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恁
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かう
ふりがな文庫
“
恁
(
かう
)” の例文
山田
(
やまだ
)
は
元来
(
ぐわんらい
)
閉戸主義
(
へいこしゆぎ
)
であつたから、
其
(
そ
)
の
躯
(
からだ
)
が
恁
(
かう
)
云
(
い
)
ふ
雑務
(
ざつむ
)
に
鞅掌
(
わうしやう
)
するのを
許
(
ゆる
)
さぬので、
自
(
おのづ
)
から
遠
(
とほざ
)
かるやうに
成
(
な
)
つたのであります
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お
品
(
しな
)
は
恁
(
かう
)
して
冷
(
つめ
)
たい
屍
(
かばね
)
に
成
(
な
)
つてからも
其
(
そ
)
の
足
(
あし
)
の
底
(
そこ
)
は
棺桶
(
くわんをけ
)
の
板
(
いた
)
一
枚
(
まい
)
を
隔
(
へだ
)
てただけで
更
(
さら
)
に
永久
(
えいきう
)
に
土
(
つち
)
と
相
(
あひ
)
接
(
せつ
)
して
居
(
ゐ
)
るのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
爺奴
(
ぢぢいめ
)
嚇
(
おど
)
す気になツて、「竿持ツて来て叩き落すぞ。」ツて云ふから、「そんな事するなら
恁
(
かう
)
して呉れるぞ。」ツて、僕は手当り次第林檎を採ツて
打付
(
ぶつつ
)
けた。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
恁
(
かう
)
云
(
い
)
ふのは、
悪
(
わる
)
くすると
突然
(
いきなり
)
ふんづかまへて
臍
(
へそ
)
を
捻
(
ひね
)
りながら
返事
(
へんじ
)
のかはりに
嘗
(
な
)
めやうも
知
(
し
)
れぬ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
恁
(
かう
)
云
(
い
)
ふです。
我々
(
われ/\
)
を
這麼格子
(
こんなかうし
)
の
内
(
うち
)
に
監禁
(
かんきん
)
して
置
(
お
)
いて
苦
(
くる
)
しめて、
而
(
さう
)
して
是
(
これ
)
は
立派
(
りつぱ
)
な
事
(
こと
)
だ、
理窟
(
りくつ
)
の
有
(
あ
)
る
事
(
こと
)
だ、
奈何
(
いかん
)
となれば
此
(
こ
)
の
病室
(
びやうしつ
)
と、
暖
(
あたゝか
)
なる
書齋
(
しよさい
)
との
間
(
あひだ
)
に
何
(
なん
)
の
差別
(
さべつ
)
もない。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
「どうしたもんだかな、
俺
(
おれ
)
でも
擔
(
かつ
)
いて
歩
(
ある
)
つてんべかな、
恁
(
かう
)
して
置
(
お
)
いたんぢや
仕
(
し
)
やうねえかんな」お
品
(
しな
)
へ
相談
(
さうだん
)
して
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
……考へた時は大變面白かつたが、
恁
(
かう
)
書いて見ると、興味索然たりだ。
饒舌
(
おしやべり
)
は品格を
傷
(
そこな
)
ふ所以である。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
時々見付かつて、本より、私の方が押入へしまはれました。
恁
(
かう
)
いふのはいくらもある。
いろ扱ひ
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
処
(
ところ
)
へ
或日
(
あるひ
)
石橋
(
いしばし
)
が来て、
唯
(
たゞ
)
恁
(
かう
)
して
居
(
ゐ
)
るのも
充
(
つま
)
らんから、練習の
為
(
ため
)
に雑誌を
拵
(
こしら
)
へては
奈何
(
どう
)
かと
云
(
い
)
ふのです、いづれも
下地
(
したぢ
)
は
好
(
すき
)
なりで
同意
(
どうい
)
をした、
就
(
つい
)
ては
会員組織
(
くわいゝんそしき
)
にして
同志
(
どうし
)
の文章を
募
(
つの
)
らうと
議決
(
ぎけつ
)
して
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
金色の葉がしきりなく降つて居る。金色の日光が鮮かに照して居る。其葉其日光のかがやきが二人の顔を
恁
(
かう
)
染めて見せるのか? 否、
然
(
さう
)
ではあるまい。恐らくは然ではあるまい。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
又
(
また
)
死
(
し
)
んでも
極樂
(
ごくらく
)
へ
確
(
たしか
)
に
行
(
ゆ
)
かれる
身
(
み
)
ぢやと
固
(
かた
)
く
信
(
しん
)
じて
居
(
ゐ
)
る
者
(
もの
)
は、
恁
(
かう
)
云
(
い
)
ふ
時
(
とき
)
には
驚
(
おどろ
)
かぬ。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
勘定
(
かんぢやう
)
にや
成
(
な
)
んねえなどうも、
近頃
(
ちかごろ
)
は
仕
(
し
)
やうねえよ
文久錢
(
ぶんきうせん
)
だの
青錢
(
あをせん
)
だのつちうのが
薩張
(
