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おおやけ
ふりがな文庫
“
公
(
おおやけ
)” の例文
誠に遺憾なれども、今後先生の病いよ/\全癒の上は、兼ての腹案を筆記せしめて世に
公
(
おおやけ
)
にし、以て今日の遺憾を償うことあるべし。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
誠に遺憾なれども、今後先生の病いよ/\全癒の上は、兼ての腹案を筆記せしめて世に
公
(
おおやけ
)
にし、以て今日の遺憾を償うことあるべし。
福翁自伝:01 〔慶應義塾の社中にては〕
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
たとえ、御精進日であるにせよ、今日は、朝廷のお使として入府せられる
公
(
おおやけ
)
の御格式。私人の忌み日に、こだわって居る筈はない。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さても彼は、安政六年五月二十五日において、いよいよ
公
(
おおやけ
)
の筋より江戸
檻致
(
かんち
)
の命を聞くに至れり。彼はこれを聴いて、
毫
(
ごう
)
も
愕
(
おどろ
)
く所なし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
まさか古い知り合の主任の悪事を
公
(
おおやけ
)
にする訳にも行きませんから、黙っていましたけれど、何となく居心地がよくないのです。
盗難
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
公
(
おおやけ
)
の
讐
(
あだ
)
、私の
敵
(
あだ
)
、どうかしてとっちめてやりたいものだ。だが、どうにも証拠がない。是非とも証拠を握らなければならない。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そのほか
公
(
おおやけ
)
の儀礼の場の挨拶の仕方とか、公門に入る時の歩き方とか、君前における挙止動作とかがこまごまと書かれている。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
この場合の「奉公」は、
公
(
おおやけ
)
の一存在としての人民生活、市民生活への奉仕という近代民主主義の要素とはちがったものです。
新しい抵抗について
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
この公道を代表する「順天時報」の主筆
牟多口氏
(
むだぐちし
)
は半三郎の失踪した翌日、その
椽大
(
てんだい
)
の筆を
揮
(
ふる
)
って
下
(
しも
)
の社説を
公
(
おおやけ
)
にした。——
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
第一、大公爵に
公
(
おおやけ
)
の申請をすること——第二、作品を発表すること——第三、その作品を聞かせるために音楽会を催すこと。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
国家のために、君国のために、
公
(
おおやけ
)
に奉ずるところの党派はかくの如き時機に於て大活動なかるべからず。然るに諸君、我が国の前途は
甚
(
はなは
)
だ遠し。
〔憲政本党〕総理退任の辞
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
師匠は皆様が御存じの通り、業平文治は前篇だけしか世に
公
(
おおやけ
)
にいたしませぬが、その当時
私
(
わたくし
)
は
後
(
のち
)
の文治の筋々を親しく小耳に
挟
(
はさ
)
んで居りました。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その頃文学小説の出版としいへば殆ど春陽堂一手の専門にて作家は
紅葉
(
こうよう
)
露伴
(
ろはん
)
の門下たるにあらずんば殆どその述作を
公
(
おおやけ
)
にするの道なかりしかば
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
こうして取れた宝貝を、ことごとく
公
(
おおやけ
)
の
目途
(
もくと
)
に振り向けた期間が長かったために、本来の用法は忘れられたのであろうか。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
僕はこの
拙著
(
せっちょ
)
を
公
(
おおやけ
)
にするに際して、この事を敢えて本格的科学者の一団に向い、声を大きくして叫びたく思う者である。
『地球盗難』の作者の言葉
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
またその許しを
公
(
おおやけ
)
に得たものは、士籍にあっては
豊後岡藩
(
ぶんごおかはん
)
の小川
弥右衛門
(
やえもん
)
、
地下人
(
じげにん
)
(平民)にあっては伊那小野村の庄屋倉沢
義髄
(
よしゆき
)
をはじめとする。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
往時かつて『主権原論』と言える反訳書を
公
(
おおやけ
)
にし、一昨年に至りて『日本外交私議』を刊行し、昨年末に『予算論』と言える小冊子を出したるのみ。
近時政論考
(新字新仮名)
/
陸羯南
(著)
其の後の時計塔は
諸所
(
しょじょ
)
に出来た者だから、単に時計塔とばかりでは分らず
公
(
おおやけ
)
の書類にまで幽霊塔と書く事に成った
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
予は従来
筆記
(
ひっき
)
