をさ)” の例文
旧字:
足下そこのごとく虚弱たよわき人のかくうれひに沈みしは、神仏に祈りて一四六心ををさめつべし。一四七刀田とださとにたふとき一四八陰陽師おんやうじのいます。
呼息いきよりほか現實げんじつ世界せかい交通かうつうのないやうおもはれるふかねむりあさとほりであつた。すべてが今朝けさ出掛でがけあたまなかをさめてつた光景くわうけいすこしもかはつてゐなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
何か編輯上の手違ひとは存じ候へども、爾来じらいかかる作品は文芸欄へおをさめ下されたく、切望の至りにへず候。右差し出がましき次第ながら御注意までに申し上げ候。頓首。
伊東から (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
当季たうきやうなものは誠に少なくなりましたがとつて、服紗ふくさ刀柄つかいてくんだよ、先方むかうけないやうに、此方こちらを向けて鋩子先ばうしさきまでた処でチヨンとさやをさ
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
(三)は金港堂きんこうどう優勢いうせいおされたのです、それでも経済けいざいの立たんやうな事は無かつたのです、しからうおほくしてをさむる所がきはめて少いから可厭いやつてしまつたので、石橋いしばしわたし連印れんいん
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
おもふにコロボツクルは適當のいしたる時、又はきたる時に、必要以外ひつえういぐわい石鏃せきぞくつくき之を土器其他の入れ物にをさめて後日の豫備よびとし或は物品交換ぶつぴんかうくわんの用にきようする爲たくはきしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
挙ぐれば中州なかず箱崎町はこざきちやう出端でばなとのあひだに深く突入つきいつてゐる堀割は此れを箱崎町の永久橋えいきうばしまたは菖蒲河岸しやうぶがし女橋をんなばしから眺めやるに水はあたかも入江の如く無数の荷船は部落の観をなし薄暮風をさまる時きそつて炊烟すゐえん
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
かかるをさまり難き困憊こんぱいはとりとめもなくうちなげく。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
もとより容姿かたちのよろしきをでよろこび、千とせをかけて契るには、二四五葛城かつらぎ高間たかまやまよひ々ごとにたつ雲も、二四六初瀬の寺の暁の鐘に雨をさまりて
事務の人は規則を厳守して受けつけず「既に期限に遅れし故、三十円の金ををさめよ」といふ。
その頃の赤門生活 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
東京とうきやういへたゝむとき宗助そうすけ先祖せんぞ位牌ゐはいひとのこらずたづさえて、諸所しよしよ漂泊へうはくするのわづらはしさにえなかつたので、あたらしいちゝ分丈ぶんだけかばんなかをさめて、其他そのたこと/″\てらあづけていたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
祖父おほぢ播磨はりま一四赤松に仕へしが、んぬる一五嘉吉かきつ元年のみだれに、一六かのたちを去りてここに来り、庄太夫にいたるまで三代みよて、一七たがやし、秋をさめて、家ゆたかにくらしけり。
一寸ちよつとその状袋じやうぶくろを」とをつとほうした。宗助そうすけ自分じぶん火鉢ひばちあひだはさまつてゐるあを封筒ふうとうつて細君さいくんわたした。御米およねはそれをふつといて、なかふくらまして手紙てがみをさめた。さうして臺所だいどころつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)