トップ
>
換
>
かわ
ふりがな文庫
“
換
(
かわ
)” の例文
それを聞いて、豊世はお雪と
微笑
(
えみ
)
を
換
(
かわ
)
した。名古屋から送るべき
筈
(
はず
)
の金も届かないことを、心細そうに叔父叔母の前で話した。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかるに物
換
(
かわ
)
り時移るに従ひ、この記念的俳句はその記念の意味を忘られて、かへつて芭蕉集中第一の佳句と誤解せらるるに至り、
終
(
つい
)
に
臆説
(
おくせつ
)
百出
古池の句の弁
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
その
換
(
かわ
)
りお
礼
(
れい
)
は二
分
(
ぶ
)
まではずもうし、
羽織
(
はおり
)
もお
前
(
まえ
)
に
進呈
(
しんてい
)
すると、これこの
通
(
とお
)
りお
羽織
(
はおり
)
まで
下
(
くだ
)
すったんじゃござんせんか。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その顔には
何
(
なん
)
という
合図
(
あいず
)
の表情も見えなかった。彼女は仕方なしにお秀を送って
階子段
(
はしごだん
)
を降りた。二人は玄関先で尋常の
挨拶
(
あいさつ
)
を
交
(
と
)
り
換
(
かわ
)
せて別れた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「喜八郎と入れ
換
(
かわ
)
ったのだよ、喜八郎は百人町の百兵衛のところに
泊
(
とま
)
って、俺は此処へ戻って来たまでのこと、喜八郎の
声色
(
こわいろ
)
を使うのに骨を折ったぞ」
銭形平次捕物控:246 万両分限
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
人智
(
じんち
)
なるものが、
動物
(
どうぶつ
)
と、
人間
(
にんげん
)
との
間
(
あいだ
)
に、
大
(
おおい
)
なる
限界
(
さかい
)
をなしておって、
人間
(
にんげん
)
の
霊性
(
れいせい
)
を
示
(
しめ
)
し、
或
(
あ
)
る
程度
(
ていど
)
まで、
実際
(
じっさい
)
に
無
(
な
)
い
所
(
ところ
)
の
不死
(
ふし
)
の
換
(
かわ
)
りを
為
(
な
)
しているのです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
あまり談話の長きにお登和嬢気が気でなし「兄さん、早く召し上りませんとゼリーが
融
(
と
)
け出しますよ」中川「オヤ
何時
(
いつ
)
の間にかお皿が
換
(
かわ
)
っているね、大原君、 ...
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
... 読んでいたらいいじゃないかね。海の上へ出ると気がまたからりと
換
(
かわ
)
るものだから」そして「おおい! ここへ
茣蓙
(
ござ
)
を敷いて、栗の罐詰と酒を持って来てくれないか」
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
橋がペンキ
塗
(
ぬり
)
になって、黒塀が
煉瓦
(
れんが
)
に
換
(
かわ
)
ると、
蛙
(
かわず
)
、船虫、そんなものは、
不残
(
のこらず
)
石灰
(
いしばい
)
で殺されよう。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
でも、私あの方と青木さんとが、こうした物を、お取り
換
(
かわ
)
しになっていようとは、夢にも思いませんでしたわ。
屹度
(
きっと
)
、
誰方
(
どなた
)
にも秘密にしていらしったのでございましょう。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そして、また別な号外売りがあとからあとへと、
入
(
い
)
れ
代
(
かわ
)
り
立
(
た
)
ち
換
(
かわ
)
り、
表通
(
おもてどおり
)
を流していった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、病み衰えた顔に淋しい微笑を浮べ、
梶棒
(
かじぼう
)
の上ると共に互に黙礼を
換
(
かわ
)
して
訣
(
わか
)
れた。暫らくは涙ぐましく俥の跡を
目送
(
みおく
)
ったが、これが紅葉と私との最後の
憶出
(
おもいで
)
の深い会見であった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
さし
換
(
かわ
)
る番組と、登場者の風俗と、それに伴奏するさまざまの楽器の音と、使用の装飾の道具類とが、見るもの、聞くもの、異常の刺戟でないということはなく、その
眩惑
(
げんわく
)
のために
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
星移れば物
換
(
かわ
)
りて人情もまた従つて同じからず。吉原のおいらんを歌舞の
菩薩
(
ぼさつ
)
と見て
崇
(
あが
)
めしは江戸時代のむかしなり。芸者を
粋
(
すい
)
なり
意気
(
いき
)
なりと見てよろこびしも早や昨日の夢とやいふべき。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
地上はすべて新緑である、あまり葉の
換
(
かわ
)
らない
松柏
(
しょうはく
)
さえも、目立って若々しい。桃色や青白い大きい、様々な花が、眼の前に、まだハッキリと見えるが、遠方はとぎれとぎれの
靄
(
もや
)
に
蔽
(
おお
)
われている。
不周山
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
袈裟
(
けさ
)
新
(
あらた
)
に
換
