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新道
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しんみち
ふりがな文庫
“
新道
(
しんみち
)” の例文
茶店の
縁
(
えん
)
に腰を掛けて、渋茶を飲みながら評議をした。……春日野の
新道
(
しんみち
)
一条
(
ひとすじ
)
、
勿論
(
もちろん
)
不可
(
いけな
)
い。
湯
(
ゆ
)
の
尾
(
お
)
峠にかかる山越え、それも
覚束
(
おぼつか
)
ない。
栃の実
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
出が
道明
(
どうみょう
)
ゆえ厭かは知らねど類のないのを着て下されとの
心中立
(
しんじゅうだ
)
てこの冬吉に似た冬吉がよそにも出来まいものでもないと
新道
(
しんみち
)
一面に気を
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
押しつまって何となく
慌
(
あわただ
)
しい気持のするある日、正月の
紋附
(
もんつき
)
などを取りに行くと言って、柳吉は
梅田
(
うめだ
)
新道
(
しんみち
)
の家へ出掛けて行った。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
深川の
妓家
(
ぎか
)
、
新道
(
しんみち
)
の
妾宅
(
しょうたく
)
、路地の貧家等は皆模様風なる
布置
(
ふち
)
構図の
中
(
うち
)
自
(
おのずか
)
ら
可憐
(
かれん
)
の情趣を感ぜしむ。試みに二、三の例を挙げんか。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
云號
(
いひなづけ
)
と思ひ居る事の
嬉敷
(
うれしく
)
は思へども利兵衞殿の
心底
(
しんてい
)
變
(
かは
)
りなければお菊に
逢
(
あふ
)
まじと云をお竹は
無理
(
むり
)
に吉三郎を
連來
(
つれきた
)
り今度は
新道
(
しんみち
)
へ廻り
庭口
(
にはぐち
)
の切戸を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
本通りのむこう側の
新道
(
しんみち
)
にある「天松」という店の、本格的なてんぷら屋のものであるが、とらとてんぷらの関係については、のちに記すとしよう。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
うちしめった秋らしい空気の中を岸本はバビロン
新道
(
しんみち
)
の方へ引返して行った。丁度宿の前あたりで野外の画作を終って帰って来る牧野と一緒に成った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お菓子屋
新道
(
しんみち
)
をそうなまって言っているのだろうと勝手に思い込んでいたが、ずっと後になって、お菓子屋人(お菓子屋さん)の道というのだと知らされた。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
それは此間から
新道
(
しんみち
)
で見料を取つて見せてゐる大きい
鰐
(
わに
)
を見に行きたいと云ふのである。夫は外国旅行をする筈で、もう汽車の切符を買つて隠しに入れてゐる。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
車屋の黒のように横丁の
肴屋
(
さかなや
)
まで遠征をする気力はないし、
新道
(
しんみち
)
の
二絃琴
(
にげんきん
)
の師匠の
所
(
とこ
)
の
三毛
(
みけ
)
のように
贅沢
(
ぜいたく
)
は無論云える身分でない。従って存外
嫌
(
きらい
)
は少ない方だ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あの
女
(
ひと
)
もだけれど、
新道
(
しんみち
)
の
李嬌
(
りきょう
)
さんなぞも、向うから旦那に首ッたけだって噂じゃありませんか」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
某化粧品屋の特製とかで(この間福岡の
新道
(
しんみち
)
で只一個見かけたが、価格は四円五十銭と云った。安くなったと見える。しかも、その後二三日して行って見たら売れていた)
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
宅
(
うち
)
の旦那には女ばかりじゃアねえ男が惚れやすが、堅いからねえ、
何
(
ど
)
うとかして連れて
往
(
ゆ
)
きましょう、
私
(
わっち
)
が旦那を連れて
新道
(
