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何時
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なんどき
ふりがな文庫
“
何時
(
なんどき
)” の例文
抽斎は師迷庵の校刻した
六朝本
(
りくちょうぼん
)
の如きは、
何時
(
なんどき
)
でも
毎葉
(
まいよう
)
毎行
(
まいこう
)
の文字の配置に至るまで、
空
(
くう
)
に
憑
(
よ
)
って思い浮べることが出来たのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そこに見えている二、三人の人影には、思い当りもなかったが、いつ
何時
(
なんどき
)
でも、自分の生命に対する敵への心構えは、武蔵にあった。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
文「フーム、この十四日に蟠龍軒が權三郎方へ来るとな、
辱
(
かたじ
)
けない、その大伴は十四日の
何時
(
なんどき
)
頃来ますか、定めし御存じでしょうな」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
病院に
入切
(
はいりきり
)
で居ながら、いつの
何時
(
なんどき
)
には、姉さんが誰と話をしたッて事、
不残
(
のこらず
)
旦那様御存じなの、もう
思召
(
おぼしめし
)
ったらないんですからね。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この後にも、
何日
(
いつ
)
、
何時
(
なんどき
)
そういったふらちな奴らの言葉に耳をお傾けになって、院宣をお下しになるか、わかったものではない。
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
私
(
わたし
)
がこうして、どうかこうかしているうちは好い。好いがこの通りの身体だから、いつ
何時
(
なんどき
)
どんな事がないとも限らない。その時が困る。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
一般人の足あとがその便利さを示しているところはそれらがいつ
何時
(
なんどき
)
でも通れるよう、谷間には橋がかかっていて渡れるようにしておいた。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
お前さえ還る気になりゃ、あの人あいつ
何時
(
なんどき
)
でもひき取ってくれらあ、それだけは俺が受合う。悪いことは言わねえから、そうしねえ、よ。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
いつ
何時
(
なんどき
)
ほかのお客に呼びつけられるかもしれないのに、それを承知しながら、心からかわいがれるはずがないじゃないか。
地下生活者の手記
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「ちっとやそっとでいてくれりゃ
好
(
い
)
いが、——何しろこう云う景気じゃ、いつ
何時
(
なんどき
)
うちなんぞも、どんな事になるか知れないんだから、——」
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それで客が突然牛乳を持って来て分析試験を請求すれば
何時
(
なんどき
)
でも無代で分析試験に応ずる事になっていますから決して不正な事は出来ません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
レニエ氏も
何時
(
なんどき
)
夏季の旅行に出掛けるか知れないし、
其処
(
そこ
)
へ僕達夫婦が小林萬吾石井柏亭両君と一緒に英国へ遊ぶ日も
三四日
(
さんよつか
)
の
後
(
のち
)
に迫つたので
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
若
(
も
)
し
迂濶
(
うかつ
)
に妨害を加えたらば、彼等は
何時
(
なんどき
)
如何
(
いか
)
なる復讐をするかも知れぬので、何事も殆ど𤢖が為すままに任して置く。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『然うよ。だが
那
(
あ
)
の男の予定位アテにならないものは無いんだ。雷みたいな奴よ、雲次第で
何時
(
なんどき
)
でも鳴り出す……。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
いつ
何時
(
なんどき
)
他の
止宿人
(
ししゅくにん
)
や女中などが通り合わさないとも限りませんから、非常に危険ですけれど、天井裏の通路からでは、絶対にその危険がありません。
屋根裏の散歩者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「よろしゆおま。御膳の支度やつたら
夙
(
とつく
)
に出來たるさかい、
何時
(
なんどき
)
なりと上つとくんなれ。そやけどなあ、御ぜんが濟んだら早うにいんで貰ひまつせ。」
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
なるほど、蛸もあの素晴らしき足の八本を裸のままで見せている事は
真
(
まこと
)
に危険だと私は思った。全く、いつ
何時
(
なんどき
)
、
如何
(
いか
)
なる災難がふりかかるか知れない。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
忙がわしく身づくろいしてみた米友には、今の時刻が、夜には相違ないが、夜の
何時
(
なんどき
)
であるか見当がつきません。
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
生きて居る身はいつ
何時
(
なんどき
)
死ぬかも知れぬから、その死ぬ時に
落付
(
おちつい
)
て静にしようと
云
(
い
)
うのは誰も考えて居ましょう。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
炬燵
(
こたつ
)
の火もいとよし、酒もあたゝめんばかりなるを。時は今
何時
(
なんどき
)
にか、あれ、空に聞ゆるは
上野
(
うへの
)
の鐘ならん。二ツ三ツ四ツ、
八時
(
はちじ
)
か、
否
(
いな
)
、
九時
(
くじ
)
になりけり。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼らは農業者から、家屋と、ほぼ一家を支えるに足る土地を受け、これに対して、
何時
(
なんどき
)
