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是丈
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これだけ
ふりがな文庫
“
是丈
(
これだけ
)” の例文
吾儕
(
われ/\
)
の
事業
(
しごと
)
が
是丈
(
これだけ
)
に揚つて来たのも、一つは君の御骨折からだ。斯うして君が居て下さるんで、
奈何
(
どんな
)
にか我輩も心強いか知れない。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
書附けると云う馬鹿はせぬなら、此曲者は無論藻西で無いと思わねばならぬ、
是丈
(
これだけ
)
は誰も異存の無い所だから、此
断案
(
だんあん
)
は両君何と下さるゝか
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
其辺は営業上の関係で、著作者たる余には何等の影響もない事だから、それも
善
(
よ
)
かろうと同意して、
先
(
ま
)
ず
是丈
(
これだけ
)
を中篇として発行する事にした。
『吾輩は猫である』中篇自序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私
(
わたくし
)
の
思
(
おも
)
ふには、
是丈
(
これだけ
)
の
錢
(
ぜに
)
を
費
(
つか
)
ふのなら、
遣
(
や
)
り
方
(
かた
)
をさへ
換
(
か
)
へれば、
此
(
こゝ
)
に二つの
模範的
(
もはんてき
)
の
病院
(
びやうゐん
)
を
維持
(
ゐぢ
)
する
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ると
思
(
おも
)
ひます。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
或
(
ある
)
評家は胡麻塩頭のアカデミシヤンが
是丈
(
これだけ
)
涙つぽい戯曲を書いた事は近頃の成功だと
半
(
なかば
)
冷笑的ではあるが
讃
(
ほ
)
めて居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
今こそ、予に残っているものは、唯一つ“創作の歓び”
是丈
(
これだけ
)
だ。予は最後の宝玉を、(然も自分の血液に等しく、死を以っても手放すことは出来ぬ宝玉を)
青べか日記:――吾が生活 し・さ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
是丈
(
これだけ
)
揚
(
あが
)
ったって手習丈の物はなくても宜いから無闇に手間賃を出してお遣んなさいよ
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
是丈
(
これだけ
)
は本当の事だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
頁が足らんからと云うて、おいそれと
甕
(
かめ
)
から
這
(
は
)
い上る様では猫の
沽券
(
こけん
)
にも関わる事だから
是丈
(
これだけ
)
は
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
ることに致した。
『吾輩は猫である』下篇自序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
随分
如何
(
いかゞ
)
はしい
飜刻物
(
ほんこくもの
)
も
混
(
まじ
)
つて居るが、
是丈
(
これだけ
)
多数に蒐集せられた
処
(
ところ
)
は英仏は勿論本国の日本にも無い事である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
『
外部
(
ぐわいぶ
)
だとか、
内部
(
ないぶ
)
だとか……。いや
私
(
わたくし
)
には
然云
(
さうい
)
ふ
事
(
こと
)
は
少
(
すこ
)
しも
解
(
わか
)
らんです。
私
(
わたくし
)
の
知
(
し
)
つてゐる
事
(
こと
)
は
唯
(
たゞ
)
是丈
(
これだけ
)
です。』と、
彼
(
かれ
)
は
立上
(
たちあが
)
り、
怒
(
おこ
)
つた
眼
(
め
)
で
院長
(
ゐんちやう
)
を
睨
(
にら
)
み
付
(
つ
)
ける。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
夫婦
(
ふうふ
)
と
坂井
(
さかゐ
)
とは
泥棒
(
どろぼう
)
の
這入
(
はい
)
らない
前
(
まへ
)
より、
是丈
(
これだけ
)
親
(
した
)
しみの
度
(
ど
)
が
増
(
ま
)
した
樣
(
やう
)
なものゝ、それ
以上
(
いじやう
)
に
接近
(
せつきん
)
しやうと
云
(
い
)
ふ
念
(
ねん
)
は、
宗助
(
そうすけ
)
の
頭
(
あたま
)
にも
御米
(
およね
)
の
胸
(
むね
)
にも
宿
(
やど
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
試みに
此
(
この
)
日本
街
(
まち
)
に
入
(
はひ
)
つて見るなら、彼等の微力で
以
(
もつ
)
て善く
是丈
(
これだけ
)
の日本品を取寄せ、不自由な材料を
以
(
もつ
)
て
巧
(
たくみ
)
に日本風の設備を為し得た事だと誰も感じるであらう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
君
(
きみ
)
は
彼等
(
かれら
)
を
信
(
しん
)
じなさるな。
嘘
(
うそ
)
なのです。
私
(
わたし
)
の
病氣
(
びやうき
)
と
云
(
