トップ
>
絶望
>
ぜつぼう
ふりがな文庫
“
絶望
(
ぜつぼう
)” の例文
金持
(
かねも
)
ちは、
金色
(
こんじき
)
の
魚
(
うお
)
を
食
(
た
)
べれば、この
病気
(
びょうき
)
がなおるということを
聞
(
き
)
きますと、
絶望
(
ぜつぼう
)
のうちにかすかな
希望
(
きぼう
)
を
認
(
みと
)
めたのであります。
金の魚
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
人びとが
絶望
(
ぜつぼう
)
のさけび声を立てるのを聞きながら、「先生」は平気な、しかしみんなを
傾聴
(
けいちょう
)
させずにおかないような声で言った。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
陸との交通は、まったく
絶望
(
ぜつぼう
)
におわった。しかも
正午
(
ひる
)
すぎになると、潮は見る見るさしはじめて、波はますますあらくなった。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
おかあさんの心は、
絶望
(
ぜつぼう
)
のあまり、いまにもはりさけそうです。
両手
(
りょうて
)
をふりしぼりながら、
訴
(
うった
)
えるように、わが子の名まえを大きな声で呼びあるきました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
三人は、ときどき、ちっとも近くならない土手の方に、ちらっちらっと、
絶望
(
ぜつぼう
)
したような目をなげました。
いぼ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
▼ もっと見る
そう思うと自分はまったく
絶望
(
ぜつぼう
)
してしまった。——それでも自分は、ガラスのかけらで手を
切
(
き
)
らないように
用心
(
ようじん
)
しながら、そろそろとあたりをかき
探
(
さが
)
してみた。
くまと車掌
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
「あゝ、僕あもう
絶望
(
ぜつぼう
)
だよ!」
投出
(
なげだ
)
すやうな
調子
(
てうし
)
で友は云ツた。私の胸は
鉛
(
なまり
)
のやうに
重
(
おも
)
くなツた。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
いよいよ
絶望
(
ぜつぼう
)
と
決
(
きま
)
まった
時
(
とき
)
に、
私
(
わたくし
)
の
許
(
もと
)
へ
夢中
(
むちゅう
)
で
駆
(
か
)
けつけたのが、
例
(
れい
)
のお
附
(
つき
)
の
女中
(
じょちゅう
)
でございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
『いや、
决
(
けつ
)
して
笑
(
わら
)
ふのではないが、
其事
(
そのこと
)
は
心配
(
しんぱい
)
するには
及
(
およ
)
ばぬよ、
奧樣
(
おくさま
)
も
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
も、
私
(
わたし
)
が
生命
(
いのち
)
にかけて
保護
(
ほご
)
して
上
(
あ
)
げる。』と
言
(
い
)
つたが、
亞尼
(
アンニー
)
は
殆
(
ほと
)
んど
絶望
(
ぜつぼう
)
極
(
きはま
)
りなき
顏
(
かほ
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
いまはもう四
面
(
めん
)
楚歌
(
そか
)
だ。
絶望
(
ぜつぼう
)
の胸をいだいて、立ちすくんでしまうよりほかなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「わたしは
真
(
しん
)
善
(
ぜん
)
美
(
び
)
についてかいています。けれどだれもそんなことに耳をかたむけてはくれないので、わたしはまったく
絶望
(
ぜつぼう
)
していますよ。なにしろこれはわたしにはだいじなことなので。」
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
けれどもそれは「あの
人
(
ひと
)
さへも——?」といふ
絶望
(
ぜつぼう
)
を
意味
(
いみ
)
してゐた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
絶望
(
ぜつぼう
)
の
底
(
そこ
)
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
票数
(
ひょうすう
)
がよみあげられ、大統領は富士男と決定した、ドノバンは
絶望
(
ぜつぼう
)
のあまり
面色
(
めんしょく
)
を土のごとくになしてくちびるをかんでいた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
自分
(
じぶん
)
の
体
(
からだ
)
は、どうなってもいいというように、ちょうは、
絶望
(
ぜつぼう
)
のあまり、
深
(
ふか
)
い
考
(
かんが
)
えはなしに、
空高
(
そらたか
)
く、
高
(
たか
)
く、どこまでも
高
(
たか
)
く
舞
(
ま
)
い
上
(
あ
)
がりました。
ちょうと怒濤
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かの女は
絶望
(
ぜつぼう
)
の
表情
(
ひょうじょう
)
で、自分のうちの
焼
(
や
)
け落ちるのを目の前に見ている人のように、ひょうの
降
(
ふ
)
るのをながめていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
『
然
(
しか
)
し、
昨夜
(
さくや
)
の
海嘯
(
つなみ
)
は、
吾等
(
われら
)
一同
(
いちどう
)
を
希望
(
きぼう
)
の
天上
(
てんじやう
)
より、
絶望
(
ぜつぼう
)
の
谷底
(
たにそこ
)
へ
蹴落
(
