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坊
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ぼ
ふりがな文庫
“
坊
(
ぼ
)” の例文
内匠頭の
為
(
し
)
た事を、武士として、当然だとする者もあるし、
短慮
(
たんりょ
)
である、世間知らずの
坊
(
ぼ
)
ンチの
癇癪
(
かんしゃく
)
だと、非難する者もかなり多い。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「むゝ。」と
膨
(
ふく
)
れ氣味の
坊
(
ぼ
)
ツちやまといふ
見
(
みえ
)
で、
不承不精
(
ふしやうぶしやう
)
突出
(
つきだ
)
された
品
(
しな
)
を受取ツて、
楊子
(
やうじ
)
をふくみながら中窓の
閾
(
しきゐ
)
に腰を掛ける。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
大きな牛のようなブルを、
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ぼ
)
の指一本でなげとばすというんだから、この大評判が、とうとう、新聞にまで出てしまった。
小指一本の大試合
(新字新仮名)
/
山中峯太郎
(著)
おや
是
(
これ
)
は
坊
(
ぼ
)
ツちやま
入
(
い
)
らつしやいまし、アハヽまアお
可愛
(
かあい
)
らしいこと、いえ
何
(
ど
)
うも
親方
(
おやかた
)
も
駭
(
おどろ
)
いてましたし、
表方
(
おもてかた
)
の者も
皆
(
みな
)
感心
(
かんしん
)
をしてえるんで
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
坊
(
ぼ
)
ッちやんは
最早
(
もう
)
オイ/\
泣
(
な
)
いてばかりゐて、
何
(
なん
)
にも
云
(
い
)
はないので、
怪我
(
けが
)
をしたのかしないのか一
向
(
かう
)
譯
(
わけ
)
が
解
(
わか
)
りませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
「
坊
(
ぼ
)
んち、何んにも怖いことあれへん。わたしがよう遊ばしたげるがな。……何んぞ
手遊品
(
てあそび
)
持つて來たらよかつたなア。」
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
坊
(
ぼ
)
っちゃんの手紙を頂いてから、すぐ返事をかこうと思ったが、あいにく風邪を引いて一週間ばかり
寝
(
ね
)
ていたものだから、つい
遅
(
おそ
)
くなって済まない。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
旦那衆
(
だんなしゅう
)
の
坊
(
ぼ
)
っちゃんが、
下男
(
げなん
)
について
野
(
の
)
あそびに
来
(
き
)
て、
下男
(
げなん
)
にせがんで
仔牛
(
こうし
)
を
持
(
も
)
たせてもらったのかも
知
(
し
)
れません。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
深刻な
皺
(
しわ
)
を、何十万年となく縮ませている穂高山! 何物をも遠くへ突き放すように、深谷の中で、いつでも、
独
(
ひと
)
り
坊
(
ぼ
)
ッちで、苦り切っている穂高山!