なりとも要求された場合に安い一定の価格で働らく義務を負うている。
人口論:02 第二篇 近代ヨオロッパ諸国における人口に対する妨げについて
(新字新仮名)
/
トマス・ロバート・マルサス
(著)
若い御婦人が
今日
(
きょう
)
ここへ
何時
(
なんどき
)
来られるかもしれないが、その
方
(
かた
)
のために部屋を用意しておいてもらいたい。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
何時
(
なんどき
)
にても
直様
(
すぐさま
)
出発し得られるような境遇に身を置きながら、一向に
巴里
(
パリー
)
を離れず、かえって旅人のような心持で巴里の町々を
彷徨
(
ほうこう
)
している男の話が書いてある。
銀座
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
もう日本の敗北は眼の前に迫っており、「波屋」の復活も「花屋」のトタン張り生活も、いつ
何時
(
なんどき
)
くつがえってしまうかも知れず、私は首を垂れてトボトボ歩いた。
神経
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
口頭
(
こうとう
)
をもって、わたしの母は力の
及
(
およ
)
ぶ限りいつ
何時
(
なんどき
)
でも
奥様
(
おくさま
)
のお役に立ちたいと存じている
旨
(
むね
)
を述べ、十二時過ぎに
御光来
(
ごこうらい
)
をお待ちすると伝えるように言いつけた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
加うるに、薩州長州においては
夷船
(
えびすぶね
)
打ち払い等これあり、公辺においてもいよいよ攘夷御決定との趣にも相聞こえ、内乱
外寇
(
がいこう
)
何時
(
なんどき
)
相発し候儀も計りがたき時節に候。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかも、もし夫人の顔に、ちょっとでも疲れた飽きた色が見えるようなら、
何時
(
なんどき
)
たりとも、すぐさま大急ぎで引きさがって、姿を消してしまう心構えができているのである。
トリスタン
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
いつ
何時
(
なんどき
)
大地震に襲われるかわからぬことを充分心得ていなければならないと思うのである。
地震なまず
(新字新仮名)
/
武者金吉
(著)
いつ
何時
(
なんどき
)
どういうことを書かれるか
解
(
わか
)
らないという不安が全く除かれたわけでもなかった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「二タ月ぐらいは大丈夫と思うが、いつ
何時
(
なんどき
)
どうなるか解らん。二タ月先きに本が着いた時、幸い息が
通
(
かよ
)
っていたにしてもヒクヒクして最う眼が見えないでは何にもならない。」
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
どうか
忰
(
せがれ
)
が中学を卒業する迄首尾よく役所を勤めて居たい、其迄に小金の少しも溜めて、いつ
何時
(
なんどき
)
私に
如何
(
どん
)
な事が有っても、妻子が路頭に迷わぬ程にして置きたいと思うだけだが
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
……ナアニ……ヨタじゃないったら……恐ろしく疑い深い読者だね君は……
虚構
(
うそ
)
だと思うならイツ
何時
(
なんどき
)
でも本人に紹介してやるよ。スグこの向うの七号室に居るのだから訳はない。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
避けたいことはいつ
何時
(
なんどき
)
だつて避けたいのだが、而も事に面前すれば、どうせ理想家の私のこと、どうせへとへとになるまでは打つ衝かることは知れたことだが、まあなんとしても
その一週間:――不真面目なわが心……
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
いつ
何時
(
なんどき
)
意外な現象が飛び出して来るかもわからないのみならず、眼前に起こっている現象の中から一つの「事実」を抽出し、仕留めるには非常な知能の早わざを要するものである。
空想日録
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
いつ
何時
(
なんどき
)
どんなところで
無残
(
むざん
)
ななくなりようをすることやらと、つねづねそればかりを
苦
(
く
)
に
病
(
や
)
んでたのだから、まことにいい終わりようでありましたと
告
(
つ
)
げられて
非常
(
ひじょう
)
によろこんだ。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
時とわずかな費用とさえかければ、一人でならば
何時
(
なんどき
)
だってこういう事はできる。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
議会に関係なき官僚が政府を組織するのでは
何日
(
イツ
)
何時
(
なんどき
)
議会の弾劾を受くるか判らぬ。
随
(
したが
)
って政府の恒久性を失うの不便がある。そこで政党内閣が段々に流行するようになったのである。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
お望み次第、いつ
何時
(
なんどき
)
でも用意の出来ている、今もいう甘ったるい渦巻型の肉饅頭だとか——そう言った料理の、暖めなおしたのや冷たいままのが
次
(
つ
)
ぎ
次
(
つ
)
ぎと運ばれる間に彼は宿屋の下男
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
いよいよそうしようとさえ思えば、
誰
(
たれ
)
も待てといって束縛するもののないのが、ほとんど慰めのようにも思われる。しようとさえ思えば、
何時
(
なんどき
)
でもこの世の
暇
(
いとま
)
を取るに、
差支
(
さしつかえ
)
はないのである。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
何時
(
なんどき
)
ほど眠ったか知らない。軒を伝わる雨垂れの音に、伝二郎が寝返りを打ったときには、雨後の雲間を洩れる月影に畳の目が青く読まれたことを彼は覚えている。もう夜明けまで間があるまい。
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それにしても、もう
何時
(
なんどき
)
だろう?
