一組ひとくみ)” の例文
ぞろ/\と十四五にん、いろのはかまと、リボンで、一組ひとくみ總出そうでつたらしい女學生ぢよがくせい、十五六から二十はたちぐらゐなのがそろつてました。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もつとも、支那人しなじん麻雀マアジヤンしたしい仲間なかま一組ひとくみたのしむといふやうに心得こゝろえてゐるらしいが、近頃ちかごろ日本にほんのやうにそれを團隊的競技だんたいてききやうぎにまですゝめて
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
重太郎の飛び降りたのは、美濃屋みのやという雑穀屋ざっこくやの裏口であった。追手おって一組ひとくみは早くも駅尽頭しゅくはずれの出口をやくして、の一組はただちに美濃屋に向った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その脊中せなか模樣もやう一組ひとくみ其他そのたのものとおなじことであつて、女王樣ぢよわうさまにはれが、園丁えんていか、兵士へいしか、朝臣てうしんか、また御自分ごじぶんのお子供衆こどもしゆうのお三方さんかたであつたかを
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
このような海岸線かいがんせん組合くみあはせは地球上ちきゆうじよういたところ見出みいだされるが、紅海こうかい東海岸ひがしかいがん西海岸にしかいがんとのごときもいちじるしい一組ひとくみである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
なかには旋頭歌せどうかが、まだ片歌かたうた一組ひとくみであつたとき姿すがたを、のこしてゐるものすらあります。やはり萬葉集まんにようしゆう
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
其うちの一組ひとくみは夫婦と見えて、あついのに手を組み合せてゐる。女は上下うへしたとも真白な着物で、大変美くしい。三四郎は生れてから今日こんにちに至るまで西洋人と云ふものを五六人しか見た事がない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一門の門弟もんてい四、五十人をひきして、おなじく、御岳山上みたけさんじょうの一たんに、短銃たんじゅうッちがえの定紋じょうもんをつけたまくをはりめぐらし、そのうちにひかえて、すでに火術試合かじゅつじあいの申しでをしている一組ひとくみだったが
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゆえにこれにむくゆるに常に生命いのちをもってすべきものを、自分の生命いのちを取らずにかえってかみしも一組ひとくみでもくれるというは、その物はわずかであっても、その心は我々の期待するよりはるかに以上であるから
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
大分だいぶふるいのがあるのをた、——こゝには一組ひとくみぐらゐありさうな——草雙紙くさざうしでない、とおもひながら、フトかんがへたのは相坂あひざか團子だんごである。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たかれた、彼等かれら骨牌かるた一組ひとくみぎないぢやないか。ナニおそれることがあるものか』とおもつてました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
たしか、三日目みつかめ土曜どえうあたつたとおもふ。ばら/\ときやくはひつた。なか十人じふにんばかりの一組ひとくみが、ばん藝者げいしやんで、はこはひつた。申兼まをしかねるが、廊下らうかでのぞいた。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
れがおまへふことなぞをくものか?』とつてあいちやんは、(此時このときまでにおほきくなれるだけ充分じうぶんおほきくなつてゐました)『おまへ骨牌カルタ一組ひとくみぎないではないか!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
けつしてわるくいふのではない、こゑはどうでも、商賣しやうばいみちによつてかしこくなつたので、この初夏しよかも、二人ふたりづれ、苗賣なへうり一組ひとくみが、下六番町しもろくばんちやうとほつて、かど有馬家ありまけ黒塀くろべい
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
言問こととひ曲角まがりかどで、天道てんだうか、また一組ひとくみこれまた念入ねんいりな、旦那樣だんなさま洋服やうふく高帽子たかばうしで、して若樣わかさまをおあそばし、奧樣おくさま深張ふかばり蝙蝠傘かうもりがさすまして押並おしならあとから、はれやれおひとがついてぶらなり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)