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
一知はマユミの両親が極度に浅ましい
吝
(
けち
)
ん
坊
(
ぼ
)
であると同時に、鬼とも
獣
(
けもの
)
とも
譬
(
たと
)
えようのない残酷な
嫉妬焼
(
やきもちや
)
きである事を、ずっと以前から予想していた。
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「あんたところはぼろいことしはって、
良家
(
ええし
)
やのに、
坊
(
ぼ
)
ん
坊
(
ぼ
)
んがこんな使いせんでもよろしおまっしゃろ」
青春の逆説
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
了然はんがえらい
坊
(
ぼ
)
んさんにならはるのには自分が退くのが一番やといふ事は知てるけど、こちらからは思ひ切ることは出来ん。了然はんの方から棄てなはるのは勝手や。
斑鳩物語
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
「
坊
(
ぼ
)
っちゃまがございます。もっともまだ五つになったばかりですが——」
銭形平次捕物控:032 路地の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
金の封を切って、ばらまかなくては引っこみのつかない場合にせり詰ってもさすがにモルガン氏は、
元禄
(
げんろく
)
の昔の大阪の
坊
(
ぼ
)
ンち亀屋忠兵衛のように逆上しないで、静に、
紐育
(
ニューヨーク
)
から顧問の博士を呼んだ。
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「たったいま、お産れになったそうです、
坊
(
ぼ
)
っちゃんだそうで」
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
赤ん
坊
(
ぼ
)
が生れたならばどうしませう
雨情民謡百篇
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
だが赤ん
坊
(
ぼ
)
は生涯出来ないわ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
赤ん
坊
(
ぼ
)
のお猿。
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
いままでにも名前が知れてる。そのブルと
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ぼ
)
の指一本の試合だ。そこへ二十万円の懸賞! さあもう、たいへんな人気だ。
小指一本の大試合
(新字新仮名)
/
山中峯太郎
(著)
「
坊
(
ぼ
)
んちはもうお立ちだしたで。何んやら急な用やいうて。」と、白粉の
斑
(
ぶち
)
になつた口元に微笑を寄せつゝ、女は言つた。
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
厨房
(
だいどころ
)
は
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
まで
烟
(
けむり
)
で一ぱいでした、
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は
中央
(
まんなか
)
の三
脚几
(
きやくき
)
に
凭
(
よ
)
つて
坊
(
ぼ
)
ッちやんに
乳
(
ちゝ
)
を
飮
(
の
)
まして
居
(
ゐ
)
ました、それから
料理人
(
クツク
)
は
圍爐裡
(
ゐろり
)
の
彼方
(
むかふ
)
で
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
丸
一
(
ひ
)
と冬をその中で過す準備を整え、毎日毎日ペンを走らした原稿紙が十枚十五枚と分厚く溜まるのを、
吝
(
けち
)
ん
坊
(
ぼ
)
が金を溜めるような気持で楽しんでいた。
眼を開く
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「あの男もべらんめえに似ていますね。あのべらんめえと来たら、勇み
肌
(
はだ
)
の
坊
(
ぼ
)
っちゃんだから
愛嬌
(
あいきょう
)
がありますよ」
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
多「あれ
坊
(
ぼ
)
っちゃんを突き
飛
(
とば
)
しやアがる、惣吉さんお出でなさえ…
此奴
(
こいつ
)
ア…又打てねえ…さっ/\と行けい」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
独楽
(
こま
)
でだましたのは悪かったけれど、おとなしくクロを
渡
(
わた
)
してくれといっても、かせといってたのんでも、
浜松城
(
はままつじょう
)
の
腕白
(
わんぱく
)
坊
(
ぼ
)
ッちゃん、けっして、すなおには
承知
(
しょうち
)
しないでしょう。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
僕
(
ぼく
)
と共鳴せえへんか」そんな調子だったから、お辰はあれでは蝶子が
可哀想
(
かわいそう
)
やと種吉に言い言いしたが、種吉は「
坊
(
ぼ
)
ん坊んやから当り前のこっちゃ」別に柳吉を非難もしなかった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
平次は
坊
(
ぼ
)
んさんのやうな事を言ひます。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「石川の
坊
(
ぼ
)
んち。今日も
流連
(
ゐつゞけ
)
や、幸ひ雨になりさうで、結構なこつちや。」と、丹前姿で突つ立つたまゝ言つた。
石川五右衛門の生立
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
四邊
(
あたり
)
は
其香
(
そのにほ
)
ひで
大變
(
たいへん
)
でした。
