“龍顔”の読み方と例文
新字:竜顔
読み方割合
りゅうがん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この日ごろのお悩みは龍顔りゅうがんのうえにもうすぐろいくまとなって、さしもお身の細りすらうかがわれる後醍醐だった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おん目は赤濁あかだみ、蒼白な龍顔りゅうがんにはおぐしがみだれかかり、白絹の小袖袴もあとかたなく、泥のみならず血痕もにじませておられたと、「花園院御記はなぞのいんぎょき」には見える。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
恋々れんれんたる離別は龍顔りゅうがんをかきくもらせてはいたが、ふと、幾多の唐土とうどと帝王の例などもお胸をかすめたことであろう。国と女——その比重へこたえるような語気であった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)