しんみち
)
を通る時、お前さんが森さんお寄んないと云うと
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
まだ
鐘撞堂
(
かねつきどう
)
新道
(
しんみち
)
の相模屋にいるはずだが、そうだとすれば今晩もここへ
稼
(
かせ
)
ぎに出ているかも知れない、と思って米友は、河岸の柳の蔭、夜鷹の掛小屋をいちいち
覗
(
のぞ
)
いて歩きました。
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
本八丁堀屋根屋
新道
(
しんみち
)
、
隠密
(
おんみつ
)
まわり
税所邦之助
(
さいしょくにのすけ
)
の役宅へ呼ばれて、この花の一件をしかとおおせつかったいろは屋文次、かしこまりましたと立派にお受けして引きさがりはしたものの
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それから
少許
(
すこし
)
行くと、大沢河原から稲田を横ぎつて一文字に、幅広い
新道
(
しんみち
)
が出来て居て、これに隣り合つた見すぼらしい
小路
(
こうじ
)
、——自分の極く親しくした藻外といふ友の下宿の前へ出る道は
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
新道
(
しんみち
)
の
置土
(
おきつち
)
かわく
菫
(
すみれ
)
かな 里東
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
新道
(
しんみち
)
を
抜
(
ぬ
)
けては
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
蝶子は器量よしの上に声自慢とはっさい(お転婆)で売ったが、梅田
新道
(
しんみち
)
の化粧品問屋の若旦那とねんごろになった。
わが町
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
さまざまな物売の声と共にその
辺
(
へん
)
の
欞子窓
(
れんじまど
)
からは早や
稽古
(
けいこ
)
の
唄三味線
(
うたしゃみせん
)
が聞え、
新道
(
しんみち
)
の
路地口
(
ろじぐち
)
からは
艶
(
なまめ
)
かしい女の朝湯に出て行く
町家
(
まちや
)
つづきの
横町
(
よこちょう
)
は
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
茲
(
こゝ
)
に新材木町なる
白子屋
(
しろこや
)
庄
(
しやう
)
三郎一家の
騷動
(
さうどう
)
を
委曲
(
くはしく
)
尋
(
たづ
)
ぬるに
享保
(
きやうほ
)
の始めの事なりしが
此
(
この
)
白子屋の地面間口十二間奧行は
新道
(
しんみち
)
の方へ廿五間
即
(
すなは
)
ち
券面
(
けんめん
)
千三百兩の地を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「べらぼうめ、慾にじみちも
新道
(
しんみち
)
もあるものか、だが、そりゃあそうとして、オイ、馬公」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上の
新道
(
しんみち
)
を行くのであって、この旧道を
突切
(
つっき
)
れば、萩の株に狼の
屎
(
ふん
)
こそ見ゆれ、ものの一里半ばかり近いという、十年の昔といわず、七八年以前までは
駕籠
(
かご
)
で
辿
(
たど
)
った路であろう。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「車屋ばかりじゃありません。
新道
(
しんみち
)
の
二絃琴
(
にげんきん
)
の師匠からも
大分
(
だいぶ
)
いろいろな事を聞いています」「寒月の事をですか」「寒月さんばかりの事じゃありません」と少し
凄
(
すご
)
い事を云う。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
只今では
岩崎
(
いわさき
)
さんがお買入れになりまして
彼処
(
あすこ
)
が御別荘になりましたが、
以前
(
まえ
)
には伊香保から
榛名山
(
はるなさん
)
へ参詣いたしまするに、
二
(
ふた
)
ツ
嶽
(
だけ
)
へ出ます
新道
(
しんみち
)
が開けません時でございますから
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
以前私が飯山からの帰りがけに——雪の道を
橇
(
そり
)
で帰ったとは反対の側にある
新道
(
しんみち
)
に添うて——黄ばんだ稲田の続いた
静間平
(
しずまだいら
)
