商賣しやうばい)” の例文
新字:商売
何と申し又商賣しやうばい何渡世なにとせいなるやと尋ねられ寶澤は泣々なく/\父は源兵衞と申し餠屋商賣もちやしやうばいなりと口より出任でまかせこたへければ亭主は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
木曾馬きそうまちひさいが、足腰あしこし丈夫ぢやうぶで、よくはたらくとつて、それをひに博勞ばくらう毎年まいねん諸國しよこくからあつまります。博勞ばくらうとはうま賣買うりかひ商賣しやうばいにするひとのことです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
けつしてわるくいふのではない、こゑはどうでも、商賣しやうばいみちによつてかしこくなつたので、この初夏しよかも、二人ふたりづれ、苗賣なへうり一組ひとくみが、下六番町しもろくばんちやうとほつて、かど有馬家ありまけ黒塀くろべい
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みぎごとさだめてサンデイは休日きうじつにて、商賣しやうばいつとめ何事なにごと休息きうそくすることむかしの我邦わがくに元日ぐわんじつごとし。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
古風こふうるがそでふりふもさ、こんな商賣しやうばいいやだとおもふなら遠慮ゑんりよなく打明うちあけばなしをるがい、ぼくまたまへのやうなではいつそ氣樂きらくだとかいふかんがへでいてわたことかとおもつたに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なりおほきな物價ぶつか變動へんどうであつて、此間このあひだすくなからざる商賣しやうばい不圓滑ふゑんこつきたしたのである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
送りたり然るに小兵衞は尾張町の呉服だな龜屋かめやの番頭仁兵衞といふ者に取入とりいり呉服物を二三百兩づつ預りて商賣しやうばいしける所に此仁兵衞頓死とんしして一向勘定合かんぢやうあひの分らざるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
金澤かなざは正月しやうぐわつは、お買初かひぞめ、お買初かひぞめの景氣けいきこゑにてはじまる。初買はつがひなり。二日ふつか夜中よなかよりいでつ。元日ぐわんじつなん商賣しやうばいみなやすむ。初買はつがひとききそつて紅鯛べにだひとて縁起えんぎものをふ。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
米國べいこくおいては日本生糸にほんきいと買値かひね騰貴とうきするわけであるから商賣しやうばいはしにくくなることになる。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
しづかにあしきよをはりていざとばかりにいざなはれぬ、流石さすがなり商賣しやうばいがらさんとして家内かないらす電燈でんとうひかりに襤褸つゞれはりいちじるくえてときいま極寒ごくかんともいはずそびらあせながるぞくるしき
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
……學者がくしや術語じゆつごばなれがして、商賣しやうばいによつてかしこしである、とおもつたばかりは二人組ふたりぐみかけあひ呼聲よびごゑも、じつ玄米げんまいパンと、ちんどん、また一所いつしよになつた……どぢやう、どぢやう
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かくす心と存ぜしなりと委細申立るに此時大岡殿與力をよばれ何やらん申渡され又家主勘兵衞と呼出よびいださるゝに勘兵衞は二人をにらみながら進み出づればコレ勘兵衞右勘太郎の商賣しやうばいは何を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さうかんがへてると我國わがくに商賣しやうばい以前いぜん比較ひかくして非常ひじやう仕好しよくなることはたしかである、それであるから金解禁きんかいきん出來できのちける經濟界けいざいかい以前いぜんよりも安定あんていしたとつて差支さしつかへないわけである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
あきよりたゞ一人の伯父おぢわづらひて、商賣しやうばい八百やをみせもいつとなくぢて、おなまちながら裏屋うらや住居ずまゐなりしよしはけど、六づかしきしゆう給金きうきんきにもらへえば此身このみりたるもおなこと
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)