トップ
>
預
>
あずか
ふりがな文庫
“
預
(
あずか
)” の例文
一
日
(
にち
)
を
経
(
へ
)
て、アンドレイ、エヒミチは
埋葬
(
まいそう
)
された。その
祈祷式
(
きとうしき
)
に
預
(
あずか
)
ったのは、ただミハイル、アウエリヤヌイチと、ダリュシカとで。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
だがその行先は
暫
(
しばら
)
く
秘中
(
ひちゅう
)
の秘として
預
(
あずか
)
ることとし、その
夜更
(
よふけ
)
、大学の法医学教室に起った怪事件について述べるのが順序であろう。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
また将軍継嗣論の
未
(
いま
)
だ定まらざるに就いては彼れ曰く、「夷官の来たり居るや、後必ずこの議に
預
(
あずか
)
らん。これ石敬塘の事遠からざるなり」
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
修験者の
珠数
(
じゅず
)
を押し
揉
(
も
)
んで
祈祷
(
きとう
)
する傍には、長者の一人
女
(
むすめ
)
と、留守を
預
(
あずか
)
っている宇賀一門の老人達が二三人坐っておりました。
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
夜ふかしは何、家業のようだから、その夜はやがて明くるまで、
野良猫
(
のらねこ
)
に注意した。
彼奴
(
きゃつ
)
が
後足
(
あとあし
)
で立てば届く、低い枝に、
預
(
あずか
)
ったからである。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
中には見ず識らずの人も多きにわざわざ書を寄せられてとかくの御配慮に
預
(
あずか
)
る事誠に
難有
(
ありがたき
)
次第とそぞろ感涙に沈み申候。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「世上の噂でも聞いたであろう、御薬園
預
(
あずか
)
りの
本草家
(
ほんぞうか
)
、
峠宗寿軒
(
とうげそうじゅけん
)
の娘お
小夜
(
さよ
)
は、府内にも並ぶ者なしという美人だ」
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
甲「これ
彼処
(
あすこ
)
に下足を
預
(
あずか
)
る番人があって、銘々下足を預けて
上
(
あが
)
るのに、懐へ入れて上る奴があるものか、是には何か此の方に意趣遺恨があるに相違ない」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
証書の表どおり、お
預
(
あずか
)
りしてある
後藤彫
(
ごとうぼり
)
の
目貫
(
めぬき
)
は、他へ売払いに出しますから、どうかおふくみ願いたいもので
鍋島甲斐守
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
よし学校の先生のいる所でも、その人はなんにも知らないか、さもなければなにかほかに仕事があって、
預
(
あずか
)
った子どもの世話をろくろくしない者が多かった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
判事は鍵を
預
(
あずか
)
っている庭番に命じて礼拝堂の扉を開けさせた。その礼拝堂というのは昔から崇められたものでそこにある立派な彫刻の人物などは
宝物
(
ほうもつ
)
であった。
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
今日は
図
(
はか
)
らず御招きに
預
(
あずか
)
りまして突然参上致しました次第でありますが、私は元この学校で育った者で、私にとってはこの学校は大分
縁故
(
えんこ
)
の深い学校であります。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
歳月は
匆々
(
そうそう
)
として
過
(
すぐ
)
ること二十五年、明治
戊辰
(
ぼしん
)
の年となって、徳川氏は大政を奉還したので、丸亀藩では幕府の罪人を
預
(
あずか
)
って
之
(
これ
)
を監視する義務がなくなった所から
枇杷の花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
昨年まで年に一回の月番役を勤めたが、月番の提灯を
預
(
あずか
)
ったきりで、一切の事務は
相番
(
あいばん
)
の肩に投げかけるので、皆迷惑したと見えて、今年から月番を諭旨免職になった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
社会共有のもので、自分の
懐
(
ふところ
)
に入っている間とても、なお一時社会から
預
(
あずか
)
ったようなものである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
本来ならばそんな事は、恐れ多い次第なのですが、御主人の
仰
(
おお
)
せもありましたし、御給仕にはこの頃御召使いの、
兎唇
(
みつくち
)
の
童
(
わらべ
)