を通り、ある村はずれの休茶屋に腰掛けたことが有った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
貝殻
(
かいがら
)
散りたる深川の
新道
(
しんみち
)
に峰次郎が窓の竹格子を
間
(
あいだ
)
にしてお房と相語る処(『梅見船』巻九)また
柳川亭
(
やながわてい
)
といへる
水茶屋
(
みずぢゃや
)
店先の図(『梅見船』巻十)を挙ぐべし。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
取寄
(
とりよせ
)
是を
喰
(
くは
)
んと爲るを長助は
目配
(
めくば
)
せをなし
止
(
とむ
)
る
體
(
てい
)
故
(
ゆゑ
)
扨
(
さて
)
はと思ひ何か
紛
(
まぎ
)
らして是を
喰
(
くは
)
ず夫より又七は
新道
(
しんみち
)
の湯に行けるに長助も
後
(
あと
)
より同く
湯
(
ゆ
)
へ
來
(
きた
)
り彼の
毒藥
(
どくやく
)
をお熊が入たる事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
取るけれども
彼
(
あ
)
ア云う気性だから旦那に金を遣わせないね、大きな
家
(
うち
)
へも這入らない、
新道
(
しんみち
)
で一寸八畳に六畳位の小さな土蔵でもある位な家を借りて居るね、下女は
成丈
(
なりた
)
け遣わない
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
市区改正に
就
(
つい
)
て、道は南北に拡がった、小路、
新道
(
しんみち
)
、横町の
状
(
さま
)
も
異
(
かわ
)
ったから、何のなごりも
留
(
とど
)
めぬが、ただ当時絵草紙屋の、下町のこの辺にも
類
(
たぐい
)
なく美しいのが、雪で炎を撫ずるよう
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
仏国オート・ヴィエンヌ州、リモオジュ町、バビロン
新道
(
しんみち
)
、そこが岸本の牧野と一緒に宿をとったところだ。彼は
喇叭
(
らっぱ
)
を吹いて新聞を売りに来る女のあるような
在郷臭
(
ざいごくさ
)
い町はずれへ来ていた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
重政がこの絵本にはその他なほ楽屋裏の
新道
(
しんみち
)
に
編笠
(
あみがさ
)
深き
若衆形
(
わかしゅがた
)
の楽屋入りを見せ、舞台のうしろに
囃子方
(
はやしかた
)
腰かけて三味線
弾
(
ひ
)
きゐる
傍
(
かたわら
)
に扮装せる役者の
打語
(
うちかた
)
れるあり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
近江
(
おうみ
)
、越前の
国境
(
くにざかい
)
に
凄
(
すさま
)
じい
山嘯
(
やまつなみ
)
の
洪水
(
でみず
)
があって、いつも
敦賀
(
つるが
)
——
其処
(
そこ
)
から汽車が通じていた——へ
行
(
ゆ
)
く順路の、
春日野峠
(
かすがのとうげ
)
を越えて、
大良
(
たいら
)
、
大日枝
(
おおひだ
)
、
山岨
(
やまそば
)
を
断崕
(
きりぎし
)
の海に沿う
新道
(
しんみち
)
は、崖くずれのために
栃の実
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吾妻橋
(
あずまばし
)
の手前
東橋亭
(
とうきょうてい
)
とよぶ
寄席
(
よせ
)
の
角
(
かど
)
から
花川戸
(
はなかわど
)
の路地に
這入
(
はい
)
れば、ここは芸人や
芝居者
(
しばいもの
)
また遊芸の師匠なぞの多い処から何となく
猿若町
(
さるわかまち
)
の
新道
(
しんみち
)
の昔もかくやと推量せられる。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
雫
(
しずく
)
の垂る処で一番綿帽子と向合おうという註文で、三日前からの申込を心得ておきながら、その間際に人の悪い紋床、畜生め、か何かで
新道
(
しんみち
)
へ
引外
(
ひっぱず
)
したために、とうとう
髭
(
ひげ
)
だらけで杯をしたとあって
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“新道”の意味
《名詞》
新しくつくられた道。
(しんみち)路地。小路。
(出典:Wiktionary)
“新道”の解説
新道(しんどう/しんみち)は、新たにつくられた道路のことである。対義語は旧道。とりわけ北海道でバイパス道路の固有名詞に新道と名付ける傾向が強い。
(出典:Wikipedia)
新
常用漢字
小2
部首:⽄
13画
道
常用漢字
小2
部首:⾡
12画
“新道”で始まる語句
新道辺
新道迄