けおと
)
したと
思
(
おも
)
はれます。』
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
絶望
(
ぜつぼう
)
! 三人は馬から落ちるように草原へおりて、よろよろと
腰
(
こし
)
をついてしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
島のいちばん高いところにひとりの
巨人
(
きょじん
)
が立って、じぶんと島とにふりかかってくるおそろしいわざわいに
絶望
(
ぜつぼう
)
してでもいるように、
両腕
(
りょううで
)
を高くあげているのが、はっきりと見えたからです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
下男
(
げなん
)
は
絶望
(
ぜつぼう
)
のあまり
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
したくなりました。また
糸
(
いと
)
を
巻
(
ま
)
いて、そこからあてなく、すごすごと
歩
(
ある
)
きはじめました。
北の国のはなし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一ヵ月後にサクラ号としるした
船尾
(
せんび
)
の板が、ある海岸に
漂着
(
ひょうちゃく
)
したので、父兄たちはもう捜索の
絶望
(
ぜつぼう
)
を感じた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
このふゆかいな出来事で、しばらくわたしたちの気を転じさせたが、それがすむとまた
圧迫
(
あっぱく
)
と
絶望
(
ぜつぼう
)
におそわれた。それとともに死が近づいたという考えがのしかかってきた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
然
(
しか
)
し、
何事
(
なにごと
)
も
天命
(
てんめい
)
です。けれど
君
(
きみ
)
よ、
决
(
けつ
)
して
絶望
(
ぜつぼう
)
し
玉
(
たま
)
ふな。
吾等
(
われら
)
は
何時
(
いつ
)
か、
非常
(
ひじやう
)
の
幸福
(
かうふく
)
を
得
(
え
)
て、
再
(
ふたゝ
)
び
芙蓉
(
ふよう
)
の
峯
(
みね
)
を
望
(
のぞ
)
む
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ませう——イヤ
確信
(
くわくしん
)
します、
今
(
いま
)
より
三年
(
さんねん
)
の
後
(
のち
)
は
屹度
(
きつと
)
其時
(
そのとき
)
です。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
民部のかんがえ
方
(
かた
)
は、どういう
絶望
(
ぜつぼう
)
の
壁
(
へき
)
に
打
(
ぶ
)
つかっても、けっして
狂
(
くる
)
うことがなかった。
情熱
(
じょうねつ
)
の一方に走りがちな
蔦之助
(
つたのすけ
)
や
小文治
(
こぶんじ
)
は、それに、
反省
(
はんせい
)
されはげまされて、ふたたび馬の
背
(
せ
)
にとび乗った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いまさらどうしようもない。この
冬
(
ふゆ
)
の
海
(
うみ
)
に
船
(
ふね
)
を
出
(
だ
)
されるものでなし、
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
うこともできないではないか。」と、あるものは、
絶望
(
ぜつぼう
)
しながらいいました。
黒い人と赤いそり
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
絶望
(
ぜつぼう
)
絶叫
(
ぜっきょう
)
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
このもっともらしく
聞
(
き
)
こえた、
先生
(
せんせい
)
の
言葉
(
ことば
)
は、
秀吉
(
ひできち
)
を
真
(
ま
)
っ
暗
(
くら
)
な
絶望
(
ぜつぼう
)
へつき
落
(
お
)
としました。
しいたげられた天才
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「そんなら、どこへいったら
釣
(
つ
)
れましょうか。」と、
下男
(
げなん
)
は、
絶望
(
ぜつぼう
)
して
問
(
と
)
いました。
北の国のはなし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「どうして、こんなところへ、だれが
柱
(
はしら
)
を
建
(
た
)
てたろう。」と、
弟
(
おとうと
)
は、
感心
(
かんしん
)
しながら、すごすごと
家
(
いえ
)
へ
帰
(
かえ
)
ってきました。すると、
兄
(
あに
)
が、やはり
星
(
ほし
)
を
数
(
かぞ
)
えることに
絶望
(
ぜつぼう
)
をして、ため
息
(
いき
)
をもらしていました。
星と柱を数えたら
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そう
考
(
かんが
)
えると、
彼
(
かれ
)
は、
絶望
(
ぜつぼう
)
を
感
(
かん
)
ずるより、ほかにはないのでした。
さかずきの輪廻
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
やせた
女
(
おんな
)
は、
絶望
(
ぜつぼう
)
して、ため
息
(
いき
)
をついていました。
星の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“絶望”の解説
絶望(ぜつぼう)とは、希望のない様子を指す。英語ではディスペア(en: Despair)。
(出典:Wikipedia)
絶
常用漢字
小5
部首:⽷
12画
望
常用漢字
小4
部首:⽉
11画
“絶望”で始まる語句
絶望的
絶望気味