も居りましたから、
御招伴
(
ごしょうばん
)
に
預
(
あずか
)
った訳なのです。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
客は湯冷めのせぬうちに、せめてもう
一献
(
いっこん
)
の振舞いに
預
(
あずか
)
って、ゆるゆる寝床に手足を伸ばしたいのだが、主人の意は案外の遠いところにあるらしい。それがこの辺から段々に分って来た。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
それは何か、人が非常に厚意に
預
(
あずか
)
る前の態度だった。妻女は慌てて患者のあとから立ち上って、これはまた何か非常に恥しい出来事でも到来する前のような恥らいを四方の人に見せておどおどした。
春:――二つの連作――
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
八五
郎
(
ろう
)
は、
春信
(
はるのぶ
)
から
預
(
あずか
)
った
結文
(
むすびふみ
)
を、ちょいと
懐中
(
ふところ
)
から
窺
(
のぞ
)
かせた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
いわゆる誠はその色に
顕
(
あらわ
)
れたのでありますから、唯今怪しい事などは、身の廻り
百由旬
(
ひゃくゆじゅん
)
の内へ寄せ附けないという、見立てに
預
(
あずか
)
りました小宮山も
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
多「番頭さん、
貴方
(
あんた
)
は
算盤
(
そろばん
)
を取って店を
預
(
あずか
)
るものだから聞きやすが、日に十二文の草履が五足で
幾許
(
いくら
)
になりやす」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「むむ、
甘
(
うま
)
いじゃないか」「いやこれは恐れ入った。飛んだところでトチメンボーの御返礼に
預
(
あずか
)
った」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この泣声を聞いては、小供を
預
(
あずか
)
っていた隣家の人も可哀そうになって来るので、伴れて来てやろうと思っていると、小供の泣声がぱったり
止
(
や
)
んで、その小供が何か話す声が聞えて来る。
車屋の小供
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
客は湯冷めのせぬうちに、せめてもう
一献
(
いっこん
)
の振舞ひに
預
(
あずか
)
つて、ゆるゆる寝床に手足を伸ばしたいのだが、主人の意は案外の遠いところにあるらしい。それがこの辺から段々に分つて来た。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
正面には山屋敷
預
(
あずか
)
りの与力、
熊野牛王
(
くまのごおう
)
の神紙二十七枚を三方にのせて前へ置き、側には、机を控えて同心と
書役
(
かきやく
)
、左の袖部屋にも三、四の下役がおそろしく緊張した
体
(
てい
)
で折目を正している。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
F——学園の校長さんは地方の
素封家
(
そほうか
)
出の文化人で、子供が多いところから一つ自分の手で思うような教育をしてみようと思い立ったのが始まりで、世間の子女たちも
預
(
あずか
)
る学校に発展さしたのですが
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
したがって自分は子守か
乳母
(
うば
)
の真似をしていればよいと思うか、あるいは自分の
預
(
あずか
)
れるものは日本国を
負
(
お
)
うて立つ
後日
(
ごじつ
)
の国民である。中には貴族の子もあり
富豪
(
ふごう
)
の愛嬢もあり、また学者の
後裔
(
こうえい
)
もある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そして——
確
(
たしか
)
に
預
(
あずか
)
る、決して
迂散
(
うさん
)
なものでない——と云つて、
丁
(
ちゃん
)
と、
衣兜
(
かくし
)
から名刺を出してくれました。奥様は、面白いね——とおつしやいました。
紅玉
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
子供はがつ/\して
喰
(
た
)
べているのを、多助は其の母の姿を見て
恟
(
びっく
)
り致しましたが、此の乞食
母子
(
おやこ
)
は何者でございましょうか、
次囘
(
つぎ
)
までお
預
(
あずか
)
りに致しましょう。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それなら君の未来の妻君の
御母
(
おっか
)
さんの
御眼鏡
(
おめがね
)
で
人撰
(
じんせん
)
に
預
(
あずか
)
った婆さんだからたしかなもんだろう」
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
商人は商人、教師は教師、役人は役人と
己
(