(
かわ
)
る
兗龍
(
こんりゅう
)
の
袍
(
ほう
)
。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
三吉を前に置いて、橋本親子はこんな言葉を
換
(
かわ
)
した。
漸
(
ようや
)
くお種は帰郷の日が近づいたことを知った。その
喜悦
(
よろこび
)
を持って、復たお雪の方へ行った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかし
咄嗟
(
とっさ
)
の電火作用は起ると共に消えたので、二人は正式に
挨拶
(
あいさつ
)
を
取
(
と
)
り
換
(
かわ
)
すまで、ついに互を認め合わなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
換
(
かわ
)
り、弟子にはしねえその換り、お前さんが何か書き物をしたら、見てくれろというんなら、必ず見てもあげるし、遠慮のない愚見も述べて進ぜる。
曲亭馬琴
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
その
換
(
かわ
)
り少しばかり、重い荷を
背負
(
しょ
)
わして上げるから、大事にして東京まで持って行きなさい。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
非人
(
ひにん
)
が
来
(
き
)
て、
死者
(
ししゃ
)
の
手
(
て
)
や、
足
(
あし
)
を
捉
(
とら
)
えて
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
に
引込
(
ひきこ
)
んでしまうのだ、うッふ! だが
何
(
なん
)
でもない……その
換
(
かわ
)
り
俺
(
おれ
)
は
彼
(
あ
)
の
世
(
よ
)
から
化
(
ば
)
けて
来
(
き
)
て、ここらの
奴等
(
やつら
)
を
片端
(
かたッぱし
)
から
嚇
(
おど
)
してくれる
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
兄はたゞ一人の妹を愛した。
殊
(
こと
)
に父と不和になってから、肉親の愛を
換
(
かわ
)
し得るのはたゞ妹だけだった。妹もたゞ一人の兄を頼った。父からは、得られない理解や同情を兄から仰いでいた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それ
程
(
ほど
)
までにいうんなら、
仕方
(
しかた
)
がない、
預
(
あず
)
かろう。その
換
(
かわ
)
り、
太夫
(
たゆう
)
が
借
(
か
)
りに
来
(
き
)
たにしても、もう二
度
(
ど
)
と
再
(
ふたた
)
び
貸
(
か
)
すことじゃないから、それだけは
確
(
しか
)
と
念
(
ねん
)
を
押
(
お
)
しとくぜ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
この景色に舞台が
換
(
かわ
)
って、雪の下から
鴛鴦
(
おしどり
)
の精霊が、鬼火をちらちらと燃しながら、すっと
糶上
(
せりあが
)
ったようにね、お前さん……唯今の、その二人の
婦
(
おんな
)
が、
私
(
わっし
)
の目に映りました。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二人の日本人が
倫敦
(
ロンドン
)
の山の手の、とある小さな家に偶然落ち合って、しかも、まだ互に
名乗
(
なの
)
り
換
(
かわ
)
した事がないので、身分も、
素性
(
すじょう
)
も、経歴も分らない外国婦人の力を
藉
(
か
)
りて
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんな言葉を奥さんと
換
(
かわ
)
した後、先生は高瀬と一緒に子供の遊んでいる縁側を通り、自分の部屋へ行った。庭の花畠に接した閑静な居間だ。そこだけは先生の趣味で
清浄
(
きれい
)
に飾り片附けてある。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それとも
物質
(
ぶっしつ
)
の
変換
(
へんかん
)
……
物質
(
ぶっしつ
)
の
変換
(
へんかん
)
を
認
(
みと
)
めて、
直
(
すぐ
)
に
人間
(
にんげん
)
の
不死
(
ふし
)
と
為
(
な
)
すと
云
(
い
)
うのは、
恰
(
あだか
)
も
高価
(
こうか
)
なヴァイオリンが
破
(
こわ
)
れた
後
(
あと
)
で、その
明箱
(
あきばこ
)
が
換
(
かわ
)
って
立派
(
りっぱ
)
な
物
(
もの
)
となると
同
(
おな
)
じように、
誠
(
まこと
)
に
訳
(
わけ
)
の
解
(
わか
)
らぬことである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
我々の個性が我々の死んだ
後
(
のち
)
までも残る、活動する、機会があれば、地上の人と言葉を
換
(
かわ
)
す。スピリチズムの研究をもって有名であったマイエルはたしかにこう信じていたらしい。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんな言葉を
換
(
かわ
)
しながら、姑と嫁とは宿の方へ帰って行った。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「見えて? 少しここと
換
(
かわ
)
ってあげましょうか」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
換
常用漢字
中学
部首:⼿
12画
“換”を含む語句
交換
取換
着換
引換
換言
乗換
召換
言換
置換
転換
換気
乘換
為換
轉換
立換
換気孔
変換
著換
急転換
入換
...