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
でさへも、
坊
(
ぼ
)
ッちやんと
殆
(
ほと
)
んど
交
(
かは
)
る/″\
嚏
(
くさめ
)
をして、
噎
(
む
)
せる
苦
(
くる
)
しさに
互
(
たがひ
)
に
頻切
(
しツきり
)
なしに
泣
(
な
)
いたり
喚
(
わめ
)
いたりして
居
(
ゐ
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
瘠せ女がこう云い切ってしまわぬうちに、今度は
向側
(
むかいがわ
)
に居た、赤膨れの赤ん
坊
(
ぼ
)
が甲走った声で——
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
たまに正直な
純粋
(
じゅんすい
)
な人を見ると、
坊
(
ぼ
)
っちゃんだの
小僧
(
こぞう
)
だのと
難癖
(
なんくせ
)
をつけて
軽蔑
(
けいべつ
)
する。それじゃ小学校や中学校で
嘘
(
うそ
)
をつくな、正直にしろと
倫理
(
りんり
)
の先生が教えない方がいい。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ホ……。その
坊
(
ぼ
)
んちでござるかの。光明寺から追われたお小僧というのは」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
坊
(
ぼ
)
ん
坊
(
ぼ
)
ん。落ちんようにしっかり掴まってなはれや」
青春の逆説
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「さア次は
坊
(
ぼ
)
んだす。たんと塗つてあげなはれ。」と、お駒も眼の縁を赤く泣き
脹
(
は
)
らして、
背後
(
うしろ
)
を向いた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「赤ん
坊
(
ぼ
)
の着物なの。拵えたまま、つい、まだ、
解
(
ほど
)
かずにあったのを、今行李の底を見たら有ったから、出して来たんです」と云いながら、
附紐
(
つけひも
)
を解いて筒袖を左右に開いた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
紐育の中央郵便局に居りましたのはその途中で逃げ出していた時分の事で、
頭髪
(
かみ
)
を酸化水素で赤く縮らして、
黒
(
くろ
)
ん
坊
(
ぼ
)
香水
(
こうすい
)
を
身体
(
からだ
)
に振りかけて、白人と黒人の
混血児
(
あいのこ
)
に化けていたのです。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「露が寒い、歩こうぜ。オヤ、
嬰
(
あか
)
ン
坊
(
ぼ
)
は、寝ちまったのか」
野槌の百
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
坊
(
ぼ
)
ん坊ん、落ちんようにしっかり
掴
(
つか
)
まってなはれや」
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「何んしよまア、たツた一人の
坊
(
ぼ
)
んちやもん、奧さんも久し振りに會ひたいのは、無理ごわへん。わたへが連れて行きますさかい、一寸だけでも會はしたげなはれ。」
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
僕だなんて——
書生
(
しょせ
)
ッ
坊
(
ぼ
)
だな。
大方
(
おおかた
)
女郎買でもしてしくじったんだろう。太え奴だ。
全体
(
ぜんてえ
)
この頃の書生ッ坊の風儀が悪くっていけねえ。そんな奴に辛抱が出来るもんか、早く
帰
(
けえ
)
れ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今までこの
室
(
へや
)
には藍丸王唯一人しか居なかった筈なのに、今見ると最前の森の中に居た四人の化け物——
爺
(
じじ
)
と、女と、赤ん
坊
(
ぼ
)
とクリクリ坊主とが、四ツの椅子に向い合って、ちゃんと腰を掛けていた。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「きれいな鳥籠持って、
南蛮寺
(
なんばんじ
)
の
坊
(
ぼ
)
んさんが通るよ」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
如何
(
どない
)
してん?
坊
(
ぼ
)
ん
坊
(
ぼ
)
ん」
青春の逆説
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
「そら仕樣がないと言や仕樣がないが、さう言うたもんやおまへん。なア
坊
(
ぼ
)
んち、……
阿母
(
おかあ
)
さんに會ひとおまツしやろ。」と、千代松は
微笑
(
ほゝゑ
)
みながら竹丸の顏を見詰めた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
おお、お
小姓
(
こしょう
)
とんぼの
坊
(
ぼ
)
ッちゃんたち!
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
坊
(
ぼ
)
んちの水揚は、わたへが手引してあげまへうな。……姫買ひなら、誰が何んちうても島原に限りまつせ。座敷から、燭臺一つまで違ふし、お後架へいても、あそこのは品がおますわい。」
父の婚礼
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「よい
坊
(
ぼ
)
ンち……弟御かの」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——
坊
(
ぼ
)
んさん」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
坊
常用漢字
中学
部首:⼟
7画
“坊”を含む語句
御坊
坊様
坊主
坊々
吝嗇坊
坊主頭
赤坊
正覚坊
願人坊主
宿坊
御坊様
坊舎
泥坊
見栄坊
坊間
小坊主
盗坊
乞食坊主
海坊主
正坊
...