“木樵:きこり” の例文
“木樵:きこり”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治8
泉鏡花7
宮沢賢治4
柳田国男3
中里介山3
“木樵:きこり”を含む作品のジャンル比率
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 伝説・民話[昔話]13.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
炭焼や、木樵きこりや、見知らぬ者に会っても、粂之介はすぐお道化どけた。山中なので、怖がってみんな逃げ出してしまう。
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
してみれば、これは侍だ。農工商、或いは山方やまかたへ出入りの木樵きこり炭焼すみやきで、詩を吟じて歩くようなものはないはず。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ときどき気がくるって渓流のなかへ飛びんではののしりわめいているという木樵きこりの妻とその小娘の話
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
そこで木樵きこりはすぐ白犬と斑犬ぶちいぬとを、両方のわきにかかえたまま、黒犬の背中に跨って、大きな声でこう云いつけました。
犬と笛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
三国ヶ嶽のふもとに、木樵きこり猟人かりうどのみ知る無蓋自然の温泉いでゆで、里の人は呼んで猿の湯という。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
鉄砲を持っている男は猟師りょうしらしいし、野差刀のざしを横たえているのは木樵きこりと見てさしつかえない。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昔、大和やまとの国葛城山かつらぎやまの麓に、髪長彦かみながひこという若い木樵きこりが住んでいました。
犬と笛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
苗字みょうじのないという子がいるので聞いてみると木樵きこりの子だからと言って村の人は当然な顔をしている。
城のある町にて (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
貴下あなたいささか目を離しましたわずかひまに、何処どこか姿が見えなくなって、木樵きこりが来て、点燈頃ひともしごろ
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
多摩川たまがわべりになった調布ちょうふの在に、巳之吉みのきちという若い木樵きこりがいた。
雪女 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
紀州の高野こうやの麓の鞆淵ともぶち村あたりでは、昔木樵きこりがあって三人の男の子を持っていた。
山男はひとりでこんなことを言ひながら、どうやら一人ひとりまへの木樵きこりのかたちに化けました。
山男の四月 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
山男はひとりでこんなことを言いながら、どうやら一人ひとりまえの木樵きこりのかたちに化けました。
山男の四月 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
孫晋泰君の集めた朝鮮民譚みんたん集七四頁に、木樵きこりが山中で追われて来た鹿を救うと、それは山神の鹿の姿をしているのだったという話がある。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
形は山賤やまがつ木樵きこりにして、つばさあり、おもて烏天狗からすてんぐなり。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは一八二四年にアルダンの一人の木樵きこりがすばらしく大きな一本の樫の木を伐り倒した。
木樵きこり草苅くさかり狩人かりうどの群が、解しかつ信じていた空想は粗野であった。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
山深い尼寺に、尼よりもさびしく暮していたが、いつか木樵きこりや里の者も、素性を知って、
船頭せんどう馬方うまかた木樵きこり機業場はたおりば女工ぢよこうなど、あるがなかに、木挽こびきうたうたはなかつた。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一番奥まった大きな小屋で、木樵きこり稼業で日本を渡り歩く四十男とその女房が、登山者の来訪にけげんなひとみを向けながら菜っ葉のつけものでお茶をすすめてくれた。
二つの松川 (新字新仮名) / 細井吉造(著)
そこは山のなかの寒村で、村は百姓と木樵きこりで、養蚕ようさんなどもしていた。
城のある町にて (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
これは木樵きこりではありません。あたりまえのお百姓が農閑を見はからって、自分の持山か、或いは人の持山から上木うわきを買取って、それをこなしているだけのものです。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あたりはかなり深い山懐で、木樵きこりも見かけず、猟師にさえ会わなかった。
彼はコネティカット州の生れだったが、その州はアメリカじゅうに森林の開拓者はもちろん学問の開拓者も供給し、毎年大ぜいの木樵きこりを辺境におくり、教師を田舎に出している。
しかし人の通らぬ処と見えて、旅人にも会わねば木樵きこりにもわぬ。
くだもの (新字新仮名) / 正岡子規(著)
役人と、役人の周囲にいる木樵きこり、百姓が、一時に、女狩の顔をみた。
三人の相馬大作 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「おかみさん、おまえの家は、この辺のお百姓か、それとも木樵きこりか」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
近くは天明の初年に、上州伊香保いかほ木樵きこり、海尊に伝授を受けたと称して、下駄灸げたきゅうという療治を行ったことが、『翁草おきなぐさ』の巻百三十五にも見えている。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
