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ねがわくは読者もその意義を読んで、常に同根同生の戦乱や権変けんぺんに禍いさるる華民の友国に寄する理解と関心の一ともしていただきたい。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あいするところ((ノ人))をろんずればすなはもつ(七五)るとせられ、にくところ((ノ人))をろんずれば、すなはもつおのれこころむとせらる。
然らずして、いたづらに聞見をむさぼるのみならば、則ち或はがうちやうじ非をかざらんことを恐る。謂はゆるこうに兵をし、たうりやうするなり、おもんぱかる可し。
みづかとうじ、みづかくわり、みづか其破片そのはへんをツギあはせて、しかうへ研究けんきうみづからもし、きたつて研究けんきうする材料ざいれうにもきやうするにあらざれば——駄目だめだ。
事実の骨子はおおむね『幽室文稿』『吉田松陰伝』より得きたる。その他参照にしたるもの枚挙まいきょいとまあらず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
といふ母や父母のこゑ不平ふへいはモデルにした妹たちや女中までから來た。わたしはすつかり、しよげた。金ねだりにも、母は、さう/\いゝかほは見せなくなつた。
遂に西洋人にすに我を軽侮するのを以てして、彼らをして我に対して同等の観をなさしめざるに至りしは、千歳の遺憾、無窮むきゅうに忘るべからざる所のものなり。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その米塩べいえんはもとより親のひたいの汗から出ているのですけれど、それはみな父親の職業を通してされることで、直接に親のつくった米味噌にやしなわれるのでなく
親子の愛の完成 (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
歐文おうぶん日本歴史にほんれきしくとき、便宜上べんぎじやう日本年紀にほんねんきとも西歴せいれきちうして彼我ひが對照たいせう便べんするは最適當さいてきたう方法はうはふであり、歐文おうぶん歐洲歴史おうしうれきしくとき、西歴せいれきしたがふは勿論もちろんである。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
とは、しんの男子の態度であろう。男もこの点まで思慮しりょが進むと、先きに述べたる宗教のおしうる趣旨にかのうてきて、深沈しんちん重厚じゅうこう磊落らいらく雄豪ゆうごうしつとの撞着どうちゃくが消えてくる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
一歩進めていうと、あなたの地位、あなたの糊口ここう、そんなものは私にとってまるで無意味なのでした。どうでも構わなかったのです。私はそれどころの騒ぎでなかったのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
つたふるところ怪異くわいいしよおほくは徳育とくいくのために、訓戒くんかいのために、寓意ぐういだんじて、勸懲くわんちやうとなすにぎず。けだをしへのために、鬼神きしんわづらはすものなり人意じんいいづくん鬼神きしん好惡かうをさつむや。
怪談会 序 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
いや、たとい米塩べいえんに窮さないにしても、下手は下手なりに創作で押して行こうと云う気が出なかったなら、予は何時いつまでも名誉ある海軍教授の看板を謹んでぶら下げていたかも知れない。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
犯人自身の安全にした事、そして第三は、その怪指紋を当の復讐の相手である川手氏の妹さんの指から盗んで来たこと、つまりそうして最後には殺人罪の嫌疑を悉く被害者自身に転嫁てんかしようと
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ことに政府の新陳しんちん変更へんこうするに当りて、前政府の士人等が自立のを失い、糊口ここうめに新政府に職をほうずるがごときは、世界古今ここん普通のだんにしてごうあやしむに足らず
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「州へ戻って、慕蓉閣下のまえに罪を詫び、また、文官劉高の日ごろの悪と、偽訴の次第を、事つまびらかに申し上げて、治下の秕政ひせいを正す献策けんさくといたしたい」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
藥屋くすりやしゆ寫眞材料店しやしんざいれうてん、名かたかん板のはんダース、現像液げんぞうえきていえきさら、赤色とう、それだけは懇願こんぐわんすゑ母から金をもらつたのだつたが、むねをどらせながら、おし入へもぐりんでかん板を裝置そうちして
けれどこの少年ものちには黒田長政となったである。父官兵衛に伴われて、安土の群臣の前に出ても、また信長に目見得めみえしても、決して卑屈に羞恥はにかんでばかりいなかった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
小学校の費用は、はじめ、これを建つるとき、そのなかばを官よりたすけ、半は市中の富豪より出だして、家を建て書籍しょじゃくを買い、残金は人に貸して利足りそくを取り、永く学校のとなす。
京都学校の記 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
蓴菜じゅんさい、そのほか薬草、食糧、染料などのになる植物などもみな、老公が学問を学問するに止まらず、農民の生活と、藩の生産を考え合せて、実政策に具現したものであった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かの西洋諸国の人民がいわゆる野蛮国なるものを侵して、次第にその土地を奪い、その財産をぎ、他の安楽をてんして自から奉ずるのとなすが如き、その処置、ごうも盗賊に異ならず。
教育の目的 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)