トップ
>
宣
>
のたま
ふりがな文庫
“
宣
(
のたま
)” の例文
また心
憂
(
う
)
き事
侍
(
はべ
)
りき、その大臣の娘
座
(
おわ
)
しき、
色
(
いろ
)
容
(
かたち
)
愛
(
めで
)
たく世に
双人
(
ならぶひと
)
なかりき、
鑑真
(
がんじん
)
和尚の、この人千人の男に逢ひ給ふ相
座
(
おわ
)
すと
宣
(
のたま
)
はせしを
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「天子、今ご気息も危うし。
枕頭
(
ちんとう
)
に公を召して、漢室の後事を託せんと
宣
(
のたま
)
わる。いそぎ参内あるべし」と、うやうやしくいった。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
又曰猿の歯白し峰の月といふは
其角
(
きかく
)
なり。塩鯛の歯ぐきは我老吟なり。
下
(
しも
)
を魚の店と唯いひたるもおのづから句なりと
宣
(
のたま
)
へり。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
余輩
(
よはい
)
の村田翁の門下に教を請うや、翁
従容
(
しょうよう
)
として
宣
(
のたま
)
わく、
卿
(
けい
)
らの如き、石仏を麻縄にて縛りたる如き、究屈なる学問をなして、何の効かある。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
この時母上通りかゝり給へり。この遊のさまを見て立ち
住
(
と
)
まり、指組みあはせて
宣
(
のたま
)
ふやう。汝等はまことの天使なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
我儕
(
われら
)
の主は、わが軛は易くわが荷は
軽
(
かろ
)
しと
宣
(
のたま
)
ひて、そのつとめの易く、その荷の軽く、その我儕に為さしむるところの極めて簡易なるを示したまへり。
主のつとめ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
……
主
(
しゅ
)
は
宣
(
のたま
)
えり、シオンの娘らは、首を
硬
(
かた
)
くし、眼を動かし、気取りたる小足にて歩み、足の輪を鳴らせばなりと。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
十兵衞も見よ源太も見よと
宣
(
のたま
)
ひつゝ、
江都
(
かうと
)
の住人十兵衞之を造り川越源太郎之を成す、年月日とぞ筆太に記し了られ、満面に笑を湛へて振り顧り玉へば
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
寄せ何か
祕々
(
ひそ/\
)
囁
(
さゝや
)
きければ二人はハツと驚きしが三次は
暫
(
しば
)
し小首を
傾
(
かたむ
)
け
茶碗
(
ちやわん
)
の酒をぐつと
呑干
(
のみほし
)
先生皆迄
宣
(
のたま
)
ふな我々が身に
係
(
かゝ
)
る事委細承知と早乘が答へに長庵力を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
若
(
も
)
し総掛りに軍し給はゞ味方難渋仕り候はんか、今
暫時
(
しばらく
)
敵の様を御覧ありて然るべきかと申しけるに、長政
宣
(
のたま
)
ふ様、横山の城の軍急なれば、
其儘
(
そのまま
)
に見合せがたし。
姉川合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
夜軍
(
よいくさ
)
に
成
(
なり
)
て、
暗
(
くらさ
)
は暗し、大将軍頭中将重衡、般若寺の門に
打立
(
うちたち
)
て『火を出せ』と
宣
(
のたま
)
ふ程こそ
在
(
あり
)
けれ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
されどかの君は大口開きて笑いたまい、宝丹飲むがさまでつらきかと
宣
(
のたま
)
いつつわれらを見てまた大口に笑いたもう。げに
平壌
(
へいじょう
)
攻落せし将軍もかくまでには
傲
(
おご
)
りたる色を見せざりし。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
いやに
済
(
す
)
ました人おつに
咳払
(
せきばら
)
ひして進み出でて曰く両君の
宣
(
のたま
)
ふ所
各
(
おのおの
)
理あり。皆その人とその場合とに因つてこれを施して可なるべし。素人も芸者も元これ女なり。生れて女となる。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
抑々
(
そもそも
)
憲法発布の時の
御詔勅
(
ごしょうちょく
)
には何と書いてあったか。臣民の
懿徳
(
いとく
)
良能を啓発せねばならぬと
宣
(
のたま
)
わせられたでは無いか。