し
置
(
おき
)
たる小冊を
刊行
(
かんこう
)
し、これを
菊窓偶筆
(
きくそうぐうひつ
)
と名づけ世に
公
(
おおやけ
)
にせんと欲し先生に示したれば、先生これを
社員
(
しゃいん
)
それ等の事に
通暁
(
つうぎょう
)
せる者に命じ
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
場所柄美しくない女ではなかつたらうけれども、誰も父の名を明かして
呉
(
く
)
れないところから考へると、いづれは
公
(
おおやけ
)
にし難い関係から生れた自分だらう。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
口惜しい一方で、もしこんなことが
公
(
おおやけ
)
の
沙汰
(
さた
)
にでもなろうものなら、どんなお
咎
(
とが
)
めを
蒙
(
こうむ
)
るかも判らないと思った。
山寺の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そういう事を世間に
公
(
おおやけ
)
にしますとキリスト教に関係を及ぼすものだから、そこでその報告書を焼いてしまって幾分の話も伝わらなかったということです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
事
(
こと
)
公
(
おおやけ
)
になれば、若様一人のお命では相済まぬ、相成るべくは、このまま
内聞
(
ないぶん
)
にいたして貰い度いが、どうじゃ。
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私も
好
(
よ
)
くは知りません。
誰
(
たれ
)
も好くは知りますまい。あなたが御存じのないのも
御尤
(
ごもっとも
)
です。これまでの
処
(
ところ
)
では、履歴も
精
(
くわ
)
しくは
公
(
おおやけ
)
にせられていないのですから。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
だが、表で話をすることはできず、彼女は
公
(
おおやけ
)
に主人に話をするあいだ庭の片すみの暇を
乞
(
こ
)
うたのであった。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
附録とした「個性について」(一九二〇年五月)という一篇は、大学卒業の直前『哲学研究』に掲載したものであって、私が
公
(
おおやけ
)
の機関に物を発表した最初である。
人生論ノート
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
我々は一私人で、ただ遊覧に来たのだから、
公
(
おおやけ
)
の職務を帯びている人を使ってはすまないが、せっかく案内をつけてくれると云うなら、小使でも何でも構わない。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
公使がこの命を伝うる時余にいいしは、
御身
(
おんみ
)
もし即時に
郷
(
きょう
)
に帰らば、路用を給すべけれど、もしなおここに
在
(
あ
)
らんには、
公
(
おおやけ
)
の助けをば仰ぐべからずとのことなりき。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
浪路の
失踪
(
しっそう
)
以来、彼女の行方不明が
公
(
おおやけ
)
になったら、単に、三斎、駿河守の一身上の大問題となるばかりでなく、それがきっかけになって、昔の悪業が、天日の下に
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
ドウーゼもかなり好きであって、彼の長篇六つは非常な興味を持って読み、六篇とも追々翻訳して
公
(
おおやけ
)
にするつもりであるが、何度も何度も繰返して読む程の熱はない。
ポオとルヴェル
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
まだ
公
(
おおやけ
)
の供養もすまぬのに、人の口はうるさいほど、頻繁に流説をふり
撒
(
ま
)
いていた。あの多聞天と、広目天との顔つきに、思い当るものがないか、と言うのであった。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
政府を確立する科学へである、唯一の
公
(
おおやけ
)
の力となる事物必然の力へである、自ら賞罰を有し明白に宣揚する自然の大法へである、日の出にも比すべき真理の
曙
(
あけぼの
)
へである。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
聖天子
万機
(
ばんき
)
の朝政を
臠
(
みそなわ
)
すによしとて、都とさだめたもうて三十年、国威は日に日に伸びる
悦賀
(
よろこび
)
をもうし、万民鼓腹して、聖代を
寿
(
ことほ
)
ぐ
喜悦
(
たのしみ
)
を、
公
(
おおやけ
)
にも、しろしめせとばかり
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
しかし、
公
(
おおやけ
)
の席で、こんなふうに
正面
(
まとも
)
にぶつかりそうになる形勢は初めて見ることであります。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それですから、英語では官吏のことをパブリック・サーヴァント即ち
公
(
おおやけ
)
の
僕
(
しもべ
)
というくらいです
心のアンテナ
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
ハナショウブの花は
千差万別
(
せんさばんべつ
)
、数百品もあるであろう。かつて
三好学
(
みよしまなぶ
)
