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太吉
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たきち
ふりがな文庫
“
太吉
(
たきち
)” の例文
かのそそくさ男を始めとして女中ども一同旦那さま
御新造様
(
ごしんぞさま
)
と言へば、
応々
(
おいおい
)
と返事して、男の名をば
太吉
(
たきち
)
太吉と呼びて使ひぬ。
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
また、
来年
(
らいねん
)
、
稲
(
いね
)
の
実
(
みの
)
るころになると、
太吉
(
たきち
)
じいさんは、
新
(
あたら
)
しいかがしを
造
(
つく
)
りました。
去年
(
きょねん
)
の
子鳥
(
ことり
)
たちはもう
親鳥
(
おやどり
)
となって、
同
(
おな
)
じように、その
子供
(
こども
)
たちに
向
(
む
)
かって
からすとかがし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
従つて是は要吉であつて、
明吉
(
めいきち
)
でも
太吉
(
たきち
)
でも
半吉
(
はんきち
)
でもないといふ特殊の性格を与へてゐない。
『煤煙』の序
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
登場人物——
重兵衛
(
じゅうべえ
)
。
太吉
(
たきち
)
。おつや。旅人。巡査。青年甲、乙。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何分
(
なにぶん
)
此頃
(
このごろ
)
飛出
(
とびだ
)
しが
始
(
はじ
)
まつて
私
(
わし
)
などは
勿論
(
もちろん
)
太吉
(
たきち
)
と
倉
(
くら
)
と
二人
(
ふたり
)
ぐらゐの
力
(
ちから
)
では
到底
(
たうてい
)
引
(
ひき
)
とめられぬ
働
(
はたら
)
きをやるからの、
萬一
(
まんいち
)
井戸
(
ゐど
)
へでも
懸
(
かゝ
)
られてはと
思
(
おも
)
つて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
太吉
(
たきち
)
じいさんは、百
姓
(
しょう
)
が、かさをかぶって、
手
(
て
)
に
弓
(
ゆみ
)
を
持
(
も
)
って
立
(
た
)
っている、かがしをつくる
名人
(
めいじん
)
でした。それを
見
(
み
)
ると、からすやすずめなどが、そばへ
寄
(
よ
)
りつきませんでした。
からすとかがし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おいたはしき
事
(
こと
)
とは
太吉
(
たきち
)
も
言
(
い
)
ひぬ、お
倉
(
くら
)
も
言
(
い
)
へり、
心
(
こゝろ
)
なきお
三
(
さん
)
どんの
末
(
すゑ
)
まで
孃
(
ぢやう
)
さまに
罪
(
つみ
)
ありとはいさゝかも
言
(
い
)
はざりき、
黄八丈
(
きはちぢやう
)
の
袖
(
そで
)
の
長
(
なが
)
き
書生羽織
(
しよせいばおり
)
めして
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これをきいて、
太吉
(
たきち
)
じいさんは
からすとかがし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
糸織
(
いとおり
)
の
小袖
(
こそで
)
を
重
(
かさ
)
ねて、
縮緬
(
ちりめん
)
の
羽織
(
はおり
)
にお
高祖頭巾
(
こそづきん
)
、
脊
(
せい
)
の
高
(
たか
)
き
人
(
ひと
)
なれば
夜風
(
よかぜ
)
を
厭
(
いと
)
ふ
角袖外套
(
かくそでぐわいとう
)
のうつり
能
(
よ
)
く、では
行
(
い
)
つて
來
(
き
)
ますると
店口
(
みせぐち
)
に
駒下駄
(
こまげた
)
直
(
なほ
)
させながら、
太吉
(
たきち
)
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今
(
いま
)
詫
(
わ
)
びたからとて
甲斐
(
かひ
)
はなしと
覺悟
(
かくご
)
して、
太吉
(
たきち
)
、
太吉
(
たきち
)
と
傍
(
そば
)
へ
呼
(
よ
)
んで、お