晩
(
おそ
)
くなるとは言ってきたが、今夜自分が帰らないのを見たら、俺まで庄左衛門の二の舞いをしたものと極めて、横川がまたいつものように腹を立てていはせぬか。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
「だが
御安心
(
ごあんしん
)
は
御無用
(
ごむよう
)
じゃ。いつ
何時
(
なんどき
)
変化
(
へんか
)
があるか
判
(
わか
)
らぬからのう」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
成程
(
なるほど
)
私
(
わたくし
)
の
塾
(
じゆく
)
には
規則
(
きそく
)
と
申
(
まを
)
しても
唯
(
た
)
だ
何時
(
なんどき
)
に
寢
(
ね
)
る、
起
(
おき
)
るといふ
丈
(
だけ
)
で、
其外
(
そのほか
)
に
之
(
これ
)
を
守
(
まも
)
れ、これを
行
(
おこな
)
へといふやうな
命令的
(
めいれいてき
)
の
事
(
こと
)
は
更
(
さら
)
に
申
(
まを
)
さないが、
其
(
そ
)
の
代
(
かは
)
り、
何事
(
なにごと
)
も
自營獨立
(
じえいどくりつ
)
の
精神
(
せいしん
)
を
籠
(
こ
)
めて
遣
(
や
)
つて
貰
(
もら
)
ひたい。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
「僕はいつ
何時
(
なんどき
)
でも自分の姿は絵になって居ると信じて居る。」
金色の死
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「ハア、どうやら目がさめ申した。今、
何時
(
なんどき
)
でごぜえますな?」
日置流系図
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「いや、職工の中へ、ロシアの手が這入り出したんだ。俺は職工係りだから、一番危い所にいるわけだ。いつ
何時
(
なんどき
)
機械の間から、ぽんとやられるかもしれないさ。もうそろそろ、冗談事じゃないんだよ。」
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
夜が更けて行くが、はたして
何時
(
なんどき
)
か分からぬ。
土淵村にての日記
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
「うまい、まずいを言うのじゃない。いつの
幾日
(
いくか
)
にも
何時
(
なんどき
)
にも、
洒落
(
しゃれ
)
にもな、生れてからまだ一度も按摩さんの味を知らないんだよ。」
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
清「旦那静かになせえ証拠のないものは取りに来ません、三千円確かに預かった、
入用
(
にゅうよう
)
の時は
何時
(
なんどき
)
でも
返
(
け
)
えそうという証書があります」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
橋谷はついて来ていた
家隷
(
けらい
)
に、外へ出て
何時
(
なんどき
)
か聞いて来いと言った。家隷は帰って、「しまいの四つだけは聞きましたが、総体の
桴数
(
ばちかず
)
はわかりません」
阿部一族
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
“何時”の意味
《名詞》
(なんじ)一日の時間を24分割する時刻の単位において、不定または疑問を表す。
(出典:Wiktionary)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
時
常用漢字
小2
部首:⽇
10画
“何時”で始まる語句
何時迄
何時頃
何時間
何時何時
何時代
何時比
何時罷
何時々々
何時々分
何時何日