い
)
ふのは
抑
(
そも/\
)
恁
(
か
)
うなのです。二十
年來
(
ねんらい
)
、
私
(
わたし
)
は
此
(
こ
)
の
町
(
まち
)
にゐて
唯
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
の
智者
(
ちしや
)
に
遇
(
あ
)
つた。
所
(
ところ
)
が
其
(
そ
)
れは
狂人
(
きちがひ
)
で
有
(
あ
)
ると
云
(
い
)
ふ、
是丈
(
これだけ
)
の
事實
(
じゝつ
)
です。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
余は出版の時機に
後
(
おく
)
れないで、病中の君の為に、「土」に就いて
是丈
(
これだけ
)
の事を言い得たのを喜こぶのである。
『土』に就て:長塚節著『土』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もしトライチケの名がニーチエやヘーゲルと同じ意味に於て此戦争の
引合
(
ひきあひ
)
に出るならば、自分は少なくとも
是丈
(
これだけ
)
の
事
(
こと
)
を
頭
(
あたま
)
のうちに入れて置く方が便利だと考へる。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
実
(
じつ
)
を云ふと、二百円は代助に取つて
中途半端
(
ちうとはんぱ
)
な
額
(
たか
)
であつた。
是丈
(
これだけ
)
呉れるなら、
一層
(
いつそ
)
思ひ切つて、
此方
(
こつち
)
の
強請
(
ねだ
)
つた通りにして、満足を買へばいゝにと云ふ気も
出
(
で
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
然
(
しか
)
し自分の考ではもう少し書いた上でと思って居たが、
書肆
(
しょし
)
が
頻
(
しき
)
りに催促をするのと、多忙で意の
如
(
ごと
)
く稿を
続
(
つ
)
ぐ余暇がないので、差し当り
是丈
(
これだけ
)
を出版する事にした。
『吾輩は猫である』上篇自序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
是丈
(
これだけ
)
の関係を明かにすると、自分の癖として、又根本問題に立ち返つて、質問が
起
(
おこ
)
したくなる。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さうして
其中
(
そのなか
)
へ
細長
(
ほそなが
)
い
針
(
はり
)
の
樣
(
やう
)
なものを
刺
(
さ
)
し
通
(
とほ
)
しては、
其先
(
そのさき
)
を
嗅
(
か
)
いでゐたが、
仕舞
(
しまひ
)
に
糸
(
いと
)
程
(
ほど
)
な
筋
(
すぢ
)
を
引
(
ひ
)
き
出
(
だ
)
して、
神經
(
しんけい
)
が
是丈
(
これだけ
)
取
(
と
)
れましたと
云
(
い
)
ひながら、それを
宗助
(
そうすけ
)
に
見
(
み
)
せて
呉
(
く
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「然し
是丈
(
これだけ
)
ぢや、まだ風説ぢやないか。
愈
(
いよいよ
)
発表になつて見なければ
分
(
わか
)
らないのだから」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
男丈
(
をとこだけ
)
に
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
つて
仕舞
(
しま
)
つた。けれども
是丈
(
これだけ
)
では
御米
(
およね
)
の
心
(
こゝろ
)
を
盡
(
つく
)
してゐなかつた。
御米
(
およね
)
は
返事
(
へんじ
)
もせずに、しばらく
默
(
だま
)
つてゐたが、
細
(
ほそ
)
い
腮
(
あご
)
を
襟
(
えり
)
の
中
(
なか
)
へ
埋
(
う
)
めた
儘
(
まゝ
)
、
上眼
(
うはめ
)
を
使
(
つか
)
つて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分は
点頭録
(
てんとうろく
)
の最初に
是丈
(
これだけ
)
の事を云つて置かないと気が済まなくなつた。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
傾向小説、理想小説、浪漫派小説、写実派小説、自然派小説
抔
(
など
)
と云うのは、皆在来の述作を材料として、其著るしき特色を認めるに従って
之
(
これ
)
を分類した
迄
(
まで
)
である。種類は
是丈
(
これだけ
)
で尽きたとは云えぬ。
高浜虚子著『鶏頭』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
虚子の小説を評するに
方
(
あた
)
っては
是丈
(
これだけ
)
の事を述べる必要があると思う。
高浜虚子著『鶏頭』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
所謂
(
いわゆる
)
二種の小説とは、余裕のある小説と、余裕のない小説である。ただ
是丈
(
これだけ
)
では
殆
(
ほと
)
んど要領を得ない。のみならず言句にまつわると
褒貶
(
ほうへん
)
の意を
寓
(
ぐう
)
してあるかの様にも聞える。かたがた説明の要がある。
高浜虚子著『鶏頭』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
是
常用漢字
中学
部首:⽇
9画
丈
常用漢字
中学
部首:⼀
3画
“是”で始まる語句
是
是非
是等
是方
是迄
是程
是々
是処
是認
是限