おの
)
れの
預
(
あずか
)
っている職務に
忠実
(
ちゅうじつ
)
にして、なおかつ思想は高く俗界を
超越
(
ちょうえつ
)
して、商人が金を造っても金を目的とせず、農家が
肥料
(
ひりょう
)
を
施
(
ほどこ
)
しても
収穫
(
しゅうかく
)
以上に目的を置き
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
勿論
(
もちろん
)
、描いた人物を
判然
(
はっきり
)
と
浮出
(
うきだ
)
させようとして、この
彩色
(
さいしょく
)
で
地
(
じ
)
を
塗潰
(
ぬりつぶ
)
すのは、
画
(
え
)
の手段に取って、
是
(
ぜ
)
か、
非
(
ひ
)
か、
巧
(
こう
)
か、
拙
(
せつ
)
か、それは菜の花の
預
(
あずか
)
り知る
処
(
ところ
)
でない。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此方
(
こちら
)
にお預け申して、さア旦那様を疑ぐる訳じゃ有りませんが、どうか三千円確かに預かった、
入用
(
にゅうよう
)
の時には渡すという
預
(
あずか
)
り証文を一本御面倒でも戴きたいもので
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「時計は今藤尾が
預
(
あずか
)
っているから、
私
(
わたし
)
から、よく、そう云って置こう」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
おめでたう存じまする、皆、太夫様の
御人徳
(
ごじんとく
)
。続きましては、手前
預
(
あずか
)
りまする池なり、所持の
屋形船
(
やかたぶね
)
。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
見ると五十両ではなくして八十両の包み
金
(
がね
)
、
表書
(
うえ
)
には「本堂
再建
(
さいこん
)
普請金、世話人
萬屋源兵衞
(
よろずやげんべえ
)
預
(
あずか
)
る」
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お丹は詰寄りて、「さもなければ質として、御手の御数珠を私が
預
(
あずか
)
りましょう、どっちか一つ御返事なさい。貴女、まあどうでございます。」と
咄々
(
とつとつ
)
人に迫り
来
(
きた
)
る。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手前方へ
預
(
あずか
)
れば石の
唐櫃
(
かろうと
)
へ入れたも同然と御安心下さるべく
候
(
そろ
)
と書いてやった
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「成程ね、華族様の内をすっかり
預
(
あずか
)
って、何のこたあない乞食からお前さんを拾上げたほどの人だから、そりゃお前さんを扱うこたあ、よく知っているんだろう。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これより多助の身の上
如何
(
いかゞ
)
相成りますか、次囘までお
預
(
あずか
)
りに致しましょう。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
また婆さんが出て、
昨夜
(
ゆうべ
)
は帰りました、その事をいって聞かせると、なおのことそのお
情
(
なさけ
)
に
預
(
あずか
)
っては、きっと取って来て差上げずにはと、留めるのも
肯
(
き
)
かないで行ったといいます。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
國「
呆
(
あき
)
れたよ、殿様の大事な品がこゝに入っているんだもの、今に殿様がお帰りの上で
目張
(
めっぱ
)
りこで
皆
(
みんな
)
の物を
検
(
あらた
)
めなければ、私のお
預
(
あずか
)
りの品が
失
(
なく
)
なったのだから、私が済まないよ、
屹度
(
きっと
)
詮議
(
せんぎ
)
を致します」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
三年間千破矢家を
預
(
あずか
)
っていて今も滝太郎を守立ててる
竜川守膳
(
たつかわしゅぜん
)
という漢学者。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此の
後
(
あと
)
は
何
(
ど
)
うなりますか、
次囘
(
つぎ
)
までお
預
(
あずか
)
り。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
が、
言
(
ことば
)
は
伝
(
つたわ
)
らないから、
婦
(
おんな
)
は外套を
預
(
あずか
)
ったまま、向直って
衝
(
つ
)
と去った。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
預
常用漢字
小6
部首:⾴
13画
“預”を含む語句
御預
預所
預金
預言者
預物
杜預
預置
預想
預言
永預
預防
預託品
預諸
預金通帳
預算
預替
頭預
預姫
預弟子
預察
...