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生茂
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おひしげ
ふりがな文庫
“
生茂
(
おひしげ
)” の例文
早めて
歩行
(
あゆめ
)
ども夏の夜の
更
(
ふけ
)
易
(
やす
)
く早
五時過
(
いつゝすぎ
)
とも成し頃名に聞えたる坂東太郎の
川波
(
かはなみ
)
音高く
岸邊
(
きしべ
)
に
戰
(
そよ
)
ぐ
蘆
(
あし
)
茅
(
かや
)
は
人丈
(
ひとたけ
)
よりも高々と
生茂
(
おひしげ
)
り
最
(
いと
)
長
(
なが
)
き
堤
(
つゝみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
老樹鬱蒼として
生茂
(
おひしげ
)
る
山王
(
さんわう
)
の
勝地
(
しようち
)
は、其の翠緑を反映せしむべき麓の
溜池
(
ためいけ
)
あつて初めて完全なる
山水
(
さんすゐ
)
の妙趣を示すのである。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
空濠
(
からぼり
)
と
云
(
い
)
ふではない、が、
天守
(
てんしゆ
)
に
向
(
むか
)
つた
大手
(
おほて
)
の
跡
(
あと
)
の、
左右
(
さいう
)
に
連
(
つら
)
なる
石垣
(
いしがき
)
こそまだ
高
(
たか
)
いが、
岸
(
きし
)
が
浅
(
あさ
)
く、
段々
(
だん/\
)
に
埋
(
うも
)
れて、
土堤
(
どて
)
を
掛
(
か
)
けて
道
(
みち
)
を
包
(
つゝ
)
むまで
蘆
(
あし
)
が
森
(
もり
)
をなして
生茂
(
おひしげ
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
只
看
(
み
)
る、宮は行き行きて
生茂
(
おひしげ
)
る柳の暗きに分入りたる、
入水
(
じゆすい
)
の覚悟に
極
(
きはま
)
れりと、貫一は必死の声を
搾
(
しぼ
)
りて
連
(
しきり
)
に呼べば、
咳入
(
せきい
)
り咳入り
数口
(
すうこう
)
の
咯血
(
かつけつ
)
、
斑爛
(
はんらん
)
として地に
委
(
お
)
ちたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
荻
(
をぎ
)
一四六
尾花のたけ人よりもたかく
生茂
(
おひしげ
)
り、露は時雨めきて降りこぼれたるに、
一四七
三つの
径
(
みち
)
さへわからざる中に、堂閣の戸
右左
(
みぎひだり
)
に
頽
(
たふ
)
れ、
方丈
(
はうぢやう
)
一四八
庫裏
(
くり
)
に
縁
(
めぐ
)
りたる
廊
(
らう
)
も
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
▼ もっと見る
無花果
(
いちじく
)
や
芭蕉
(
ばせう
)
が
苔
(
こけ
)
むす
泉
(
いづみ
)
のほとりに
生茂
(
おひしげ
)
つて
居
(
ゐ
)
るのである。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
よき
驛
(
しゆく
)
なりしならん大きな宿屋
荒果
(
あれはて
)
て
憐
(
あはれ
)
なり
此
(
こゝ
)
に木曾義仲
馬洗
(
うまあらひ
)
の水といふ有りといへど見ず例の露伴子愛着の美人も尋ねずわづかに痩馬に一息させしのみにて亦驅け
出
(
いだ
)
す此宿より
美濃
(
みの
)
の
國境
(
くにさかひ
)
馬籠
(
まごめ
)
までの間の十三宿が即ち木曾と總稱する所なり誠に木曾に
入
(
い
)
りしだけありて
此
(
これ
)
より
景色
(
けいしよく
)
凡ならず谷深く山聳へ岩に觸るゝ水
生茂
(
おひしげ
)
る木皆な新たに生面を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
片側町
(
