
に乗じて、役宅のなかへまぎれ込んでしまおうかとも思いましたが、急いではあぶないと、わる度胸をすえて、わざわざ
将棋
(
しょうぎ
)
の仲間へ首を寄せてゆきながら、同じように及び腰で
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歌
(
うた
)
を
作
(
つく
)
るとか、
絵
(
え
)
をかくとか、
字
(
じ
)
を
習
(
なら
)
うとか、また
碁
(
ご
)
や、
将棋
(
しょうぎ
)
をするとか。わしなどは、一ぱいやり、
畑
(
はたけ
)
へ
出
(
で
)
て、
花造
(
はなづく
)
りをするのも、じつは、そのためなのじゃ。
世の中のために
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
父はこの前の冬に帰って来た時ほど
将棋
(
しょうぎ
)
を差したがらなくなった。将棋盤はほこりの
溜
(
たま
)
ったまま、
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
の隅に片寄せられてあった。ことに陛下のご病気以後父は
凝
(
じっ
)
と考え込んでいるように見えた。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、
将棋
(
しょうぎ
)
へ顔をそらしている尺取の十太郎を横目に見て笑いました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小西
(
こにし
)
が、
受取証
(
うけとりしょう
)
を
父親
(
ちちおや
)
に
見
(
み
)
せると、
父親
(
ちちおや
)
は、しばらくだまって
考
(
かんが
)
え
込
(
こ
)
んでいました。
将棋
(
しょうぎ
)
の
相手
(
あいて
)
をしている
若
(
わか
)
い
男
(
おとこ
)
が、「どうしたんだ?」と、のぞき
込
(
こ
)
みました。
眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
中で、
将棋
(
しょうぎ
)
をやっているらしい。
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人
(
ふたり
)
は、
顔
(
かお
)
を
見
(
み
)
ると、
将棋
(
しょうぎ
)
をさしました。
源
(
げん
)
さんのほうが、いくらか
李
(
り
)
さんよりは
強
(
つよ
)
いようでした。
クラリネットを吹く男
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
将棋
(
しょうぎ
)
だおしにやぶれた
剣道方
(
けんどうがた
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、
李
(
り
)
さんは、
音楽
(
おんがく
)
にも
趣味
(
しゅみ
)
をもっていて、ラジオで、
歌
(
うた
)
を
放送
(
ほうそう
)
するときなど、
将棋
(
しょうぎ
)
をさしながら、
自分
(
じぶん
)
の
駒
(
こま
)
がとられるのも
知
(
し
)
らず、
歌
(
うた
)
のほうに
気
(
き
)
をとられていました。
クラリネットを吹く男
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
将
常用漢字
小6
部首:⼨
10画
棋
常用漢字
中学
部首:⽊
12画
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将棋倒
将棋盤