さつぱり
)
出
(
で
)
なくなつちやつてな、それから
何處
(
どこ
)
へ
行
(
い
)
つても
恁
(
かう
)
して
置
(
お
)
くんだ」
商人
(
あきんど
)
がぼて
笊
(
ざる
)
から
燐寸
(
マツチ
)
を
出
(
だ
)
さうとすると
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
自分は
恁
(
かう
)
信じたからこそ、
此市
(
こゝ
)
の名物の長澤屋の豆銀糖でお茶を飮み乍ら、稚ない時から好きであつた伯母さんと
昔談
(
むかしばなし
)
をする樂みをさへ擲ち去つて、
明
(
あか
)
からぬ五分心の
洋燈
(
ランプ
)
の前に
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
……たとひ、
恁
(
かう
)
して、
貴女
(
あなた
)
が
拾
(
ひろ
)
つて
下
(
くだ
)
さるのが、
丁
(
ちやん
)
と
極
(
きま
)
つた
運命
(
うんめい
)
で、
當人
(
たうにん
)
其
(
それ
)
を
知
(
し
)
つて
居
(
ゐ
)
て、
芝居
(
しばゐ
)
をする
氣
(
き
)
で、
唯
(
たゞ
)
遺失
(
おと
)
したと
思
(
おも
)
ふだけの
事
(
こと
)
をして
見
(
み
)
ろ、と
言
(
い
)
はれても、
可厭
(
いや
)
です。
金輪際
(
こんりんざい
)
出來
(
でき
)
ません。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
自分は
恁
(
かう
)
信じたからこそ、
此市
(
ここ
)
の名物の長沢屋の豆銀糖でお茶を飲み乍ら、稚ない時から好きであつた伯母さんと昔談をする楽みをさへ
擲
(
なげう
)
ち去つて、明からぬ五分心の洋燈の前に
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
でまあ
恁
(
かう
)
云
(
い
)
ふ
體裁
(
ていさい
)
なんですがね。
女中
(
ぢよちう
)
には
總
(
すべ
)
て
怒鳴
(
どな
)
らせない
事
(
こと
)
にしてあるんださうだが、
帳場
(
ちやうば
)
へ
來
(
き
)
てお
誂
(
あつら
)
へを
通
(
とほ
)
すのに、「ほんごぶになま
二
(
に
)
イ」と
通
(
とほ
)
す。と
此
(
これ
)
を
知
(
し
)
る
者
(
もの
)
一人
(
ひとり
)
もなし。で、
誠
(
まこと
)
に
困
(
こま
)
つてる。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これは、人の前で、殊に盛岡人の前では、
些
(
ちと
)
憚つて然るべき筋の考であるのだが、茲は何も本氣で云ふのでなくて、唯
序
(
ついで
)
に白状するのだから、別段
差閊
(
さしつかへ
)
もあるまい。考といふと
恁
(
かう
)
だ。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
恁
(
かう
)
云
(
い
)
ふ
私
(
わし
)
が
矢張
(
やはり
)
その、おい/\
泣
(
な
)
いた
連中
(
れんぢう
)
でな、
面目
(
めんぼく
)
もないこと。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは、人の前で、殊に盛岡人の前では、
些
(
ちと
)
憚つて然るべき筋の考であるのだが、
茲
(
ここ
)
は何も本気で云ふのでなくて、唯
序
(
ついで
)
に白状するのだから、別段
差閊
(
さしつかへ
)
もあるまい。考といふは
恁
(
かう
)
だ。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
尤も
恁
(
かう
)
いふ都會では、女なら隨分資格の無い者も
用
(
つか
)
ツてる樣だけれど、男の代用教員なんか
可成
(
なるべく
)
採用しない方針らしいですから、果して肇さんが其方へ入るに
可
(
いゝ
)
か
怎
(
どう
)
か、そら解りませんがね。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
尤も
恁
(
かう
)
いふ都会では、女なら随分資格の無い者も
用
(
つか
)
ツてる様だけれど、男の代用教員なんか
可成
(
なるべく
)
採用しない方針らしいですから、果して肇さんが其方へ入るに
可
(
いい
)
か
怎
(
どう
)
か、そら解りませんがね。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
肇さんは、
恁
(
かう
)
云ツて、
温和
(
あたゝか
)
い微笑を浮かべ乍ら、楠野君の顏を覗き込んだ。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
肇さんは
恁
(
かう
)
云ツて、
温和
(
おとなし
)
い微笑を浮かべ乍ら、楠野君の顔を覗き込んだ。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『噫、君、僕は
怎
(
どう
)
も樣々思出されるよ。……だが、何だらうね、僕の居たのは田舍だツたから多少我儘も通せたやうなものの、
恁
(
かう
)
いふ都會めいた
場所
(
ところ
)
では、矢張駄目だらうね。僕の一睨みですくんで了ふやうな校長も居まいからね。』
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
恁
漢検1級
部首:⼼
10画
“恁”を含む語句
恁麽
恁許
恁云
恁麼
恁々
恁懸
恁様
恁那
有恁
正当恁麼時