然
(
しか
)
るに国務大臣はこの聖旨を奉戴してどれだけの力を尽したか。
選挙人に与う
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
大臣の信用は屋上の
禽
(
とり
)
の如くなりしが、今は
稍〻
(
やゝ
)
これを得たるかと思はるゝに、相沢がこの頃の言葉の端に、本国に帰りて後も倶にかくてあらば
云々
(
しか/″\
)
といひしは、大臣のかく
宣
(
のたま
)
ひしを
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
◯三十八章一節にいう「ここにエホバ大風の中よりヨブに答えて
宣
(
のたま
)
わく」と。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
旅の人は不敵のことを
宣
(
のたま
)
ふものかな、此先はかばかり鬼多きを、いかにして無事に行過ぎ玉はんや、きのふも此里の八太郎食はれたり、けふも隣村の九郎助取られたり、あなおそろしと言ひて
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
せめて
暑中
(
しよちう
)
は西の京へでも、侍臣斯く申せば、
御気色
(
みけしき
)
かはり、
宣
(
のたま
)
ひけらく「
朕
(
ちん
)
西京を
嫌
(
きら
)
ふと思ふか。
否
(
いな
)
、朕は西の京が大好きなり。さりながら、朕、東の京を去らば、誰か日本の
政
(
まつりごと
)
を見むものぞ?」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
事
果
(
はて
)
て、『
汝
(
なれ
)
を
恕
(
ゆる
)
す』と
宣
(
のたま
)
はむその
一言
(
ひとこと
)
を。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
「……
宣
(
のたま
)
えり……宣えり……」
反逆
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
されば叔母上の
宣
(
のたま
)
うごとし。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
伴天連
(
ばてれん
)
の師の
宣
(
のたま
)
はく
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
われと畫工とは幾時も立たぬに中善くなりぬ。われは畫工を愛しき。母上もをり/\かれは善き人なりと
宣
(
のたま
)
ひき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
帝は、そう
宣
(
のたま
)
いながら、みずから上の御衣を脱いで、玉帯をそれに添え、御手ずから董承に
下賜
(
かし
)
された。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この少女はわが子なり
奇稲田姫
(
くしいなだひめ
)
という。さきに
八箇
(
やたり
)
の少女あり年ごとに
八岐
(
やまた
)
の
大蛇
(
おろち
)
のために呑まれて今このおとめまた呑まれんとすと申しければ、尊われにくれんやと
宣
(
のたま
)
う。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
帝、今後はたゞ師弟を
以
(
もっ
)
て称し、必ずしも主臣の礼に
拘
(
かかわ
)
らざるべしと
宣
(
のたま
)
う。諸臣泣いて諾す。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
と案じける時、前句に声の字
有
(
あり
)
て、音の字ならず、依て作りかへたり、須磨の鼠とまでは気を
廻
(
めぐら
)
し侍れども、一句連続せざると
宣
(
のたま
)
へり。予が云、是須磨の鼠よりはるかにまされり。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
庶幾
(
こいねが
)
うところなりとて、すでに、軍、立つを大国に聞き付けて万が一の勢なるが故に軽しめ嘲りて、
手捕
(
てどり
)
にせんとするを聞きて、大臣公卿に
宣
(
のたま
)
わく、合戦の時多くの人死せんとす。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「否、かく衣を
更
(
あらた
)
め玉ふを見れば、何となくわが豐太郎の君とは見えず。」又た少し考へて。「縱令富貴になり玉ふ日はありとも、われをば見棄て玉はじ。我病は母の
宣
(
のたま
)
ふ如くならずとも。」
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
と
宣
(
のたま
)
わせられました。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
