しやう)” の例文
弥左ヱ門が雪頽なだれに熊を得たるは金一釜きんいつふ掘得ほりえたる孝子かうしにもすべく、年頃としごろ孝心かうしんてんのあはれみ玉ひしならんと人々しやうしけりと友人いうじん谷鴬翁こくあうをうがかたりき。
只富貴をもて論ぜば、信玄しんげんがごとく智謀はかりごとももが百あたらずといふ事なくて、一三九一生の威を三国にふるふのみ。しかも名将の聞えは世こぞりてしやうずる所なり。
しやうして傳吉は領主より相當さうたう恩賞おんしやうあるべきむね別段べつだん遠江守へ仰せ付らるゝ間此旨留守居へ相心得あひこゝろえよと申渡す
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此時このとき選手せんしゆ第一だいいちしやうたのは、いけをめぐること三十幾囘さんじふいくくわい翌日よくじつ發表はつぺうされて、としは六十にあまる、らう神行太保戴宗しんぎやうたいほたいそうは、加州かしう小松こまつ住人ぢうにん、もとの加賀藩かがはん飛脚ひきやくであつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あだか四肢ししを以て匍匐ほうふくする所の四足獣にくわりたるのおもひなし、悠然いうぜん坦途たんとあゆむが如く、行々山水の絶佳ぜつくわしやうし、或は耶馬渓やまけいおよばざるの佳境かけうぎ、或は妙義山めうぎざんも三舎をくるの険所けんしよ
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
しやうするに
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
弥左ヱ門が雪頽なだれに熊を得たるは金一釜きんいつふ掘得ほりえたる孝子かうしにもすべく、年頃としごろ孝心かうしんてんのあはれみ玉ひしならんと人々しやうしけりと友人いうじん谷鴬翁こくあうをうがかたりき。
罪せずいはんや罪のうたがはしきは輕くしやうの疑しきは重くすと是賞を重んじ罪をかるくする事の理なり其方共が吟味ぎんみは定めて九助の衣類のすそそみたると鼻紙はながみ入の落てありしとを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
君が今日家の子をしやうじ給ふにでて、翁が思ふ三四こころばへをもかたりなぐさまんとて、かりかたちあらはし侍るが、十にひとつもやうなき閑談むだごとながら、三五いはざるは腹みつれば
しかるに家業かげふ出精しゆつせいゆゑもつて、これよりさきとく一個いつここの鍛冶屋かぢやしやうたまひしより、昧爽まいさうける市街しがい現象げんしやううておもむきへんじ、今日けふ此頃このごろいたりては、鍛冶屋かぢや丁々てう/\ふもさらなり
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
描金まきゑよくして人のかすをなめず、別に一趣いつしゆ奇工きこうす。破笠はりつ細工とて今にしやうせらる。吉原の七月はじめ機燈からくりとうろを作りて今に其余波よはのこせり、でんつまびらかなれどもさのみはとてもらせり。
六一めざるになほき志をしやうぜられて、児玉をはじめ誰々も頼もしくまじはりけり。
じぶと料理れうりあり。だししたぢに、慈姑くわゐ生麩なまぶ松露しようろなど取合とりあはせ、魚鳥ぎよてうをうどんのにまぶして煮込にこみ、山葵わさび吸口すひくちにしたるもの。近頃ちかごろ頻々ひんぴんとして金澤かなざは旅行りよかうする人々ひと/″\みなその調味てうみしやうす。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ぞくあらため千辛萬苦しんばんくして首尾能しゆびよく兄の敵を討し段まことに女丈夫ぢやうふ共云べし又友次郎事も花を助け敵をうたせし段信義しんぎあつしやうするに餘り有依て父佐太夫に申さと勘當かんだうを免させ今より花と夫婦になり松田の家を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
描金まきゑよくして人のかすをなめず、別に一趣いつしゆ奇工きこうす。破笠はりつ細工とて今にしやうせらる。吉原の七月はじめ機燈からくりとうろを作りて今に其余波よはのこせり、でんつまびらかなれどもさのみはとてもらせり。
(猶小なるもあるべし)男魚をな女魚めなあり、めなは子あるゆゑ、をなよりはあたひたつとし。五番まで奉りてのちる、初鮏はつさけたつとき事おしてしるべし。これをしやうする事、江戸の初鰹魚はつかつをにをさ/\おとらず。