根雪ねゆきになると彼れは妻子を残して木樵きこりに出かけた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
藤吉郎は、足軽や附近の木樵きこり百姓などを督励して、各〻に三尺ほどにらせた縄束なわたばを持たせ、買入れの契約をした山一帯の樹木の根に一筋ずつその縄を結い付けさせていた。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その時谷地の南の方から一人の木樵きこりがやって来ました。
土神と狐 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
その時谷地の南の方から一人の木樵きこりがやって来ました。
土神ときつね (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
とぼ/\と辿たどるうち、人間の木樵きこりつた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あたかもそこへ来かかった木樵きこりにたのんで、赤児を木の上から取りおろしてもらって、ともかくもここまで抱いてきたが、長い旅をする尼僧の身で、乳飲み子をたずさえていては甚だ難儀である。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そういう僧侶らしい者だの、木樵きこりだの、百姓だのが、
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
岩蔭からころがり出した猟師の惣太。一行はきっと足をとどめて、従卒は鉄砲の筒を向けてみましたが、用心するほどの者ではない、いやしげな木樵きこり山がつのたぐいがたった一人。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
けれども木樵きこりには土神の形は見えなかったのです。
土神と狐 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「あの村には、木樵きこりか百姓しかいねえはずだに」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
谷間に繁る森の中、木樵きこりの群の丁々の
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
「それを申上度さ、それにお鳥殿に逢い度いばかりに、五年の間、岩吉という木樵きこりを尋ね、源太夫という軽業師を尋ねて、中仙道から、北陸、東海道は申すに及ばず、京へも大阪へも、奥州までも経廻りました」
裸身の女仙 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
横になる間もなく月が出た。その月の光が四辺あたりに拡がったかと思うと、その光の中から湧いて出たように黒い影が現れた。木樵きこりらしい男だった。その男は周章あわてたようにして怪量の傍へった。
轆轤首 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
木挽こびき木樵きこりる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それは木樵きこりでありました。
どんたく:絵入り小唄集 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
しかし山に生れて山に活きて山に死ぬという山賤が必要ならば、必ずしも炭焼のみでなく、たまには木樵きこり猟人かりうどがその光る石の所在を知っておってもよかりそうに思われるが、それが必ず炭焼であるには理由がある。
ただの百姓家か木樵きこりの小屋でもあれば、暫時ざんじの休息も頼めるし、稗粥ひえがゆの無心ぐらいはきいてもくれるであろうが、旅人を相手に商売している茶店では、一ぱいの茶も、茶代をおかずに立つわけにはゆかない。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わか木樵きこり
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
いいえね、竜宮の乙姫てえ素ばらしいのだって、蜈蚣むかでにゃあかないませんや、瀬多の橋へあらわれりゃ、尋常の女でしょう、山の主が梅干になって、木樵きこりめられたという昔話がありますッてね、争われねえもんです。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さっき居合せた者も皆そうじゃ。蛟龍こうりょうも時を得ざれば空しくふちに潜むでな、みな木樵きこりをしたり、この山で、薬草採りなどして生計たつきをたてているが、時到れば、鉢の木の佐野源左衛門じゃないが、この山刀一腰ひとこし
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ころころとさいげるおと木樵きこりみゝひゞくとやら風説ふうせつするで。天守てんしゆにも主人あるじがあれば双六巌すごろくいはにもぬしまう……どちらも膚合はだあひおな魔物まもの
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
藩のお抱士かかえともおぼえず、浪人という肌合はだあいではなし、何しろそまつな手織木綿ておりもめんの衣服で、しかも袖の形も一般の武家とは違い、はかまの下は脚絆きゃはん草鞋わらじで、腰の大小を斧と差しかえれば、たしかに木樵きこりと間違えます。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山の麓の隅の隅が、山扁のぐうといった僻地へきちで……以前は、里からではようやく木樵きこりが通いますくらい、まるで人跡絶えたといった交通の不便な処でございましてな、地図をちょっと御覧なすっても分りますが、絶所、悪路の記号という、あのパチパチッとした線香花火が
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おそらくは季房が、木樵きこりや炭焼き小屋をうかがっては、持ちあわせの物代ものしろを食にえて来たり、野葡萄のぶどうだのあけびのツルなども曳いて、かつて九重ここのえの大膳寮では見もされぬ奇異な物も、かしわの葉にせて供御くごに差し上げたのではあるまいか。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは山から黄金を発見したというところから、山を渡世の炭焼が最もふさわしい事であるという意味もあろうが、もし山稼ぎが必要とならば、たまには木樵きこり猟人かりうどがあっても、或いは時に山越えの途に迷った商人が偶然発見した場合があってもよさそうに思われるが、それが必ず炭焼であるから面白い。