はた妻のやうに怜悧なる人ともならざるならん。されど君が如き性もまた世の中になくて協はぬものぞと
宣
(
のたま
)
ふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
やがて蜀四十一州を取ったら返すなどと
宣
(
のたま
)
いながら、いま蜀をお手に入れても実行なさらず、わずかに荊州の内三郡だけを返すといわれたかと思えば、羽将軍が
妨
(
さまた
)
げて
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
じだらくに居れば涼しき
夕
(
ゆふべ
)
かな。
宗次
(
そうじ
)
。猿みの撰の時、宗次今一句の入集を願ひて数句吟じ侍れど
取
(
とる
)
べき句なし。
一夕
(
いつせき
)
、翁の
側
(
かたはら
)
に侍りけるに、いざくつろぎ給へ、我も
臥
(
ふし
)
なんと
宣
(
のたま
)
ふ。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
昔
高帝
(
こうてい
)
升遐
(
しょうか
)
したもう時、
遺篋
(
いきょう
)
あり、大難に臨まば
発
(
あば
)
くべしと
宣
(
のたま
)
いぬ。謹んで
奉先殿
(
ほうせんでん
)
の左に収め奉れりと。
羣臣
(
ぐんしん
)
口々に、
疾
(
と
)
く
出
(
いだ
)
すべしという。
宦者
(
かんじゃ
)
忽
(
たちまち
)
にして一の
紅
(
くれない
)
なる
篋
(
かたみ
)
を
舁
(
か
)
き
来
(
きた
)
りぬ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「否、かく衣を更め玉ふを見れば、何となくわが豊太郎の君とは見えず。」又た少し考へて。「
縦令
(
よしや
)
富貴になり玉ふ日はありとも、われをば見棄て玉はじ。我病は母の
宣
(
のたま
)
ふ如くならずとも。」
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
封演の『聞見記』を引き、唐朝大赦ある時、
闕下
(
けっか
)
に黄金の首ある鶏を
高橦
(
こうとう
)
の下に立て、宮城門の左に鼓を置き、囚徒至るを見てこれを打ち、赦を
宣
(
のたま
)
えおわりて金鶏を除く、この事魏晋
已前
(
いぜん
)
聞えず
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
大臣の信用は屋上の
禽
(
とり
)
のごとくなりしが、今はややこれを得たるかと思わるるに、相沢がこの頃の言葉の
端
(
はし
)
に、本国に帰りてのちもともにかくてあらば
云々
(
しかじか
)
といいしは、大臣のかく
宣
(
のたま
)
いしを
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
我この塔に銘じて得させん、十兵衛も見よ源太も見よと
宣
(
のたま
)
いつつ、江都の住人十兵衛これを造り川越源太郎これを成す、年月日とぞ筆太に
記
(
しる
)
しおわられ、満面に笑みを
湛
(
たた
)
えて振り
顧
(
かえ
)
りたまえば
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
勅使は、
綸言
(
りんげん
)
を伝えていう。今日の事、
叡覧
(
えいらん
)
あって
龍顔
(
りゅうがん
)
殊のほか御うるわしく、上古末代の見もの、本朝のみか、異国にもかほどのさまはあるべからずと
宣
(
のたま
)
わせ、斜めならぬ
御気色
(
みけしき
)
に仰がれた。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
太祖これを見たまいて、
爾
(
なんじ
)
まことに純孝なり、たゞ子を
亡
(
うしな
)
いて孫を頼む老いたる我をも
念
(
おも
)
わぬことあらじ、と
宣
(
のたま
)
いて、過哀に身を
毀
(
やぶ
)
らぬよう
愛撫
(
あいぶ
)
せられたりという。其の性質の美、推して知るべし。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「丞相がこの城を託して都へ帰らるる時、何と
宣
(
のたま
)
われましたか」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
乃
(
すなわ
)
ち法を説いて
宣
(
のたま
)
わく
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“宣(
宣下
)”の解説
宣下(せんげ)とは、天皇の命令を伝える公文書を公布することである。
(出典:Wikipedia)
宣
常用漢字
小6
部首:⼧
9画
“宣”を含む語句
宣言
宣教師
宣告
宣伝
御託宣
宣命
宣傳
宣示
本居宣長
託宣
院宣
名宣
宣長
万里小路宣房
宣言書
詫宣
宣叙調
宣給
宣王
惟宣
...