博士が大学にいる間に、『
花菖蒲図譜
(
はなしょうぶずふ
)
』を
著
(
あらわ
)
して
公
(
おおやけ
)
にしたが、まことに
篤志
(
とくし
)
の至りであるといってよい。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
果してそれは公任卿の意にかなって、中納言左衛門
督
(
かみ
)
を
罷
(
や
)
めんことを請うの状は
公
(
おおやけ
)
に奉呈され、匡衡は少くとも公任卿には斉名以言よりも文威の高いものと認められて面目を施した。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
どんなに親しい間柄でも
公
(
おおやけ
)
の戦場では一歩もゆずらないのがふたりの約束であった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
一八四〇年にはさらに数夜が発表されたが、一八四四年の第二版においてようやく三十一夜を
包括
(
ほうかつ
)
するにいたった。第三十二夜と第三十三夜は一八四八年に初めて
公
(
おおやけ
)
にされたものである。
絵のない絵本:02 解説
(新字新仮名)
/
矢崎源九郎
(著)
一八四〇年にはさらに数夜が発表されたが、一八四四年の第二版においてようやく三十一夜を
包括
(
ほうかつ
)
するにいたった。第三十二夜と第三十三夜は一八四八年に初めて
公
(
おおやけ
)
にされたものである。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
印刷に附して世に
公
(
おおやけ
)
にせしに、すでに数千部を
出
(
いだ
)
すにいたれり、ここにおいて余はその多少世道人心を
裨益
(
ひえき
)
することもあるを信じ、今また多くの訂正を加えて、再版に附することとはなしぬ
後世への最大遺物
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
しかもその統合が
公
(
おおやけ
)
の権力を背景にしているところに、政治の特色がある。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
この事件は
公
(
おおやけ
)
にならずにすみましたが、この事件のために気勢をそがれたかたちになり、新劇研究会は解散してしまいましたが、それからしばらくしてから、あるところでこの話が出たとき
ハムレット
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
で、これは後藤氏をハッキリと
公
(
おおやけ
)
のものにして表面へ立たせたいという考えが私の
肚
(
はら
)
に決まったのでありました。これは当人の後藤氏の
思惑
(
おもわく
)
は分らないが、私の良心としてはこう切に思われる。
幕末維新懐古談:69 馬専門の彫刻家のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
武家屋敷内の出来事であるから、表向きにしないでも何とか済むのであるが、彼はその疑問を解決するために
町方
(
まちかた
)
の手を借りようと思い立って、わざと
公
(
おおやけ
)
にそれを発表しようとしたのであった。
半七捕物帳:10 広重と河獺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
公
(
おおやけ
)
の事に奔走すれば野心家と
疑
(
うたが
)
われ、老後他人の
厄介
(
やっかい
)
になるまいと
貯蓄
(
ちょちく
)
に
志
(
こころざ
)
せば
吝嗇奴
(
りんしょくど
)
と
侮
(
あなど
)
られ、一
挙手
(
きょしゅ
)
、一
投足
(
とうそく
)
、何事にしても、
吾人
(
ごじん
)
のする事なす事につき非難を
揷
(
さしはさ
)
むことのなきものはない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
あらゆる権利を譲って遣って、もう
公
(
おおやけ
)
の手に
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
生
(
お
)
い長じてはべつべつな主君に仕え、年久しく会いもせず、たまたま、相見たと思えば、
公
(
おおやけ
)
の使節たり、また一方の臣下たる立場から
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今ここに会社を立てて義塾を
創
(
はじ
)
め、同志諸子、相ともに講究
切磋
(
せっさ
)
し、もって洋学に従事するや、事、もと
私
(
わたくし
)
にあらず、広くこれを世に
公
(
おおやけ
)
にし
慶応義塾の記
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
あえて
咎
(
とが
)
むるに
足
(
た
)
らずといえども、これを文字に
記
(
しる
)
して新聞紙上に
公
(
おおやけ
)
にするに至りては、
伝
(
つた
)
えまた伝えて或は世人を
誤
(
あやま
)
るの
掛念
(
けねん
)
なきにあらず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
“公”の解説
公(こう)は、古代の中国語では個々に細かく分かれた「私」を包括した全体を意味する語である。また、一部に偏らないという意味を含む。このことから「公平」という熟語を生ずる。
この項目では中国に限らず、「公」に相当する日本やヨーロッパにおける称号、爵位、尊称などについても述べる。
(出典:Wikipedia)
公
常用漢字
小2
部首:⼋
4画
“公”を含む語句
公然
公園
乃公
郭公
公孫樹
女主人公
貴公
公衆
公卿
奉公
蒲公英
公爵
主人公
猿公
公家衆
公司
公家
清正公
公儀
公子
...