“きこり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
樵夫57.4%
木樵34.1%
3.9%
樵人1.6%
伐材0.8%
杣夫0.8%
樵務0.8%
樵者0.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかるに某日あるひのこと、樵夫きこりが山稼ぎに出かけると、の虎ヶ窟の中から白い煙の細くあがるのを見た。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そこへね、むくむくと動いて葉を分けて、ざわざわと枝を踏んで、樵夫きこりが出て来た。花咲爺のにあるような、ああ、
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
炭焼や、木樵きこりや、見知らぬ者に会っても、粂之介はすぐお道化どけた。山中なので、怖がってみんな逃げ出してしまう。
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
してみれば、これは侍だ。農工商、或いは山方やまかたへ出入りの木樵きこり炭焼すみやきで、詩を吟じて歩くようなものはないはず。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
日がよほど昇ってから、柴を背負って麓へ降りる、ほかのきこりが通りかかって、「お前も大夫のところの奴か、柴は日に何荷苅るのか」と問うた。
山椒大夫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
このやうな、いはば革命を暗示するやうな悲痛な動揺が、已に収穫とりいれの終つた藁屋根の下でも、きこり小屋の前でも、山峡やまかひの路上でも電波のやうに移つていつた。
村のひと騒ぎ (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
熊かの人に向い我汝を抱きて疲れたり暫くやすむ間番せよとてねむる、大虫樵人きこりに向い汝いかにするも樹上に永くとどまり得じその熊をき落せ我うて去らんと言う
このあたりの樵人きこりは、おもにモイ族とか、安南人を使つてゐたが、みんなマラリヤを怖れて、募集の布告を出しても、仲々あつまりが悪く、富岡は率先して、自分で、苦力をつのつてチャンボウへ何日も出掛けて行つたものだつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
眼の下の谷に部落があり、三四十軒の家が立っていた。農業と伐材きこりとを稼業なりわいとしているらしい、その部落のそれらの家々は、小さくもあれば低くもありして、貧弱みすぼらしかった。
鸚鵡蔵代首伝説 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「こいつは商売、今じゃア、木をる人間のいるところは、へえ——臭いで判ります、な、木と云えば、祖父の代から木と暮して来てましたね、はじめが山師、次が杣夫きこり、それからこういう鋸の目立て商売にまで成りさがって、だけんど、——失礼ながら、木のことについちゃアこちらがお師匠さまだ、はっはっは……」
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
言って見れば、この地方の遠いいにしえは山にたよって樵務きこりを業とする杣人そまびと、切り畑焼き畑を開いてひえ蕎麦そば等の雑穀を植える山賤やまがつ、あるいは馬を山林に放牧する人たちなぞが、あちこちの谷間たにあいに煙を立てて住む世界であったろう。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
敵は倒れぬ、——山上に樵者きこり新にがれたる
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)