前
(
まへ
)
は
父
(
とゝ
)
さんの
傍
(
そば
)
と
母
(
かゝ
)
さんと
何處
(
どちら
)
が
好
(
い
)
い、
言
(
い
)
ふて
見
(
み
)
ろと
言
(
い
)
はれて、
我
(
おい
)
らはお
父
(
とつ
)
さんは
嫌
(
きら
)
い
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
太吉
(
たきち
)
と
小僧
(
こぞう
)
の
脊
(
せ
)
を
人
(
ひと
)
さし
指
(
ゆび
)
の
先
(
さき
)
に
突
(
つ
)
いて、お
舟
(
ふね
)
こぐ
眞似
(
まね
)
に
精
(
せい
)
の
出
(
で
)
て
店
(
みせ
)
の
品
(
しな
)
をばちよろまかされぬやうにしてお
呉
(
く
)
れ、
私
(
わたし
)
の
歸
(
かへ
)
りが
遲
(
おそ
)
いやうなら
構
(
かま
)
はずと
戸
(
と
)
をば
下
(
おろ
)
して
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
手前
(
てまへ
)
が
居
(
ゐ
)
ぬからとて
乞食
(
こじき
)
にもなるまじく
太吉
(
たきち
)
が
手足
(
てあし
)
の
延
(
の
)
ばされぬ
事
(
こと
)
はなし、
明
(
あ
)
けても
暮
(
く
)
れても
我
(
お
)
れが
店
(
たな
)
おろしかお
力
(
りき
)
への
妬
(
ねた
)
み、つくづく
聞
(
き
)
き
飽
(
あ
)
きてもう
厭
(
い
)
やに
成
(
な
)
つた
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
もう日が暮れたに
太吉
(
たきち
)
は何故かへつて来ぬ、源さんも又
何処
(
どこ
)
を歩いてゐるかしらんとて仕事を片づけて一服吸つけ、苦労らしく目をぱちつかせて、更に
土瓶
(
どびん
)
の下を
穿
(
ほぢ
)
くり
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
馬鹿野郎
(
ばかやらう
)
呼
(
よば
)
はりは
太吉
(
たきち
)
をかこつけに
我
(
を
)
れへの
當
(
あて
)
こすり、
子
(
こ
)
に
向
(
むか
)
つて
父親
(
てゝおや
)
の
讒訴
(
ざんそ
)
をいふ
女房
(
にようぼう
)
氣質
(
かたぎ
)
を
誰
(
た
)
れが
教
(
おし
)
へた、お
力
(
りき
)
が
鬼
(
をに
)
なら
手前
(
てまへ
)
は
魔王
(
まわう
)
、
商買人
(
しようばいにん
)
のだましは
知
(
し
)
れて
居
(
ゐ
)
れど
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
八百屋
(
やをや
)
の
吉
(
きち
)
五
郎
(
らう
)
に
大工
(
だいく
)
の
太吉
(
たきち
)
がさつぱりと
影
(
かげ
)
を
見
(
み
)
せぬが
何
(
なん
)
とかせしと
問
(
と
)
ふに
此
(
この
)
一
件
(
けん
)
であげられましたと、
顏
(
かほ
)
の
眞中
(
まんなか
)
へ
指
(
ゆび
)
をさして、
何
(
なん
)
の
子細
(
しさい
)
なく
取立
(
とりた
)
てゝ
噂
(
うわさ
)
をする
者
(
もの
)
もなし
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
醫者
(
いしや
)
も
心安
(
こゝろやす
)
きを
招
(
まね
)
き
家
(
いへ
)
は
僕
(
ぼく
)
の
太吉
(
たきち
)
といふが
名
(
な
)
を
借
(
か
)
りて
心
(
こゝろ
)
まかせの
養生
(
やうじやう
)
、
一月
(
ひとつき
)
と
同
(
おな
)
じ
處
(
ところ
)
に
住
(
すま
)
へば
見
(
み
)
る
物殘
(
ものゝこ
)
らず
嫌
(
いや
)
になりて、
次第
(
しだい
)
に
病
(
やま
)
ひの
募
(
つの
)
ること
見
(
み
)
る
目
(
め
)
も
恐
(
おそ
)
ろしきほど
凄
(
すさ
)
まじき
事
(
こと
)
あり。
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
太
常用漢字
小2
部首:⼤
4画
吉
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
“太吉”で始まる語句
太吉爺
太吉郎
太吉々々