かたかはまち
)
なる
坂町
(
さかまち
)
は
軒並
(
のきなみ
)
に
鎖
(
とざ
)
して、
何処
(
いづこ
)
に
隙洩
(
すきも
)
る
火影
(
ひかげ
)
も見えず、旧砲兵営の
外柵
(
がいさく
)
に
生茂
(
おひしげ
)
る
群松
(
むらまつ
)
は
颯々
(
さつさつ
)
の響を
作
(
な
)
して、その
下道
(
したみち
)
の
小暗
(
をぐら
)
き空に
五位鷺
(
ごいさぎ
)
の
魂切
(
たまき
)
る声消えて、夜色愁ふるが如く
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
路
(
みち
)
は
此処
(
こゝ
)
で二
条
(
すぢ
)
になつて、一
条
(
すぢ
)
はこれから
直
(
す
)
ぐに
坂
(
さか
)
になつて
上
(
のぼ
)
りも
急
(
きふ
)
なり、
草
(
くさ
)
も
両方
(
りやうはう
)
から
生茂
(
おひしげ
)
つたのが、
路傍
(
みちばた
)
の
其
(
そ
)
の
角
(
かど
)
の
処
(
ところ
)
にある、
其
(
それ
)
こそ四
抱
(
かゝへ
)
さうさな、五
抱
(
かゝへ
)
もあらうといふ一
本
(
ぽん
)
の
檜
(
ひのき
)
の
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
洗ふ
波音
(
なみおと
)
高
(
たか
)
く左りは
草木
(
くさき
)
生茂
(
おひしげ
)
りし鈴ヶ森の御仕置場にして
物凄
(
ものすご
)
き事云ふばかりなし然れども
孝行
(
かうかう
)
の一心より
何卒
(
なにとぞ
)
父
(
ちゝ
)
の骨を
探
(
さが
)
し求め
故郷
(
こきやう
)
へ持歸りて母に見せんと
御所刑場
(
おしおきば
)
の中へ
分入
(
わけいり
)
那方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
見渡すかぎり
生茂
(
おひしげ
)
つた
蘆
(
あし
)
のしげみに夕風の騒ぐ音や、水禽の鋭く鳴く声。
来訪者
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
緑
濃
(
こまや
)
かに
生茂
(
おひしげ
)
れる庭の木々の
軽々
(
ほのか
)
なる
燥気
(
いきれ
)
と、近き
辺
(
あたり
)
に有りと有る花の
薫
(
かをり
)
とを
打雑
(
うちま
)
ぜたる夏の初の大気は、
太
(
はなは
)
だ
慢
(
ゆる
)
く動きて、その間に
旁午
(
ぼうご
)
する
玄鳥
(
つばくら
)
の声
朗
(
ほがらか
)
に、
幾度
(
いくたび
)
か返しては
遂
(
つひ
)
に往きける跡の
垣穂
(
かきほ
)
の
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ぞ
籠
(
こめ
)
たりける此所は名に
負
(
おふ
)
周智郡
(
すちごほり
)
大日山の
續
(
つゞ
)
き秋葉山の
絶頂
(
ぜつちやう
)
なれば
大樹
(
だいじゆ
)
高木
(
かうぼく
)
生茂
(
おひしげ
)
り晝さへ
暗
(
くら
)
き
木下闇
(
このしたやみ
)
夜は猶さらに月
暗
(
くら
)
く
森々
(
しん/\
)
として
更行
(
ふけゆく
)
樣に如何にも
天魔
(
てんま
)
邪神
(
じやしん
)
の
棲巣
(
すみか
)
とも云べき
峯
(
みね
)
には
猿猴
(
ましら
)
の木傳ふ聲谷には流水
滔々
(
たう/\
)
と
而
(
して
)
木魂
(
こだま
)
に
響
(
ひゞき
)
遠寺
(
ゑんじ
)
の
鐘
(
かね
)
も
最
(
いと
)
物
凄
(
すご
)
く遙に聞ば
野路
(
のぢ
)
の
狼
(
おほかみ
)
吼
(
ほえ
)
て青嵐
颯々
(
さつ/\
)
と
梢
(
こずゑ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
茂
常用漢字
中学
部首:⾋
8画
“生”で始まる語句
生
生命
生憎
生活
生涯
生々
生垣
生物
生温
生死